この記事ではヤマボウシとハナミズキの違いについてみていこう。どちらも庭や公園の木、街路樹として人気の木なんです。ハナミズキは歌のタイトルにもなっているので、名前を聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。今回は、ハナミズキとヤマボウシの見分け方や育てやすさ、花言葉についても雑学大好き図書館司書のひろみと一緒に解説していきます。

ライター/ひろみ

図書館司書として勤務18年目の主婦ライター。利用者から寄せられるさまざまな疑問に答えるため、日々尽力している。

ハナミズキとヤマボウシの違い

ハナミズキとヤマボウシはどちらもミズキ科ミズキ属の木でよく似ています。ここでは、ハナミズキとヤマボウシの違いをくわしくみていきましょう。ポイントをおさえれば、簡単に見分けられるようになりますよ。

1.開花時期

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ハナミズキの開花時期は桜が散ったあとの4月下旬から5月上旬です。ゴールデンウイークのころに咲いていればハナミズキだと判断できますね。ヤマボウシはそれより少しあと、5月から6月にかけて花を咲かせます。

2.花びらのかたち

ハナミズキの花の色は白が基本ですが、ピンク色のものもよく見かけます。ハナミズキも多くは白い花を咲かせますが、ピンク色の種類もあるので、花の色で見分けるのは困難。ハナミズキとヤマボウシは花びらの形で見分けるのがもっとも簡単です。ハナミズキの花びらは先がへこんでいて、ハートのような形をしています。ヤマボウシの花びらは先がとがっていて、花全体でみると星のような形。どちらも花びらの数は4枚です。

実はこの花びら、正確には花びらではなく、「総苞片(そうほうへん)」という、葉が変化したもの。実際の花は、4枚の総苞片の真ん中にある黄色や黄緑色の盛り上がった部分です。

3.葉のつく時期

車窓など遠くから眺めていて花びらの先の形を確認できないときには、葉の有無に注目してみましょう。ハナミズキは花が終わってから葉が出てきますが、ヤマボウシは葉が先に出てそのあと花が咲きます。花だけが咲いていればハナミズキ、花と葉が同時についていればヤマボウシだと判断できますよ。

\次のページで「4.実の色や大きさ、つき方」を解説!/

4.実の色や大きさ、つき方

ハナミズキとヤマボウシはどちらも秋に実をつけますが、その実の色や大きさ、つき方が違っています。ハナミズキは、直径1センチほどの真赤なつやつやした実が数個ずつ集まってつくのが特徴です。

ヤマボウシの実は、赤やオレンジ色で直径2-3センチのものがひとつずつつきます。表面はぼこぼこしていて、ツヤはありません。ハナミズキの実は毒性があり食べられませんが、ヤマボウシの実は食用可能です。

5.樹皮の模様、質感

花も実もない時期には、樹皮で判断しましょう。ハナミズキの樹皮には網目状のひび割れや裂けが見られ、ごつごつした質感です。ヤマボウシの樹皮は若いうちはつるつるですが、成長とともに部分的にはがれてきます。どちらも灰褐色の幹ですが、表面の模様や質感の違いが見分けるポイントです。

6.落葉樹か常緑樹か

秋になるとほかの木にさきがけて紅葉するのがハナミズキです。ヤマボウシには紅葉する落葉樹と紅葉しない常緑樹、どちらもあります。冬でも葉をつけていれば、その木はヤマボウシだと判断できますね。

ハナミズキとヤマボウシの花言葉

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ここからは、ハナミズキとヤマボウシの花言葉について説明していきます。ハナミズキとヤマボウシはその花の色にかかわらず同じ花言葉です。

ハナミズキの花言葉:「返礼」「永続性」「私の思いを受け取ってください」

ハナミズキの花言葉「返礼」には、由来とされる出来事があります。1912年、当時の東京市長だった尾崎行雄が日米友好の印としてワシントン市に桜の木を贈ったところ、そのお返しとして1915年に白いハナミズキが贈られたというものです。「私の思いを受け取ってください」もこのエピソードからきています。「永続性」は、ハナミズキがゆっくり成長することからつけられました。

\次のページで「ヤマボウシの花言葉:「友情」」を解説!/

ヤマボウシの花言葉:「友情」

ヤマボウシの花言葉「友情」も、実は上で説明したハナミズキのエピソードに関係があります。ヤマボウシはハナミズキに似ているため、ハナミズキの花言葉「返礼」や木を通して親交を深めたことから連想して「友情」となったのです。友達へのプレゼントとしてぴったりの木ですね。

ハナミズキとヤマボウシ、育てやすいのはどっち?

