近年では多くの企業に導入されるようになった業務用クラウドサービス。とりわけ人気なのは「セールスフォース」と「サービスナウ」です。
今回はこの2サービスの違いについて、現役エンジニアのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

セールスフォースとサービスナウの違い

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業務の改善や効率化を目的とし、クラウドサービスを導入する企業が増えてきました。その中でも日本で高い知名度を誇るのが「セールスフォース」と「サービスナウ」です。しかしこの2サービスが具体的にどう違うかまで理解している人は少ないのではないでしょうか。ここでは「セールスフォース」と「サービスナウ」の違いについて解説していきます。

セールスフォース:CRM・SFA・MA

「セールスフォース(Salesforce)」は社内業務支援、特にCRM・SFA・MAに強いクラウドサービスです。

CRMとは「Customer Relationship Management」の略語で、日本語では「顧客関係管理」という意味。SFAとは「Sales Force Automation」の略語で、日本では「営業支援システム」と解釈されています。MAは「Marketing Automation」の略語で、見込み顧客情報の獲得から商談化までのフェーズを効率化するツールです。

まとめると、「セールスフォース」は売り上げを伸ばすためのクラウドサービスと言えるでしょう。

サービスナウ:ITSM

「サービスナウ(ServiceNow)」は、ITSMに特化したクラウドサービスです。

ITSM(IT Service Managemen)とはワークフロー構築やサポートデスクの運用管理といった社内業務に関するシステムを一元化して運用・管理できること。ワークフローとは社内の事務手続きの一連の流れを指し、「サービスナウ」はこれらをシンプルに構築できます。またサポートデスクとはいわゆる「お問い合わせセンター」的な部隊のことで、「サービスナウ」を用いることでこれらの部隊の業務を効率化させることが可能です。

まとめると、「サービスナウ」は社内業務を効率化するためのクラウドサービスと言えるでしょう。

どちらもSaaSの一種

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「セールスフォース」と「サービスナウ」の目的および得意分野についてはおわかりいただけたと思います。この2サービスはいずれもSaaSと呼ばれるサービス形態の一種です。聞き馴染みのない人のために、ここでは「SaaS」についても解説していきます。

\次のページで「SaaS:サービスとしてのソフトウェア」を解説!/

SaaS:サービスとしてのソフトウェア

「SaaS」とは「Software as a Service」の略語で、サービスとしてソフトウェアを利用できることを言います。

従来のソフトウェアは各端末にインストールが必要でした。そのためインストール作業やバージョンアップ作業、ライセンスの更新など手間やコストがかかっていました。しかし「SaaS」はサービス提供者のサーバー(大規模処理用のコンピューター)にアクセスして使用できるソフトウェアのため、ユーザー側でインストールなどの環境設定が必要ありません。

SaaSのメリット

「SaaS」はソフトウェアを開発したり、導入したり、環境設定をする必要がありません。そのため初期コストやランニングコストが安価で済みます。またメンテナンスなどはサービス提供者側が行うため、専門性の高いエンジニアを常駐させるなど人的コストもかかりません。

世代の違い

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実は「セールスフォース」と「サービスナウ」ではリリースされた世代が違います。IT業界が爆発的にクラウド化していく中で、なぜこの2サービスは主導権をつかむことができたのか。ここでは2社の歴史をひも解きながら、そんな世代の違いについても解説していきます。

セールスフォース:20世紀末に誕生

「セールスフォース」の誕生は意外に早く、1999年にアメリカのカリフォルニア州で設立されました。当時はクラウドという概念がなかったため、CRMアプリケーションをインターネットで提供する会社として活躍していました。非常に画期的だったと言えるでしょう。

サービスナウ:21世紀初頭に誕生

「サービスナウ」は2004年にアメリカのカリフォルニア州で設立された企業です。こちらもクラウドという概念が浸透する直前から現在のサービス形態をとっていた古参クラウドサービス事業者。2012年に上場してから10年で株価は2倍になり、「アドビ(コンピューターデザインソフト最大手)」や「セールスフォース」に次ぐ巨大「SaaS」企業となりました。

\次のページで「セールスフォースは売上を伸ばす、サービスナウは業務を効率化する」を解説!/

セールスフォースは売上を伸ばす、サービスナウは業務を効率化する

ここまで「セールスフォース」と「サービスナウ」の違い、両者が属している「SaaS」というサービス形態、そして両者の世代的な違いについて解説してきました。「大企業なのは知っているけれど、何をしている企業かわからない」という疑問は解決したのではないでしょうか。

筆者は仕事柄、この2つのサービスを日々使っています。どちらも非常に使いやすく便利なサービスです。「セールスフォース」と「サービスナウ」は、今後も日本市場で成長していくことでしょう。

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IT・プログラミング雑学

3分で簡単にわかるセールスフォースとサービスナウの違い!日本での導入例も雑学好きライターがわかりやすく解説

近年では多くの企業に導入されるようになった業務用クラウドサービス。とりわけ人気なのは「セールスフォース」と「サービスナウ」です。
今回はこの2サービスの違いについて、現役エンジニアのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

セールスフォースとサービスナウの違い

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業務の改善や効率化を目的とし、クラウドサービスを導入する企業が増えてきました。その中でも日本で高い知名度を誇るのが「セールスフォース」と「サービスナウ」です。しかしこの2サービスが具体的にどう違うかまで理解している人は少ないのではないでしょうか。ここでは「セールスフォース」と「サービスナウ」の違いについて解説していきます。

セールスフォース:CRM・SFA・MA

「セールスフォース(Salesforce)」は社内業務支援、特にCRM・SFA・MAに強いクラウドサービスです。

CRMとは「Customer Relationship Management」の略語で、日本語では「顧客関係管理」という意味。SFAとは「Sales Force Automation」の略語で、日本では「営業支援システム」と解釈されています。MAは「Marketing Automation」の略語で、見込み顧客情報の獲得から商談化までのフェーズを効率化するツールです。

まとめると、「セールスフォース」は売り上げを伸ばすためのクラウドサービスと言えるでしょう。

サービスナウ:ITSM

「サービスナウ(ServiceNow)」は、ITSMに特化したクラウドサービスです。

ITSM(IT Service Managemen)とはワークフロー構築やサポートデスクの運用管理といった社内業務に関するシステムを一元化して運用・管理できること。ワークフローとは社内の事務手続きの一連の流れを指し、「サービスナウ」はこれらをシンプルに構築できます。またサポートデスクとはいわゆる「お問い合わせセンター」的な部隊のことで、「サービスナウ」を用いることでこれらの部隊の業務を効率化させることが可能です。

まとめると、「サービスナウ」は社内業務を効率化するためのクラウドサービスと言えるでしょう。

どちらもSaaSの一種

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「セールスフォース」と「サービスナウ」の目的および得意分野についてはおわかりいただけたと思います。この2サービスはいずれもSaaSと呼ばれるサービス形態の一種です。聞き馴染みのない人のために、ここでは「SaaS」についても解説していきます。

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