この記事では「雇用保険」と「失業保険」の違いについてみていきます。どちらも雇用や失業に関する社会保険制度というイメージがあるよな。雇用保険の基本手当が失業保険であるといわれているそうです。今回は働く人にこそ知ってほしい「雇用保険」と「失業保険」の違いについて法学部卒ライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

工事会社勤務9年目。入社から現在まで、現場踏査や設計業務など幅広く経験。地下埋設物には少々くわしい。専門用語が飛び交う職場で自分の言葉に置き換え、理解しなおす言語化作業に日々奮闘中の現役OLライター。

雇用保険と失業保険の違いとは?

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雇用保険とは国民の生活を保障するための社会保険制度の1つ。特に雇用保険は労働者の生活や雇用の安定を目的とした保険のことです。そして雇用保険の基本手当が失業保険となっています。ここからくわしく説明していきましょう。

雇用保険:雇用に関する総合的保険制度

雇用保険とは雇用に関する総合的保険制度のことです。失業給付のほか、雇用の安定や雇用の改善、能力開発や雇用福祉事業についても助成を行っていますね。具体的には、労働者が失業して所得を得られなくなった場合の失業等給付や、育児休業給付を支給をすることと、失業の予防や労働者の能力開発や向上、労働者の福祉を増進させることを目的とした2事業を実施しています。

失業保険:雇用保険の基本手当

失業保険とは、離職をして失業状態にある者が安定した生活を送りながら再就職を果たすことを目的に支援を行う制度のこと。失業した者や教育訓練を受けている者に対して失業等給付金の支給することをさしています。

「失業状態」とは、就職をする意思があるのに職業につくことができない状態のことをさしているため、ハローワークにて実際に求職の申し込みを行っていることが必須になってきますね。

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失業保険の受給条件や手続きの方法は?

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会社との雇用関係を外れ失業した場合は雇用保険加入期間や年齢、離職理由などに応じて失業保険を受給することができますが、受給を受けるためにはいくつか条件があるようです。ここから確認していきましょう。

受給するために必要な条件

「失業状態」にあることや「ハローワークに求職の申し込みを行っていること」とあわせて、退職日以前の2年間で雇用保険加入期間が12か月以上あることが必要条件です。

ただし、突然のリストラや会社の倒産などによってやむ終えず失業した場合や、病気や出産を理由に離職せざるを得なかった者は、退職日以前の1年間で雇用保険加入期間が6か月以上であれば条件を満たすと考えられています。

受給するために必要な手続き

失業保険を受給するためには受付表や離職票の提出など、実際にハローワークに行き手続きをする必要があります。具体的な流れは以下の通りです。

1.ハローワークで求職の申し込み(離職票と受付票の提出)を行う
2.7日間(土曜日・日曜日・祝日含む)の待期期間
3.雇用保険説明会に出席
4.待期期間満了の翌日から2カ月間は給付制限があるため給付なし
5.毎月(4週間に一度)の失業認定日に出向き、その後約1週間で給付

(出典:doda「雇用保険の失業手当(失業保険)を受け取る条件と手続き)

離職票とは「雇用保険被保険者離職票」のことで、退職時に会社を介して交付の手続きを行います。また、給付金はすぐに受給することはできません。失業理由が会社都合であれば7日間の待機期間が必要。また自己都合の場合は待機期間の7日に加えて2か月の給付制限期間を設けているんだそう。

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失業保険受給期間や金額の計算方法

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失業保険制度で受給することができる給付金のことを「基本手当」といいますが、受給できる期間や金額は離職の理由や雇用保険に加入していた期間によって違いが出てきます。ここから確認していきましょう。

