
3分で簡単「GMT」と「UTC」の違い!どこの時間を表している?日本時間の計算についても工学系院卒ライターがわかりやすく解説!
ライター/through-time
工学修士で、言葉や文学も大好きな雑食系雑学好きWebライター。「時間のものさし」たるGMTとUTCの違いについて詳しく解説していく。
GMT:グリニッジ標準時
GMTは「グリニッジ標準時」のことです。英語のGreenwich Mean Timeの頭文字をとっており、グリニッジ平均時ともいいます。
かつて世界の国々は、その国が決めた経線を基準とする平均太陽時を標準時として用いていました。中でも、ロンドンのグリニッジ天文台を通る「グリニッジ子午線」を経度0度(本初子午線)と定めた平均太陽時が、1972年まで世界標準時としても広く使われていたのです。なお、現在の世界標準時はセシウム原子時計を元に算出される「協定世界時(UTC)」となっています。
視太陽時と平均太陽時
太陽が真南にくる「南中」を基準にして定めた時刻を「視太陽時」、視太陽時の定める1日を「視太陽日」といいます。
視太陽日は、ある日の南中から次の日の南中までの間の時間を1日とするものですが、実は長さが一定ではありません。地球の公転軌道が円ではなく楕円であること、地球の自転軸が公転面から約23.4度傾いていることから、季節により太陽が天空を動くスピードが変わり、結果的に1日の長さが変動してしまうのです。特に3月や9月の視太陽日は短く、6月や12月は長くなります。
より正確な時刻を求めるため考え出されたのが、太陽の代わりに一定のスピードで天空を動く天体「平均太陽」であり、その動きに基づいて定めた時刻が「平均太陽時」です。実際には、地球の公転の影響が小さい恒星の南中を観測し、そこから求められた恒星時から、平均太陽時を計算します。
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グリニッジ天文台について

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グリニッジ天文台は1675年イングランド国王チャールズ2世がロンドン郊外グリニッジに設立した王立天文台です。何度か移転を繰り返しましたが、1998年もう1つの王立天文台であるエディンバラ天文台と統合され、閉鎖されました。現在は観測機器はなく、史跡として維持されています。
1851年、当時の台長ジョージ・ビドル・エアリーは、天体が子午線を通過するのを観測する装置「子午環」を、当時の天文台本館に設置しました。この子午環のある地点が、グリニッジ子午線の基準となったのです。
1884年、ワシントンD.Cで開催された国際子午線会議において、世界共通の経度の基準である本初子午線にグリニッジ子午線が採用されました。
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