天気予報やニュースを見ていると「関東地方」という言葉以外に、「関東甲信(かんとうこうしん)」や「関東甲信越(かんとうこうしんえつ)」という言葉を聞くことがあると思うんです。みんなはこの2つがどこを指しているか分かるかな?

「関東地方」とさらにいくつかの地域…というのは何となく想像できるでしょう。この2つの言葉を理解するのには、昔使われていた旧国名がカギになる。

今回はそんな「関東甲信」と「関東甲信越」の違いについて、言葉の違いに詳しい院卒日本語教師の"むかいひろき"と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に言葉の違いや日本事情について分かりやすく解説していく。

まずは”関東”を確認!

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「関東甲信」と「関東甲信越」という2つの言葉を理解するためには、どちらにも共通して含まれている”関東”について理解する必要があります。まずは”関東”が何を示すのかを確認していきましょう。

東京を中心とした1都6県

”関東”は関東地方のことです。関東地方には東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県の1都6県が含まれています。

”関東”というのはその漢字の通り「関の東側」という意味で、古代では鈴鹿、不破、愛発(あらち)の3つの関よりも東の地域、江戸時代には箱根の関より東の8か国を指して使われていました。この江戸時代の箱根の関より東の8か国が、現在の関東地方と重なります。

「甲」「信」「越」はそれぞれどこ?

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江戸村のとくぞう - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

”関東”が分かったところで、次は「甲」「信」「越」の解説に進みましょう。今の日本の都道府県で「甲」「信」「越」の3文字を使う都道府県はありませんよね。そう、これは旧国名をもとにした地域の呼び方なのです。

「甲」:昔の“甲”斐国!山梨県

「甲」は昔の斐国(かいのくに)があった地域を示す言葉です。昔の甲斐国の領域は、現在の山梨県の領域と同じですね。つまり「甲」は山梨県を示しているのです。甲斐国は武田氏が長年本拠としており、戦国時代の武田信玄はもっとも著名な人物と言えるでしょう。現在の山梨県には、武田信玄に関連した遺跡や観光スポットがたくさん存在していますね。

\次のページで「「信」:昔の“信”濃国!長野県」を解説!/

「信」:昔の“信”濃国!長野県

「信」は昔の濃国(しなののくに)があった地域を示す言葉です。昔の信濃国の領域は、現在の長野県の領域と同じですね。つまり「信」は長野県を示しているのです。信濃国は戦国時代は小さな勢力が割拠していましたが、その中で真田昌幸が頭角を現し大きな勢力となっていきました。この真田昌幸は、大坂の陣で有名な真田幸村の父親です。

「越」:昔の“越”後国!新潟県

「越」が示すのはどこでしょうか。実は旧国名には「越」が入る国名は3つあります。越前国(えちぜんのくに)、越中国(えっちゅうのくに)、越後国(えちごのくに)です。「関東甲信越」の「越」は越後国を表します。この越後国は現在の新潟県と同じ領域ですね。つまり「関東甲信越」の「越」は新潟県を表しているのです。

越後国の有名な人物と言えば誰でしょうか。そう、北の軍神・上杉謙信です。「甲」が示す甲斐国の武田信玄のライバルとされる戦国武将ですね。

「関東甲信」と「関東甲信越」の違いは…

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663highland - Japanese Wikipedia, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

ここまでお読みになられた方は、「関東甲信」と「関東甲信越」の意味や違いについて、もう大体の想像はついているのではないでしょうか。ただ最後に念のため、「関東甲信」と「関東甲信越」がどこを示すのかを確認していきましょう。

\次のページで「「関東甲信」:関東地方+山梨+長野」を解説!/

「関東甲信」:関東地方+山梨+長野

「関東甲信」が示すのは関東地方の1都6県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県)に、山梨県(「甲」)長野県(「信」)を加えた地域の総称です。山梨県や長野県は東京を中心とした関東地方の経済圏と比較的近距離にあり、鉄道や道路で双方がしっかりと結ばれ相互に影響が及んでいるため、このような名称が存在します。

「関東甲信越」:関東地方+山梨+長野+新潟

「関東甲信越」が示すのは関東地方の1都6県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県)に、山梨県(「甲」)長野県(「信」)、そしてさらに新潟県(「越」)を加えた地域の総称です。

山梨県や長野県、そして新潟県は東京を中心とした関東地方の経済圏と比較的近距離にあり、鉄道や道路で双方がしっかりと結ばれ相互に影響が及んでいるため、このような名称が存在します。

どちらも旧国名を利用した日本の地域の総称!

今回は「関東甲信」と「関東甲信越」の違いについて解説しました。どちらも日本で江戸時代まで使用されていた旧国名を活用した日本のある地域の総称です。「関東甲信」は関東地方と山梨県・長野県を、「関東甲信越」は関東地方と山梨県・長野県・新潟県を表します。

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雑学

簡単に分かる「関東甲信」と「関東甲信越」の違い!昔の国名がカギ!院卒日本語教師が分かりやすく解説

天気予報やニュースを見ていると「関東地方」という言葉以外に、「関東甲信(かんとうこうしん)」や「関東甲信越(かんとうこうしんえつ)」という言葉を聞くことがあると思うんです。みんなはこの2つがどこを指しているか分かるかな?

「関東地方」とさらにいくつかの地域…というのは何となく想像できるでしょう。この2つの言葉を理解するのには、昔使われていた旧国名がカギになる。

今回はそんな「関東甲信」と「関東甲信越」の違いについて、言葉の違いに詳しい院卒日本語教師の”むかいひろき”と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に言葉の違いや日本事情について分かりやすく解説していく。

まずは”関東”を確認!

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「関東甲信」と「関東甲信越」という2つの言葉を理解するためには、どちらにも共通して含まれている”関東”について理解する必要があります。まずは”関東”が何を示すのかを確認していきましょう。

東京を中心とした1都6県

”関東”は関東地方のことです。関東地方には東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県の1都6県が含まれています。

”関東”というのはその漢字の通り「関の東側」という意味で、古代では鈴鹿、不破、愛発(あらち)の3つの関よりも東の地域、江戸時代には箱根の関より東の8か国を指して使われていました。この江戸時代の箱根の関より東の8か国が、現在の関東地方と重なります。

「甲」「信」「越」はそれぞれどこ?

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”関東”が分かったところで、次は「甲」「信」「越」の解説に進みましょう。今の日本の都道府県で「甲」「信」「越」の3文字を使う都道府県はありませんよね。そう、これは旧国名をもとにした地域の呼び方なのです。

「甲」:昔の“甲”斐国!山梨県

「甲」は昔の斐国(かいのくに)があった地域を示す言葉です。昔の甲斐国の領域は、現在の山梨県の領域と同じですね。つまり「甲」は山梨県を示しているのです。甲斐国は武田氏が長年本拠としており、戦国時代の武田信玄はもっとも著名な人物と言えるでしょう。現在の山梨県には、武田信玄に関連した遺跡や観光スポットがたくさん存在していますね。

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