失業手当受給期間

基本手当を受給することができる期間は、離職理由や年齢、雇用保険の加入期間などによって変わってきます。

具体的には、自己都合や定年退職、契約期間満了を理由に離職した場合は、雇用保険の加入期間が1年以上10年未満の場合は90日間10年以上20年未満の場合は120日20年以上の場合は150日と定められていますね。また、突然の解雇や倒産の場合は、雇用保険の加入期間にあわせて離職時の年齢によっても受給期間が変わってくるようです。

                   【雇用保険の加入期間】
          1年未満 1年~5年未満 5年~10年未満 10年~20年未満 20年~
30歳未満       90日    90日       120日     180日
30歳~35歳未満     90日   120日      180日     210日     240日
35歳~45歳未満        90日   150日     180日      240日     270日
45歳~60歳未満        90日   180日     240日      270日     330日
60歳~65歳未満        90日   150日     180日      210日     240日

(出典:厚生労働省「雇用保険制度(離職されたみなさまへ)」)

受給金額の計算方法

「基本手当」の金額は、退職前6か月間の賃金をもとに計算されています。

1.賃金日額=退職前6ヶ月間の給料の合計(ボーナスは除く)を180で割った額
2.基本手当日額=この賃金日額の60~80%
3.もらえる基本手当ての総額=賃金日額×所定給付日数

(出典:らくらく失業保険「失業保険の金額、計算方法」)

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以上のように退職前6か月間の給料をもとに1日当たりの平均金額を計算し、その6~8割が受給金額になってくるのです。この6ヵ月間の給料には、賞与は含まれませんが時間外手当や休日出勤手当は含まれていることに注意しましょう。

雇用保険と失業保険の違い

雇用保険制度は、労働者の生活や雇用の安定や就職機会の促進を1つの目的とした制度のことでした。

そして労働者の生活や雇用の安定のために失業中の収入を支えるための給付制度が失業保険でしたね。あくまで、就業の意思がある者が安定した生活基盤のもと就職活動を行うために給付されるのが失業手当です。ライフステージや労働環境の変化はだれにでも起こりうること。ぜひ国の制度を正しく理解して、もしもの時のための心の安定材料にもしてみてくださいね。

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簡単でわかりやすい!雇用保険と失業保険の違いとは?雇用保険の基本手当が失業保険?受給できる条件も法学部卒ライターがくわしく解説

この記事では「雇用保険」と「失業保険」の違いについてみていきます。どちらも雇用や失業に関する社会保険制度というイメージがあるよな。雇用保険の基本手当が失業保険であるといわれているそうです。今回は働く人にこそ知ってほしい「雇用保険」と「失業保険」の違いについて法学部卒ライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

工事会社勤務9年目。入社から現在まで、現場踏査や設計業務など幅広く経験。地下埋設物には少々くわしい。専門用語が飛び交う職場で自分の言葉に置き換え、理解しなおす言語化作業に日々奮闘中の現役OLライター。

雇用保険と失業保険の違いとは?

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雇用保険とは国民の生活を保障するための社会保険制度の1つ。特に雇用保険は労働者の生活や雇用の安定を目的とした保険のことです。そして雇用保険の基本手当が失業保険となっています。ここからくわしく説明していきましょう。

雇用保険:雇用に関する総合的保険制度

雇用保険とは雇用に関する総合的保険制度のことです。失業給付のほか、雇用の安定や雇用の改善、能力開発や雇用福祉事業についても助成を行っていますね。具体的には、労働者が失業して所得を得られなくなった場合の失業等給付や、育児休業給付を支給をすることと、失業の予防や労働者の能力開発や向上、労働者の福祉を増進させることを目的とした2事業を実施しています。

失業保険:雇用保険の基本手当

失業保険とは、離職をして失業状態にある者が安定した生活を送りながら再就職を果たすことを目的に支援を行う制度のこと。失業した者や教育訓練を受けている者に対して失業等給付金の支給することをさしています。

「失業状態」とは、就職をする意思があるのに職業につくことができない状態のことをさしているため、ハローワークにて実際に求職の申し込みを行っていることが必須になってきますね。

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