
簡単でわかりやすい!ヒストリーとクロニクルの違いとは?そもそも何語なの?語源や使い分けも現役塾講師がわかりやすく解説
ヒストリーとクロニクルの語源を説明
さきほど、「ヒストリー」が歴史全般のことを意味し、「クロニクル」は「年代記」や「編年史」を意味すると説明しましたが、ここからは「ヒストリー」と「クロニクル」の語源を説明することで、みなさんにそれぞれの言葉への理解を深めていただこうと思います。
ヒストリーとストーリーは語源が同じ!

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ヒストリーの語源は、ギリシャ語 で「事実の探求をして得た知識、探求、物語、歴史の説明」などを意味する「ἱστορία(historia)」という言葉です。ちなみに、イタリア語の「storia」、スペイン語の「historia」、フランス語の「histoire」、ポルトガル語の「historia」といった単語も同じ語源なのですが、これらの国の言葉は全て「歴史」と「物語」といった意味で使われます。
この、イタリア語の「storia」のつづりはなんだか英語の「story(ストーリー)」に似ていると思いませんか?実は英語の「ストーリー」も同じ語源なのです。ですから英語の「ヒストリー」と「ストーリー」は意味的に近いところも多く、「ヒストリー」と言っても単に「歴史」というだけではなく、物語的側面に重点をおいた意味での「歴史」と言えるかもしれません。
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クロニクルは「時間に関わる」出来事

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一方、「クロニクル」の語源はラテン語で「時間・年代に関する」という意味を持つ「chronicle」という言葉が語源です。ですので、例えば「クロノロジー(chronology)」という言葉が、学問のジャンルの一つである「年代学」を意味するように、「クロノ~」ではじまる言葉は「時」に関する意味のものであることが多々あります。
そう考えると「クロニクル」が、年ごとに出来事を追っていく「年代記」や「編年史」という、「歴史」の中でも時間と関わりの強いニュアンスを持つ言葉だというのも納得できますね。
「年代記」や「編年史」以外の意味で使われる「クロニクル」
ただ、注意したいのが「クロニクル」という言葉は、「年代記」や「編年史」という意味以外でも使われることがあるのです。たとえば、アメリカでは「サンフランシスコ・クロニクル(San Francisco Chronicle)」という新聞が発行されています。また、日本においても、本や漫画・アニメなど、主にエンターテイメント作品においてタイトルに「〇〇クロニクル」といった形で使われていることがありますね。
これらの場合、「クロニクル」が持つ「年代記」や「編年史」といった意味のように、時間が経過するとともに、一つ一つエピソードが積み重なっていって、大きな一つのストーリーになるというようなイメージで名付けられていることがあります。しかし、中には単に「クロニクル」という語感や響きがいいことから付けられていることもあるようなので、とりあえず「~新聞」や「〇〇物語」のようなニュアンスと捉えればいいでしょう。
「ヒストリー」は歴史全般で「クロニクル」は「年代記」や「編年史」!
ここまで説明で、「ヒストリー」が歴史全般のことを意味するのに対し、「クロニクル」は「年代記」や「編年史」などを意味するということや、それぞれの語源、「クロニクル」の少し違った使われ方について知っていただけたかと思います。今回の説明が、みなさんの理解に少しでも役立てたなら幸いです。