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ハナミズキとヤマボウシはどちらも庭のシンボルツリーとして人気の高い木です。どちらの木も比較的整った形で成長していくため手入れがしやすいこと、花だけでなく、実や紅葉など一年を通して楽しめることなどが人気の理由。

ヤマボウシに比べるとハナミズキのほうが病気にかかりやすいようです。葉にうどん粉のような白いカビがつく「うどん粉病」、灰色の円形状の斑点ができる「‎炭疽病(たんそびょう)」には特に注意が必要。ヤマボウシはうどんこ病にかかることはありますが、‎炭疽病には耐性があるため、より育てやすいのはヤマボウシと言えますね。常緑樹のヤマボウシを選べば、落ち葉を気にする必要もありません。

ハナミズキやヤマボウシを見つけてみよう

同じミズキ科ミズキ属でも、ハナミズキとヤマボウシにはさまざまな違いがあることがわかりました。春になるとあちこちの木が白やピンクの花を咲かせるので、こんなところにもハナミズキやヤマボウシの木があったのか、と驚かされます。時には立ち止まって、その木がハナミズキなのかヤマボウシなのか判断してみてください。

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簡単でわかりやすい!ハナミズキとヤマボウシの違いとは?見分け方や花言葉、育てやすさも雑学大好き図書館司書が詳しく解説

この記事ではヤマボウシとハナミズキの違いについてみていこう。どちらも庭や公園の木、街路樹として人気の木なんです。ハナミズキは歌のタイトルにもなっているので、名前を聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。今回は、ハナミズキとヤマボウシの見分け方や育てやすさ、花言葉についても雑学大好き図書館司書のひろみと一緒に解説していきます。

ライター/ひろみ

図書館司書として勤務18年目の主婦ライター。利用者から寄せられるさまざまな疑問に答えるため、日々尽力している。

ハナミズキとヤマボウシの違い

ハナミズキとヤマボウシはどちらもミズキ科ミズキ属の木でよく似ています。ここでは、ハナミズキとヤマボウシの違いをくわしくみていきましょう。ポイントをおさえれば、簡単に見分けられるようになりますよ。

1.開花時期

image by iStockphoto

ハナミズキの開花時期は桜が散ったあとの4月下旬から5月上旬です。ゴールデンウイークのころに咲いていればハナミズキだと判断できますね。ヤマボウシはそれより少しあと、5月から6月にかけて花を咲かせます。

2.花びらのかたち

ハナミズキの花の色は白が基本ですが、ピンク色のものもよく見かけます。ハナミズキも多くは白い花を咲かせますが、ピンク色の種類もあるので、花の色で見分けるのは困難。ハナミズキとヤマボウシは花びらの形で見分けるのがもっとも簡単です。ハナミズキの花びらは先がへこんでいて、ハートのような形をしています。ヤマボウシの花びらは先がとがっていて、花全体でみると星のような形。どちらも花びらの数は4枚です。

実はこの花びら、正確には花びらではなく、「総苞片(そうほうへん)」という、葉が変化したもの。実際の花は、4枚の総苞片の真ん中にある黄色や黄緑色の盛り上がった部分です。

3.葉のつく時期

車窓など遠くから眺めていて花びらの先の形を確認できないときには、葉の有無に注目してみましょう。ハナミズキは花が終わってから葉が出てきますが、ヤマボウシは葉が先に出てそのあと花が咲きます。花だけが咲いていればハナミズキ、花と葉が同時についていればヤマボウシだと判断できますよ。

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