この記事では葛餅とくず餅の違いについてみていきます。どちらもきな粉と黒蜜をまぶして食べるもちもちした食感の和菓子といったイメージがあるよな。違いはずばり原材料や産地にあるようです。今回はそんな日本を代表する和菓子でもある葛餅とくず餅の違いについて、雑学好きライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

ヨガ歴7年、筋トレにはまりデッドリフトでダンベル100kgを持ち上げた過去をもつ。身体にいい食事、体づくりに最適な食材にアンテナをはって生きている現役OLライター。

葛餅とくず餅の違いは原材料

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葛餅とくず餅、どちらも「くずもち」と発音しますが両者はまるで別物であることをご存じでしょうか?葛餅とくず餅の大きな違いは原材料にあります。簡単に説明すると葛餅の原材料は本葛粉、くず餅の原材料は小麦粉のでんぷんにあるんだそう。ここからくわしくみていきましょう。

葛餅の原材料:本葛粉(くずこ)

葛餅の原材料は「本葛粉」です。葛粉とは文字通り「葛」という植物の根から精製された粉のことをさしています。現在、国産の本葛粉はとても希少なものなので、中国などの外国から輸入した本葛粉で作られることも多いようです。

また、店頭に並ぶ「葛餅」と表記された商品のなかには、芋やトウモロコシなどから精製される粉を代替品として使用しているものもあるため、購入する際には注意が必要ですね。

くず餅の原材料:小麦粉のでんぷん

くず餅は小麦からグルテンという成分を取り除いた「うき粉」と呼ばれる粉を、さらに乳酸発酵させたものが原材料となっています。ちなみにひらがなのくず餅は「久寿餅」と漢字で表記されることもありますね。くず餅は、発酵食品として現代でも注目を集める和菓子の1つです。

わらび餅との違いは?

わらび餅の原材料は「蕨(わらび)」という植物から採取されたでんぷん「わらび粉」です。わらび餅の歴史は古く、日本では平安時代の醍醐天皇が好んで食していたという記録があるほど。わらび餅の食感はもっちりとしていて弾力や強いコシを感じられます。程よく冷やしてきな粉や黒蜜をかけて食べるのがおすすめですね。

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葛餅とくず餅の産地・由来・歴史・作り方の違いとは?

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葛餅とくず餅は、産地が関西と関東であるといった点でも違いがあります。葛餅は主に関西で、くず餅は主に関東で作られているのだそう。ここからは、それぞれの和菓子が生まれた背景や作り方についてくわしくみていきましょう。

葛餅:関西の和菓子

葛餅は、原材料である本葛粉を水で溶かし、火にかけ煮詰めながら練り混ぜていくことでつくられますね。葛粉100%のものを本葛粉といい、日本では生産量が大変少なく貴重な食材となっていますが、西日本や近畿、九州などでは手に入れることも可能です。

「葛(くず)」という呼び名は、奈良県吉野地方に住んでいた山の民「国栖人(くずびと)」が葛粉をつくり売っていたことが由来だそうですよ。ちなみに、江戸時代中期1718年に出版された「古今名物御前菓子秘伝抄」という文献に「葛餅」は登場しています。長く愛されている和菓子であることがうかがえますね。

くず餅(久寿餅):関東の和菓子

くず餅、もとい「久寿餅」は関東発祥。くず餅は、原材料の小麦粉を乳酸菌で発酵させでんぷんを精製し、このでんぷんを何度も水洗いし発酵臭や酸味を除き、お湯に溶かし型に流して蒸しあげてつくられます。くず餅の見た目は乳白色。弾力と粘り気のある食感が特徴です。

くず餅が誕生したのは江戸時代末期。神奈川県の大師河原村の久兵衛が生みの親だといわれていますね。久兵衛は保管していた小麦粉が雨に濡れたまま放置され発酵してしまった様子をみて、何とか加工して利用できないかと考え、現在のくず餅を作り出したといわれているんだそう。

