簡単でわかりやすい太刀と打刀の違い！時代や身につけ方も刀剣好きライターが詳しく解説

ライター／Yuna

現役ママで日本史好きライターのYuna。話題のゲームをきっかけに、歴史上の人物と絡められる刀剣の世界に没頭中。「今すぐ使える雑学」をコンセプトに解説していく。

太刀と打刀の違いとは？

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太刀と打刀のざっくりとした違いは、使われた時代や身につけ方にあります。見た目で区別するのは難しいでしょう。まず太刀は、平安時代の頃に馬に乗りながら身につけられました。一方打刀は室町時代の頃に活躍します。太刀と違い、戦場で走りながら、あるいは戦場以外の地で歩きながら軽快に持ち歩ける必要があったのです。

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太刀：千年以上前に生まれた日本刀の原点

太刀は日本刀の一種です。平安時代の頃に生まれ、特徴は比較的大きな反りのある見た目。太刀の本領は、突いたり刺したりするよりも切り払うこと。そのため、断ち切るの「断つ」が語源といわれています。太刀を装備するには、太刀緒という革でできた紐で腰から下げて所持されました。

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打刀：時代劇に登場する接近戦向きの刀

大河ドラマなどで武士が帯刀しているのを見かけますが、室町から戦国時代が舞台であればその刀はおおむね打刀でしょう。打刀は太刀に比べて短く反りも浅いのが特徴で、接近戦で軽快に動きながら戦えるため重宝されました。打刀には、打刀として作られたものと太刀が短く調整されたものの2種類があります。

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太刀から打刀へ姿を変えた刀も多い

現存する打刀の一部は、もとは太刀として作られた刀があります。太刀を短くして打刀などに作り直すことを磨り上げ（すりあげ）といい、刀剣の持ち手の柄の内側、茎（なかご）から切り詰められました。磨り上げが行われた背景は、使用者の体に合わせたり時の経過とともに変化する戦い方に対応するためです。

太刀と打刀の歴史の違い

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太刀と打刀は、戦い方の用途に合わせて異なる時代で活用されます。太刀は平安時代後期に騎馬戦で、打刀は室町時代後期に歩兵同士の戦いで求められました。刀は短くできても長くすることは不可能なため、現在保管されている刀剣は太刀よりも打刀の姿で残っているものが多いです。

太刀：平安時代後期から室町時代中頃まで

太刀の歴史は平安時代後期、武士が勢力の拡大を始めた頃に遡ります。それまでの時代は両刃でまっすぐの直刀や剣が主流でしたが、馬に乗って戦う機会が増え「反り」が必要に。手元に近い部分が深く反った刀が普及します。

後に鎌倉時代の元寇の襲来や、南北朝時代には集団戦へと戦闘が様変わりし、歩兵でも扱いやすい武器が求められるようになりました。太刀は戦いをより有利に運ぶために形を変え続けます。

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打刀：室町時代後期以降が主流

室町時代の後期、打刀が太刀に代わり武士の主力に据えられます。戦いの規模も大きくなり、歩兵に太刀は重く長くて不向きでした。そのため、太刀より軽く短い打刀が重宝されます。刀の装備方法も合わせて変わり、紐に吊るして携帯する方法から腰帯に差す方法へ。短く調整されて打刀として生まれ変わる太刀も続出しました。

太刀と打刀の身につけ方の違い

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博物館などで展示される刀が、刃が上と下のどちらを向いているか意識したことはありますか？太刀と打刀は、身につけ方が違います。太刀は刃を下向きにして、腰から吊るしました。一方打刀の刃を上向きで、腰帯に差して携帯したのでした。刀の展示は身につけ方に沿って安置されているため、太刀と打刀を区別しやすくなっていますよ。

太刀：腰から太刀緒で吊るす

太刀を所持することを「佩く（はく）」といいました。馬に乗って戦う方法が主流だったとき、太刀の持ち方は2つの目的を満たす必要がありました。1つ目は、馬に刀が触れないようにすること。2つ目は、馬の手綱を持つので片手だけで刀を抜けるようにすること。そのため太刀は、腰から太刀緒と呼ばれる紐を鞘に結び吊るして所持されたのでした。

打刀：腰帯に差す

刀を持つことを表す「帯刀する」という言い方がありますが、これは打刀にあてはまる言い方で太刀に使うのは誤っています。なぜなら、腰帯に差す持ち方にあてはまるのは打刀であり、紐に吊るす太刀には当てはまらないからです。江戸時代の頃には打刀は刀剣の一種である脇差とセットで所持される機会があり、大小二本差しという言い方をしました。