今回のテーマはウイスキーの種類についてです。ウイスキーとは「穀物を原料に蒸留をして樽で熟成させたもの」。これだけ聞いても酒に詳しくないとピンとこないかもしれませんね。今回はウイスキーの基本知識を、酒好きライターkuroakaと一緒に解説していきます。

ライター/kuroaka

博物館・美術館好きで学芸員の資格を持つWebライター。好奇心旺盛で、雑学好き。お酒も好きで、自宅には常に10種類近くの酒がストックされている。

ウイスキーとはどんなお酒?

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ビールや日本酒・ワイン…お酒の種類はたくさんありますが、ウイスキーがどのようなお酒かご存知ですか?「ウイスキーは太りにくい」「悪酔いしにくい」そんなことを聞いたことがあるかも知れません。今回はウイスキー初心者の入り口として、ウイスキーに関する情報を幅広くお届けします。

ウイスキーの作り方

ウイスキーの造り方を簡単に言うと「穀物を原料に蒸留をして樽で熟成させたもの」です。穀物の種類は大麦・ライ麦・小麦・トウモロコシと様々。しかしこれだけだとピンときませんよね。ウイスキーの詳しい造り方をみていきましょう。

1.仕込み:砕いた穀物とお湯を混ぜ合わせ、お粥状態にする。さらに濾過し、麦汁を作る。すると、穀物のでんぷんが糖分に変わる。
2.発酵:麦汁に酵母を加えて「発酵」させる。これでできた発酵液を「もろみ」と呼ぶ。発酵は糖分をアルコールに変えること。
3.蒸留:「もろみ」をポットスチルと呼ばれる特別な機械で加熱する。蒸発したアルコールを冷やし、凝縮させ液体に戻す。加熱→蒸発→凝縮の工程を「蒸留」といい、アルコールが約80度で沸騰する性質を利用している。
4.熟成:3.でできたものを木樽に入れて「熟成」させる。何年も寝かせることでウイスキー独特の風味が増す。また、木樽から出た成分がお酒に混ざることで無色透明から琥珀色の液体になっていく。

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焼酎との違いは?

焼酎も蒸留酒であることは同じです。では、ウイスキーと何が違うのでしょうか?答えは原料・酵素・色合いの3点

焼酎に使われる原料は芋・大麦・米・黒糖・胡麻・そばなどです。またでんぷんを糖分に変える時に酵素を加えますが、その時に使う酵素がウイスキーは麦芽なのに対し、焼酎はになります。さらに、焼酎は無色透明に近いですが、これは「ウイスキーの5分の1から10分の1の色合いにする」という決まりがあるからです。そのため、熟成にはお酒に色移りしないステンレス・ホーローなどで貯蔵されます。

ブランデーとの違いは?

ブランデーも蒸留酒のひとつです。ウイスキーとの違いは原料。ブランデーでは白ぶどうなどの果実を使います。そのためフルーティーな香りが特徴で、クセが少なく甘みがあるのでストレートで飲むのがおすすめです。代表的な銘柄にフランスのコニャック地方が由来となっている「コニャック」があります。ぶどう以外の原料もいくつかあり、りんごを使った「カルヴァドス」、さくらんぼを使った「キルシュ」などです。

飲み物だけでなく、お菓子作りの香付けに使われることもあるため、お酒を飲まなくても馴染みのある人もいるかもしれませんね。

ウイスキーの原料は?

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ウイスキーは原料や産地によって種類が違います。また個性も様々です。まずはどのような原料の穀物があるかみていきましょう。

1.モルトウイスキー

モルトは、大麦を発芽させた大麦麦芽のことです。一般的にモルト100%で造られるウイスキーを「モルトウイスキー」といいます。製造国は主に日本やスコットランド、ウイスキー新興国と呼ばれる台湾やインドなどです。

モルトウイスキーは生産地や蒸留所の影響が出やすいため、様々な個性を持ったウイスキーがあるのが特徴。一箇所の蒸留所で造られたモルトウイスキーだけを瓶詰めしたものを「シングルモルト」といいます。

2.グレーンウイスキー

大麦以外の穀物を主原料としたウイスキーをグレーンウイスキーといいます。グレーンとは穀物を意味する英単語「grain」のこと。主な原料は以下の通りで、いずれもアメリカで造られることの多いウイスキーです。

1.ライ麦(ライウイスキー):少し辛口でシャープな味わいが特徴。
2.トウモロコシ(コーンウイスキー):ほとんどが熟成せずに造られる。ほのかな甘味が特徴。
3.小麦(ホイートウイスキー):ウィートウイスキーと表記されることもある。

\次のページで「3.ブレンデッドウイスキー」を解説!/

3.ブレンデッドウイスキー

「シングルモルト」と対になるもので、複数のウイスキーを混ぜ合わせたものを「ブレンデッドウイスキー」といいます。国によって定義・製法が違いますが、日本ではスコットランドで誕生したブレンデッドウイスキーの製法です。モルト原酒とグレーン原酒をブレンドしたもの。何種類もの香り・味の違うウイスキーを絶妙な配合によって組み合わせるため、職人のセンスと腕が光ります。

世界5大ウイスキーとは?

