この記事では「ついきゅう」の違いについてみていきます。「ついきゅう」を文章で使用するときに、どの漢字をあてるか迷っている者もいるでしょう。「ついきゅう」には主に3通りの意味がある。それぞれ意味が異なっているので、文章を作成する際に間違えると国語力を疑われて恥をかくぞ。
今回は文章を書く際に間違えやすい「ついきゅう」の違いを、定義から確認しつつ、言葉の専門家である国語教師の源シタゴウと一緒に解説していきます。

ライター/源シタゴウ

国語教師歴20年。主に作文・小論文指導を担当している。現在までに数千人の生徒の文章を添削してきており、文章指導の専門家。 

大まかな「ついきゅう」の違い

image by iStockphoto

確認しておくことは、「ついきゅう」には主に追究・追及・追求の3つの言葉があるということです。パソコンで文章を作成する方が多いと思いますが、漢字変換をすると3つ出てきて、どれを選べばいいか困ったことはありませんか。まずはそれぞれの言葉の定義を踏まえつつ、違いを説明していきます。

追究は「きわめる」こと

最初に、追究の意味を辞書で確認しましょう。「究」の漢字が意味を持ってきます。訓読みをすれば「究める」となり、意味は明白なのです。

未知のものや不明の事柄を、どこまでも考え、調べて明らかにしようとすること。「宇宙のなぞを―する」

出典:デジタル大辞泉

追究とは辞書に定義されているように、何かを詳しく調べ、理解しようとすることを意味し、特に、真実や原因を明らかにするために、徹底的な調査や探求をすることを指します。

追及とは「追いつめる」こと

続いて追及について辞書の意味を見ていきます。「及」は及ぶということですね。何が及ぶのか、何を及ぼすのかが意味に関わってきます。

\次のページで「追求とは「追い求める」こと」を解説!/

1 どこまでも追いつめて、責任・欠点などを問いただすこと。「責任の所在を追及する」
2 追いつくこと。

出典:デジタル大辞泉

追及とは文字通り「後を追って及ぶこと」です。追及の対象が人であれば、「警察が犯人を追及する」などの用例となり、抽象的なものごとであれば、「責任を追及する」といった用例が挙げられます。

追求とは「追い求める」こと

最後に追求の辞書的な意味を見ていきましょう。「求」は求めることですから、何かを求めていくという言葉です。

目的を達するまでどこまでも追い求めること。追尋。ついく。「利潤を追求する」

出典:デジタル大辞泉

追求も文字からわかるように「追い求める」ことを指します。様々な目的を追い求めて達成することを表す言葉です。よく追究と間違う方がいますが、追究は学問などを「究める」ことであり、追求は、どこまでも「求める」ことを指します。

\次のページで「追究・追及・追求の用例」を解説!/

追究・追及・追求の用例

では、追究・追及・追求それぞれの用例をいくつか挙げていきましょう。いずれも最後に長文の用例を挙げ、どのような場面で使用するかを示しておきます。

追究の用例

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まずは追究の用例です。追究は究めるという意味ですので、対象はおのずから学問などになりますね。

・宇宙の謎を追究する。
・真理を追究する。
・理論を追究する。
・本質を追究する。
・学問とは真理の追究であるといわれている。 学者にとっては真理がすべてであり、その重要性はどれほど強調してもしすぎることはない。

追及の用例

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追及は追って及ぶという意味でしたね。用例をみてわかるように、物事が起こった要因を考え、明らかにするという意味があります。その過程で責任が問われる人が生じる場合が多いです。

・火災の原因を追及する。
・事故の原因を追及する。
・政治責任を追及する。
・作家石川達三は、文学者の戦争協力についての責任が追及されたとき、日本がもしふたたびあやまちを犯すことがあれば、自分もまたあやまちを犯すだろうと公言した作家であった。

追求の用例

追求とは追い求めることですので、個人的な目的や興味に関連することが多いのです。人間が生きていく中で何かを追い求めるのは基本的な欲求なので、かなり幅広い行為に用いられる傾向があります。

・会社の利益を追求する。
・人間の幸福を追求する。
・サッカー選手になるという夢を追求する。
・彼は社会での成功を追求するあまり、家族や友人との時間を犠牲にしてしまった。

追究・追及・追求、それぞれの意味をふまえて適切な使用をしよう

「ついきゅう」には3つの意味があり、漢字をあてはめれば追究・追及・追求となりましたね。「追」は共通していますが、それに続く「究」「及」「求」のそれぞれの意味を考えれば、意味の違いで迷うことはなくなるでしょう。これからは適切な場面で適切な使用ができるはずです。

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雑学

3分でわかる「ついきゅう」の違い!追究・追及・追求の違いを国語教師がくわしく解説!

この記事では「ついきゅう」の違いについてみていきます。「ついきゅう」を文章で使用するときに、どの漢字をあてるか迷っている者もいるでしょう。「ついきゅう」には主に3通りの意味がある。それぞれ意味が異なっているので、文章を作成する際に間違えると国語力を疑われて恥をかくぞ。
今回は文章を書く際に間違えやすい「ついきゅう」の違いを、定義から確認しつつ、言葉の専門家である国語教師の源シタゴウと一緒に解説していきます。

ライター/源シタゴウ

国語教師歴20年。主に作文・小論文指導を担当している。現在までに数千人の生徒の文章を添削してきており、文章指導の専門家。 

大まかな「ついきゅう」の違い

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確認しておくことは、「ついきゅう」には主に追究・追及・追求の3つの言葉があるということです。パソコンで文章を作成する方が多いと思いますが、漢字変換をすると3つ出てきて、どれを選べばいいか困ったことはありませんか。まずはそれぞれの言葉の定義を踏まえつつ、違いを説明していきます。

追究は「きわめる」こと

最初に、追究の意味を辞書で確認しましょう。「究」の漢字が意味を持ってきます。訓読みをすれば「究める」となり、意味は明白なのです。

未知のものや不明の事柄を、どこまでも考え、調べて明らかにしようとすること。「宇宙のなぞを―する」

出典:デジタル大辞泉

追究とは辞書に定義されているように、何かを詳しく調べ、理解しようとすることを意味し、特に、真実や原因を明らかにするために、徹底的な調査や探求をすることを指します。

追及とは「追いつめる」こと

続いて追及について辞書の意味を見ていきます。「及」は及ぶということですね。何が及ぶのか、何を及ぼすのかが意味に関わってきます。

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