この記事ではLinuCとLPICの違いについてみていきます。この2つはどちらもLinuxの知識や技能を証明するための資格試験のことです。聞き慣れない人も多いと思うが、自身のシステム開発者としてのスキルや経験を証明することのできる重要な役割があるぞ。今回はそんな2つの試験のもつ背景や、おすすめの資格を元システム運用ライターツカヤと一緒に解説していきます。

ライター/ツカヤ

10年程システム運用に従事していたWebライター。映画、小説、筋トレと多数の趣味を持つ。現在もいろいろな資格試験に挑戦中。

LinuCとLPICの違いってなに?

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LinuCとLPICはLinux(リナックス)に関する技術や経験を証明するための資格試験のことです。2つの試験にどんな違いがあるのか分からない、という人も多いのではないでしょうか。この記事ではLinuCとLPICの2つの違いについて詳しくご紹介します。

Linuxとはそもそもなに?

LinuCとLPIC、2つの試験について紹介する前に、そもそもLinux(リナックス)がどんなものかについて紹介していきます。

LinuxとはWindowsやMacOSと同じOSの種類の1つです。OSとしては馴染みのない人も多いと思いますが、WindowsやMacOSと違いオープンソースという特徴があります。その特徴を活かし、サーバの構築やアプリケーションの開発などの実務現場でよく活用されているのです。

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LinuCとは?

LinuCとはLPI-Japanという非営利組織が提供している「Linux技術者認定資格」です。Linux技術者としてのスキルを認定する資格であり、日本でのみ行われている認定試験になります。

後述するLPICとは提供組織が異なり、LPICよりも日本に最適化された試験として設立されました。もともとは多言語で提供されているLPICを翻訳した後、日本語化してから試験を提供していましたが、LinuCははじめから日本語で提供されています。

LPICとは?

LPICとは、Linux Professional Institute(LPI)という非営利組織が運営するLinux技術者のスキル認定資格(Certification)であり、2001年から資格の認定が開始されました。180カ国以上の国で試験が実施されており、日本語や英語だけではなく、様々な言語で受験できるのが特徴です。

LinuCとLPICの詳細情報

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LinuCとLPICには、同一資格内でも複数のレベル(級や段のようなもの)が存在します。英検や漢検といった資格とは異なり、上位レベルの認定試験を受けるには、下位レベルの認定を受けている必要があるのです。

LinuCの受験資格やレベルは?

LinuCには全3段階のレベルが設定されています。難易度はレベル1~レベル3までの3段階があり、上位レベルの認定を受けるためには下位レベルの認定を受けている必要があるのです。

例としてLinuCでレベル2の認定を受けるには、レベル1の認定を受けていなくてはいけません。なお、レベル3のみ専門分野に特化した3つの試験の内、いずれか1つに合格すればレベル3を取得することができます。

【LinuCに存在するレベルと求められる技能等】
・LinuCレベル1
求められる技能:物理/仮想Linuxサーバーの構築と運用
受験料:16,500円

・LinuCレベル2
求められる技能:仮想マシン・コンテナを含むLinuxシステム、ネットワークの設定・構築
受験料:16,500円

・LinuCレベル3 300 Mixed Environment
求められる技能:Linux、Windows、UNIXのOS混在環境のシステム構築、認証統合とリソースの共有
受験料:16,500円

・LinuCレベル3 303 Security
求められる技能:Linuxサーバを構築・運用するためのセキュリティ知識
受験料:16,500円

・LinuCレベル3 304 Virtualization & High Availability
求められる技能:LinuxとOSSによる仮想化と高可用性技術についての知識、データセンターやプライベートクラウドの構築・運用等
受験料:16,500円

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LPICの受験資格やレベルは?

LPICには、LinuCと同じく全3段階のレベルが設定されています。上位レベルの認定試験を受けるには、下位レベルの認定を受けている必要があるのです。LinuCと異なり、日本語だけでなく多言語での受験もできます。なお、LinuCと同じくレベル3のみ専門分野に特化した3つの試験内、1つに合格すればレベル3を取得することが可能です。

【LPICに存在するレベルと求められる技能等】
・LPICレベル1
求められる技能:Linuxの基本操作とシステム管理、Linuxディストリビューションの基本知識等
受験料:16,500円

・LPICレベル2
求められる技能:Linuxのシステムデザイン、ネットワーク構築における、企画、導入、維持、トラブルシューティング、キャパシティプランニング
受験料:16,500円

・LPICレベル3 300試験
求められる技能:Sambaを利用し、Linux、Windows、Unixが混在するシステムを設計、構築、運用・保守
受験料:16,500円

・LPICレベル3 303試験
求められる技能:セキュリティレベルが高いサーバの設計、構築、運用・保守
受験料:16,500円

・LPICレベル3 304試験
求められる技能:クラウドコンピューティングシステムをはじめとした、仮想化技術や高可用性システムの設計、構築、運用・保守
受験料:16,500円

資格は自分の持つ技能や経験を可視化できる大切な存在

自分の持っている技能や経験は、どんなに優れたものを持っていたとしても他人に証明することは難しいものです。しかし、権威のある第三者から資格という形で認められることで、周囲に分かりやすく実力を示すことができます。どちらの資格が自身に合っているのか吟味し、最適な資格取得に活かしましょう。

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LinuCとLPICの違いが簡単にわかる!その背景や資格を持つメリットも元システム運用ライターがわかりやすく解説

この記事ではLinuCとLPICの違いについてみていきます。この2つはどちらもLinuxの知識や技能を証明するための資格試験のことです。聞き慣れない人も多いと思うが、自身のシステム開発者としてのスキルや経験を証明することのできる重要な役割があるぞ。今回はそんな2つの試験のもつ背景や、おすすめの資格を元システム運用ライターツカヤと一緒に解説していきます。

ライター/ツカヤ

10年程システム運用に従事していたWebライター。映画、小説、筋トレと多数の趣味を持つ。現在もいろいろな資格試験に挑戦中。

LinuCとLPICの違いってなに?

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LinuCとLPICはLinux(リナックス)に関する技術や経験を証明するための資格試験のことです。2つの試験にどんな違いがあるのか分からない、という人も多いのではないでしょうか。この記事ではLinuCとLPICの2つの違いについて詳しくご紹介します。

Linuxとはそもそもなに?

LinuCとLPIC、2つの試験について紹介する前に、そもそもLinux(リナックス)がどんなものかについて紹介していきます。

LinuxとはWindowsやMacOSと同じOSの種類の1つです。OSとしては馴染みのない人も多いと思いますが、WindowsやMacOSと違いオープンソースという特徴があります。その特徴を活かし、サーバの構築やアプリケーションの開発などの実務現場でよく活用されているのです。

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