世界5大ウイスキーとは、世界的なウイスキー生産国として知られる5カ国で造られるウイスキーのことです。その5カ国は原料となる穀物の生産が盛んで、良質で豊富な水源があり、ウイスキーの熟成に適した冷涼な気候であるなど、ウイスキー造りに必要な条件を備えた土地となっています。

1.スコットランド(スコッチウイスキー):世界で最も生産量の多いウイスキー。
2.アイルランド(アイリッシュウイスキー):ウイスキー発祥の地とされているが、スコットランドと発祥地を争っている。
3.アメリカ(アメリカンウイスキー):バーボンウイスキーが有名。
4.カナダ(カナディアンウイスキー):5大ウイスキーの中で最も飲みやすく、様々な料理に合うと言われている。
5.日本(ジャパニーズウイスキー):他に比べて歴史は浅いが、繊細な風味で世界的に高い評価を受けている。

ウイスキーの飲み方は?

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ウイスキーの特徴のひとつに様々な飲み方が挙げられます。そのためお酒初心者からウイスキー玄人まで幅広く楽しめるお酒です。代表的な飲み方を5つご紹介します。

1.ストレート

ウイスキーのみでそのまま飲む方法です。ウイスキーの香りと味をダイレクトに楽しめます。しかしウイスキーのアルコール度数は40~45度あるため、一気に飲むのは危険。少しずつ口に含み、舐めるようにゆっくり飲んでください。ストレートグラスという専用の小ぶりのグラスに注げば、香りを存分に楽しめます。ウイスキー上級者向けの飲み方です。

2.ロック

ウイスキーに氷を入れて飲む方法です。最初はストレートに近い味わいですが、氷が溶けるに連れて水割りのようになり、味の変化を楽しめます。ロックグラスという呑み口が広く高さの低い専用グラスに淹れると、ウイスキーの琥珀色の変化も分かって面白いですよ。

3.ハイボール

ウイスキーをソーダで割って飲む方法です。グラスに氷を淹れて好みの濃さで割って飲みます。一般的な割合はウイスキー1、ソーダ3です。割材はソーダだけでなく、ジンジャーエールで割ったジンジャーハイボール、コーラで割ったコークハイボールなどがあります。ウイスキーが苦手でも楽しむことができる飲み方です。

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4.水割り

ウイスキーを冷水で割って飲む方法です。ウイスキー1、水2の割合が一般的。日本の軟水が割材として適しているため誕生した、日本独自の飲み方と言われています。炭酸が苦手でハイボールが飲めないという人にもおすすめです。

5.ホットウイスキー

ウイスキーをお湯で割って飲む方法です。あらかじめ温めておいたグラスにウイスキー1、お湯3の割合で注ぎます。温められることでウイスキーの香りが膨らみ、寒い冬にピッタリの一杯です。ジャムや蜂蜜、シナモンなどをプラスしてアレンジを楽しめるのも魅力のひとつ。

原料も飲み方も種類・魅力がたくさんのウイスキー

ウイスキーの作り方の特徴は1.穀物を原料としていること2.蒸留していること3.木樽で熟成させていることの3つ。原料の穀物は主に大麦・ライ麦・小麦・トウモロコシなどです。世界5大ウイスキーの生産国以外でもウイスキー新興国と言われる台湾やインドなどで造られ、世界中で愛されているお酒。飲み方も初心者向けのハイボールから上級者向けのストレートまで幅広いのが魅力。その日の食事や気分で飲み方を変えられるため、飽きのこないお酒です。

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雑学

3分で簡単にわかる!ウイスキーの種類による違いとは?原料や飲み方も酒好きライターがわかりやすく解説

今回のテーマはウイスキーの種類についてです。ウイスキーとは「穀物を原料に蒸留をして樽で熟成させたもの」。これだけ聞いても酒に詳しくないとピンとこないかもしれませんね。今回はウイスキーの基本知識を、酒好きライターkuroakaと一緒に解説していきます。

ライター/kuroaka

博物館・美術館好きで学芸員の資格を持つWebライター。好奇心旺盛で、雑学好き。お酒も好きで、自宅には常に10種類近くの酒がストックされている。

ウイスキーとはどんなお酒?

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ビールや日本酒・ワイン…お酒の種類はたくさんありますが、ウイスキーがどのようなお酒かご存知ですか?「ウイスキーは太りにくい」「悪酔いしにくい」そんなことを聞いたことがあるかも知れません。今回はウイスキー初心者の入り口として、ウイスキーに関する情報を幅広くお届けします。

ウイスキーの作り方

ウイスキーの造り方を簡単に言うと「穀物を原料に蒸留をして樽で熟成させたもの」です。穀物の種類は大麦・ライ麦・小麦・トウモロコシと様々。しかしこれだけだとピンときませんよね。ウイスキーの詳しい造り方をみていきましょう。

1.仕込み:砕いた穀物とお湯を混ぜ合わせ、お粥状態にする。さらに濾過し、麦汁を作る。すると、穀物のでんぷんが糖分に変わる。
2.発酵:麦汁に酵母を加えて「発酵」させる。これでできた発酵液を「もろみ」と呼ぶ。発酵は糖分をアルコールに変えること。
3.蒸留:「もろみ」をポットスチルと呼ばれる特別な機械で加熱する。蒸発したアルコールを冷やし、凝縮させ液体に戻す。加熱→蒸発→凝縮の工程を「蒸留」といい、アルコールが約80度で沸騰する性質を利用している。
4.熟成:3.でできたものを木樽に入れて「熟成」させる。何年も寝かせることでウイスキー独特の風味が増す。また、木樽から出た成分がお酒に混ざることで無色透明から琥珀色の液体になっていく。

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