葛餅とくず餅の栄養価

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葛餅とくず餅は甘味として楽しむだけではなく、その栄養価の高さからも注目を集める食材となっています。ここからくわしくみていきましょう。

葛餅の栄養価

葛餅の原料である葛粉には豊富にイソフラボンが含まれています。イソフラボンとは大豆製品などに多く含まれる女性ホルモンの働きを助ける成分のことですね。また、サポニンという成分も葛粉には含まれています。サポニンは血管を拡張し血流をよくする効果があるといわれているんだそう。

\次のページで「くず餅の栄養価」を解説!/

くず餅の栄養価

くず餅(久寿餅)は、和菓子のなかでも珍しい発酵食品。最近では、くず餅にしかない「くず餅乳酸菌」と呼ばれる植物性の乳酸菌も発見されたんだとか。腸内細菌のバランスを整え、お腹や腸の調子をサポートしてくれる菌になります。くず餅は腹持ちがいいのも特徴の1つ。ダイエット食品としても注目を集めているんだそう。

長い間愛された伝統の味を比較しながら楽しもう!

江戸時代から長い期間愛され続けている「葛餅」と「くず餅」。両者は全くの別物であることが分かりました。そして両者ともきな粉と黒蜜との相性は抜群で、栄養価も高いことが分かりましたね。最近では、葛餅やくず餅をトッピングとしたスムージーやパフェのような甘味も人気があります。ぜひ、食べ比べをするような気持ちで日常でも「葛餅」や「くず餅」を食べてみる機会を作ってみてくださいね。

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簡単でわかりやすい!葛餅とくず餅の違いとは?わらび餅との違いや原材料も雑学好きライターがくわしく解説

この記事では葛餅とくず餅の違いについてみていきます。どちらもきな粉と黒蜜をまぶして食べるもちもちした食感の和菓子といったイメージがあるよな。違いはずばり原材料や産地にあるようです。今回はそんな日本を代表する和菓子でもある葛餅とくず餅の違いについて、雑学好きライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

ヨガ歴7年、筋トレにはまりデッドリフトでダンベル100kgを持ち上げた過去をもつ。身体にいい食事、体づくりに最適な食材にアンテナをはって生きている現役OLライター。

葛餅とくず餅の違いは原材料

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葛餅とくず餅、どちらも「くずもち」と発音しますが両者はまるで別物であることをご存じでしょうか?葛餅とくず餅の大きな違いは原材料にあります。簡単に説明すると葛餅の原材料は本葛粉、くず餅の原材料は小麦粉のでんぷんにあるんだそう。ここからくわしくみていきましょう。

葛餅の原材料:本葛粉(くずこ)

葛餅の原材料は「本葛粉」です。葛粉とは文字通り「葛」という植物の根から精製された粉のことをさしています。現在、国産の本葛粉はとても希少なものなので、中国などの外国から輸入した本葛粉で作られることも多いようです。

また、店頭に並ぶ「葛餅」と表記された商品のなかには、芋やトウモロコシなどから精製される粉を代替品として使用しているものもあるため、購入する際には注意が必要ですね。

くず餅の原材料:小麦粉のでんぷん

くず餅は小麦からグルテンという成分を取り除いた「うき粉」と呼ばれる粉を、さらに乳酸発酵させたものが原材料となっています。ちなみにひらがなのくず餅は「久寿餅」と漢字で表記されることもありますね。くず餅は、発酵食品として現代でも注目を集める和菓子の1つです。

わらび餅との違いは?

わらび餅の原材料は「蕨(わらび)」という植物から採取されたでんぷん「わらび粉」です。わらび餅の歴史は古く、日本では平安時代の醍醐天皇が好んで食していたという記録があるほど。わらび餅の食感はもっちりとしていて弾力や強いコシを感じられます。程よく冷やしてきな粉や黒蜜をかけて食べるのがおすすめですね。

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