
3分で簡単にわかるラピスラズリとアズライトの違い!ラズライトとの違いや顔料としての使い方も工学系院卒ライターがわかりやすく解説!
ライター/through-time
工学修士で、言葉や文学も大好きな雑食系雑学好きWebライター。学生時代の経験と知識を生かし、ラピスラズリとアズライトの違いについて詳しく解説していく。
ラピスラズリとは

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星々がきらめく夜空をそのまま閉じ込めたような宝石で、鮮烈な青色ウルトラマリンの原料にもなったラピスラズリ。同じく青色顔料の原料である鉱物にアズライトがあります。まずはラピスラズリについて解説しましょう。
ラピスラズリ(lapis lazuli)は、不透明かつ鮮やかな深青色や藍色を呈する半貴石です。金色の細かい粒状のパイライト(黄鉄鉱)や、白い筋状のカルサイト(方解石)を内包することもあります。日本では12月の誕生石ですが、9月の誕生石として定めている国も。
語源は「lazhward(ラーズワルド)の石」を意味するラテン語で、lazhwardはアフガニスタンにあるラピスラズリの産地・サリサング鉱山の古い呼び名です。和名は瑠璃(るり)。
ラピスラズリの特徴
ラピスラズリは複数の鉱物が混ざった鉱物です。主成分はラズライト(青金石)を始めとする以下の4種類の鉱物で、すべてが方ソーダ石グループに属しています。
・ラズライト(lazurite):(Na,Ca)8(AlSiO4)6(SO4,S,Cl)2
青金石(せいきんせき)。鮮やかな青色の要因となる鉱物です。ラピスラズリの25~40%を占めています。
・ソーダライト(sodalite):Na4Al3(SiO4)3Cl
方ソーダ石(ほうソーダせき)。ナトリウム(ソーダ)を多く含む鉱物です。
・アウイン(haüyne): (Na,Ca)4-8Al6Si6(O,S)24(SO4,Cl)1-2
藍方石(らんほうせき)。鮮やかな青色の鉱物です。特定方向に割れやすい性質(へき開)を有します。
・ノゼアン(nosean):Na8Al6Si6O24(SO4) H2O
黝方石(ゆうほうせき)。「黝」はあおぐろいという意味です。
このほか、副成分としていくつかの微量鉱物が混じっています。代表的な副成分が、ラピスラズリの白い筋にあたるカルサイト(方解石)、そして金色の粒にあたるパイライト(黄鉄鉱)です。ラピスラズリには硫黄が多く含まれており、これが鉄と結合してパイライトを形成します。
ラピスラズリの主な産地は、名前の由来となった鉱山があるアフガニスタン、チリ、ロシアです。
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