
簡単でわかりやすい!ダンゴムシとワラジムシの違いとは?見分け方や進化の歴史も大学で生物を学んだライターが詳しく解説
ダンゴムシとワラジムシについてもっと詳しく

image by iStockphoto
ここからはダンゴムシとワラジムシについて、より詳しく掘り下げていきます。まずはわたしたち人間との関係について解説。さらにワラジムシ亜目の進化についても、大学で生物学を学んだライターならではの雑学を紹介します!
ダンゴムシ/ワラジムシと人間の関係性
ダンゴムシとワラジムシは、「害虫」として認知されています。一見無害そうな彼らを嫌うのは、おもに農家の人たち。ダンゴムシもワラジムシも、野菜類や果実類の新芽を食害する「農業害虫」なのです。また「不快害虫」としての側面も無視できません。家の玄関に大量発生することがあるのです。湿り気を好むため、しばしば風呂場でも目撃されます。
一方でダンゴムシ/ワラジムシは、自然界に欠かせない存在です。野外いたるところで、落ち葉や虫の死骸が跡形もなく片付いているのは、彼らのおかげ。ダンゴムシ/ワラジムシは、生物由来のごみを食べて土に還す「分解者」なのです。またカルシウムを豊富に含む「ホソワラジムシ」は、爬虫類の餌として販売されています。このようにダンゴムシ/ワラジムシは、人の役に立つ「益虫」でもあるのです。
こちらの記事もおすすめ

生態系の中での「分解者」とは?いないと困る超重要な存在!現役講師がわかりやすく解説します
ダンゴムシ/ワラジムシの進化と呼吸器官
わたしたちが「虫」と呼ぶ生き物のほとんどは、陸棲の節足動物。もともとは海に住んでいて、進化の過程で陸に上がってきた4つのグループからなります。それがカブトムシなど「昆虫類」とムカデなど「多足類」、クモやサソリなど「鋏角類」、そしてダンゴムシやワラジムシなど「等脚類」です。それぞれ別々に上陸したため、呼吸器官が違います。たとえば昆虫は「気門・気管」、クモは「書肺」を採用しているのです。
そしてダンゴムシ/ワラジムシが採用しているのは「白体」という呼吸器官。表皮が体内に陥没・枝分かれして、肺のような構造をとっています。そんな白体がついているのは、腹側のお尻あたり。ダンゴムシ/ワラジムシを裏返すと、名前通り白くなっている箇所があるはずです。
\次のページで「ワラジムシ亜目のうち、丸くなれるのが「ダンゴムシ」」を解説!/