
簡単でわかりやすい!シリンジと注射器の違いとは?シリンジの種類や使い方も看護師が詳しく解説
注射器とは注射針、シリンジ、押子

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注射器とはシリンジに加え、注射針・押子(押し込むピストンのこと。吸子またはプランジャとも呼ぶ。)をいいます。一般的な注射器のイメージといって良いでしょう。
シリンジの使用用途
医療現場で使うシリンジは通常、シリンジと押子がセットになった状態で滅菌され、個装されたものです。シリンジに注射針をつけて血管に薬剤を注射する注射器として使用したり、点滴の途中から三方活栓(さんぽうかっせん)という器具から薬剤を注入したりするのにも使います。
医療現場以外には、物理や科学分野、生命科学(生命の営みを細胞・分子レベルで研究し、人の暮らしや産業に役立てようとする学問)分野の実験器具として、です。液体や気体の注入、体積の測定、加圧・減圧などに使われます。
シリンジの種類や使い方
シリンジは先端の形状により分類でき、針の接続部分の位置によっても分類できます。
シリンジの種類
先端の形状による分類は下記のとおりです。
・ルアーロック式…シリンジ先端にロック機能がついており、ねじ穴のような構造です。ねじ込むようにしっかり注射針を接続することができます。
・ルアーチップ式…シリンジ先端が凸部になっており、本体と一体整形されているタイプです。凸部部分はテーパ状(細長い構造物の径・幅・厚みなどが先細りになっている状態)で、注射針を押し込んで接続します。
・ルアーメタル式…先端が金属製の金具で、強度が強いのが特長です。
・浣腸式….浣腸や膀胱洗浄に使用するシリンジは、先端が若干丸みを帯びた形になっています。
・カテーテルチップ式…通常の注射器用シリンジより太い構造です。胃へ挿入している管やお腹に造った胃ろうに誤って注入しないようになっています。
続いては針の接続部分の位置による分類です。
・中口タイプ…接続部分が中心です。
・横口タイプ...接続部分が筒の中心から端にずれた位置にあります。
シリンジの使い方
医療用の場合、浣腸はあらかじめ浣腸液は充填されたもの(市販の浣腸の大容量版)があり、シリンジを使うことはほとんどありません。膀胱洗浄も基本、無菌状態の膀胱や尿道への感染リスクを下げるために、シリンジを使って膀胱洗浄することはほとんどないか、他の方法で行います。
もし、シリンジを使って浣腸や膀胱洗浄を行う場合は、先端に専用のゴム製チューブをつけるなどして実施し、直接体内に挿入することはありません。
シリンジとは注射器の筒の部分のことで、注射器は注射針・シリンジ・押子
シリンジとは注射器の注射針、押子以外の筒状の部分(外筒ともいう)で、現在は使い捨ての樹脂製が主流です。医療現場で使うほか、実験器具として利用されています。先端の形状により、ルアーロック式やルアーチップ式などがあり、針の接続部分の位置によって分類した場合は、中口タイプと横口タイプです。注射器はシリンジだけでなく注射針、押子のセットのことを指します。