歴史の勉強をしていると「近代」や「現代」という単語が出てくるよな。そして日常でも「近代的なデザイン」「現代社会」などのように、「近代」「現代」が使われている言葉を目にすることも多い。

ところで、みんなはこの「近代」と「現代」の違いを尋ねられたらどう答える?そもそも違うのか、いや、同じなのか…

今回はそんな「近代」と「現代」の違いを、言葉に詳しい院卒日本語教師の"むかいひろき"と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「近代」と「現代」がほぼ同じ時代を示す場合

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みなさんは「近代」と「現代」は同じなのか違うのかと尋ねられたら、どう答えますか?実は「近代」と「現代」は違う時代を示していることもあれば、同じ時代を示していることもあるのです。まずはほぼ同じ時代を示す場合について、それぞれの意味を辞書を参考に確認していきましょう。

「近代」:現代に近い時代、または現代

最初に、「近代」が「現代」とほぼ同じ時代を含む場合について、国語辞典を参考に確認していきましょう。『明鏡国語辞典』では、1番目に記載されているものが、「現代」とも意味の被りが生じています。

1.現代に近い時代。また、現代。

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「きん‐だい【近代】」

辞書によると、「近代」の1つ目の意味は「現代に近い時代。また、現代」です。よって、現代より少し前の時代も含みますが「ほぼ現代」と言ってもよいでしょう。

この意味での近代は、「近代人」や「近代文明」「近代化された都市」…などといった使われ方をします。全て「近代」を「現代」と置き換えても問題ありません。「近代化された都市」という言葉を聞いて、明治時代や大正時代の都市を思い浮かべる人はまずいないでしょう。もちろん現在の東京や大阪を「近代化された都市」といっても問題はありません。

※ただ「近代」と「現代」を厳密に区別する考え方を取ると上記の場合でも意味に差が生じます。「近代」と「現代」を区別しているかいないかは文脈によるところが大きいので、周辺の文もよく読むようにしましょう。

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「現代」:今の世の中

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では、もう1つの「現代」はどのような意味の言葉でしょうか?使われることが多い言葉なので、何となくの意味は把握できているでしょう。ここでは「近代」と同じ意味で使われる場合の「現代」の意味を確認していきます。

1.現在の時代。今の世。当世。

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「げん‐だい【現代】」

辞書によると「現代」の1つ目の意味は、「現在の時代。今の世。当世」です。簡単に言えば「今現在の世の中」を表します。「現代の日本人は…」「現代社会」「現代に生きる我々」といった場合の「現代」がこの意味に該当しますね。

「近代」と「現代」が違う時代を示す場合

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続いて「近代」と「現代」が区別され、違う時代を表す場合を見ていきましょう。特に歴史の分野では「近代」と「現代」は明確に区別されています。「近代」はいつで「現代」はいつなのか、確認していきましょう。

「近代」:封建制社会の後の時代

まずは「近代」の方の辞書での2つ目の意味を確認していきましょう。この場合は「現代」までの時代を示し、「現代」とは被らずに明確に区別されます。

2.歴史の時代区分の一つ。「近世」と同義にも使われるが、一般には封建社会の後に続く資本主義社会の時代をいう。

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「きん‐だい【近代】」

辞書によると歴史の時代区分の1つとして「近代」は存在し、「封建社会の後に続く資本主義社会の時代」を表します。「近代」が具体的にいつからいつまでを示すのかは国や地域によって異なるので注意が必要です。

たとえば日本の場合、幕末のペリー来航以降か明治維新が近代の始まりであり、太平洋戦争が終結した1945年8月が近代の終焉となります。ヨーロッパ史の場合はフランス革命を始まりとし、ロシア革命や第二次世界大戦終結までを「近代」とするのが一般的です。(他にも諸説あり)日本とヨーロッパを比べてみても、時期にかなりのズレがあることは分かると思います。

「現代」:近代のさらに後の時代

続いて、「近代」と区別がある場合の「現代」の意味を確認していきましょう。

2.歴史の時代区分の一つ。日本史では、太平洋戦争以降の時代。

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「げん‐だい【現代】」

辞書によると歴史の時代区分の1つとして「現代」は存在しますが、その「現代」が示すのは「近代」の後の時代です。「近代」の範囲にどの説を採用するかによって開始時期は異なりますが、日本史では1945年8月の太平洋戦争終結後~現在までの時代を示すのが一般的ですね。

ヨーロッパ史ではロシア革命以降~現在や第2次世界大戦終結以降~現在など、様々な説があります。またこれらの「近代」や「現代」の区分は国によっても異なりますね。それぞれの国の歴史によってその範囲は変動するものと言えるでしょう。

同じ場合もあれば違う場合もある「近代」と「現代」

今回は「近代」と「現代」の違いについて解説しました。「近代」と「現代」は同じ意味を示す場合もあれば、歴史の分野のように明確に区別する場合もあります。そして「近代」の終焉と「現代」の開始時期は国や地域によって異なるため、その国や地域の歴史を大きく反映したものであると言えますね。

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雑学

簡単に分かる「近代」と「現代」の違い!同じ時代?違う時代?院卒日本語教師が分かりやすく解説

歴史の勉強をしていると「近代」や「現代」という単語が出てくるよな。そして日常でも「近代的なデザイン」「現代社会」などのように、「近代」「現代」が使われている言葉を目にすることも多い。

ところで、みんなはこの「近代」と「現代」の違いを尋ねられたらどう答える?そもそも違うのか、いや、同じなのか…

今回はそんな「近代」と「現代」の違いを、言葉に詳しい院卒日本語教師の”むかいひろき”と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「近代」と「現代」がほぼ同じ時代を示す場合

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みなさんは「近代」と「現代」は同じなのか違うのかと尋ねられたら、どう答えますか?実は「近代」と「現代」は違う時代を示していることもあれば、同じ時代を示していることもあるのです。まずはほぼ同じ時代を示す場合について、それぞれの意味を辞書を参考に確認していきましょう。

「近代」:現代に近い時代、または現代

最初に、「近代」が「現代」とほぼ同じ時代を含む場合について、国語辞典を参考に確認していきましょう。『明鏡国語辞典』では、1番目に記載されているものが、「現代」とも意味の被りが生じています。

1.現代に近い時代。また、現代。

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「きん‐だい【近代】」

辞書によると、「近代」の1つ目の意味は「現代に近い時代。また、現代」です。よって、現代より少し前の時代も含みますが「ほぼ現代」と言ってもよいでしょう。

この意味での近代は、「近代人」や「近代文明」「近代化された都市」…などといった使われ方をします。全て「近代」を「現代」と置き換えても問題ありません。「近代化された都市」という言葉を聞いて、明治時代や大正時代の都市を思い浮かべる人はまずいないでしょう。もちろん現在の東京や大阪を「近代化された都市」といっても問題はありません。

※ただ「近代」と「現代」を厳密に区別する考え方を取ると上記の場合でも意味に差が生じます。「近代」と「現代」を区別しているかいないかは文脈によるところが大きいので、周辺の文もよく読むようにしましょう。

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