
3分で簡単にわかる木酢液と竹酢液の違い!成分や使い方も農家ライターが詳しく解説
今回はそんな農業に欠かせないアイテムの違いを、成分と効果・効能について確認しつつ、農家ライターの斉藤佳人と一緒に解説していきます。

ライター/斉藤佳人
お米農家、メカエンジニア、ロボット教室講師、スポーツトレーナーと複数の仕事をこなすマルチワーカー。豊富な知識と経験をもとにライター業にも取り組んでいる。
木酢液と竹酢液の違いとは?

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近年、健康や環境に対する意識が高まりをみせ、自然素材を利用した製品が注目を集めています。家庭菜園やガーデニングでは、できるだけ自然由来のものを使用したいというニーズも。その中でも、「木酢液」と「竹酢液」は、農業や家庭での利用が増えている自然素材の代表。木酢液と竹酢液の違いは、木酢液は木材を原料としていて、竹酢液が竹を原料としているという違いがあるのです。
木酢液と竹酢液は、それぞれの原料を燃焼させる過程で得られる天然の液体で、独特の匂いを持っています。それでは木酢液と竹酢液の違いを、成分と効果と使い方の違いから見ていきましょう。
成分の違い
木酢液は木材から、竹酢液は竹から作られており、原料が異なるため含まれる成分に違いがあります。それぞれ見ていきましょう。
木酢液の主要な成分

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木酢液の原料はナラやブナなどの広葉樹、マツやスギなどの針葉樹、どちらの木材も使用されています。木酢液には酢酸、ギ酸、フェノール類、アルコール類、酢酸エステル類、ケトン類、木タールなどが含まれていて、その種類はなんと200種以上。木を燃焼させて作ることから煙のような匂いと、酢酸を含んでいるので独特なつんとする匂いがするのです。
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竹酢液の主要な成分

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竹酢液の成分は木酢液とほぼ同じものが含まれていますが、タール分が少ないため透明度が高くなっています。竹由来のシリカなどの物質を含むことも特徴。また、酸性の物質の含有量が木酢液よりも多く、PH3.0と強い酸性を示します。
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効果と使い方の違い
木酢液と竹酢液は、基本的には水で希釈して、目的に応じた濃度にしてからジョウロや噴霧器で土壌や植物の葉面に散布します。それでは順番に確認していきましょう。
木酢液の効果と使い方
木酢液の主要な効果は、抗菌・抗ウイルス、還元作用、土壌改良、消臭・脱臭、防カビ・防虫です。農業や家庭菜園での病害虫対策に使われます。煙のような独特の匂いがするため、この匂いが苦手な動物を遠ざける効果もあるのです。コンポスト内の生ごみに噴霧することで、虫が寄り付かなくなったり、臭いを抑えたりする効果もありますね。
木酢液に含まれる有機物によって土壌中の微生物が活性化して、有機質を多く含む豊かな土壌になると言われています。
タール分を取り除いた高純度の木酢液は入浴剤としても使用されていますね。天然由来の成分のみで、燻製のような香りが特徴。体を温める効果が期待できます。
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