
簡単でわかりやすい!対症療法と対処療法の違いとは?知られざる対症療法の現実を元看護師が詳しく解説

ライター/近野チカ
対症療法も立派な治療法だと思っていたので、検索かけたら「その場しのぎ」と出て衝撃を受けている看護師でWebライター。
対症療法と対処療法の違いとは
病気の治療には「対症療法」「根治療法」などの治療法が存在します。「対処療法」は?と思った方、実はそれ、対症療法の聞き間違いなのです。
対症療法とは症状を和らげる治療法

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対症療法とは、病気の症状を和らげる治療法です。例えば風邪は抗生剤が効くケース以外は効果のある治療薬はありません。というのもウイルス感染が80〜90%ですが、原因となるウイルスはコロナウイルス、RSウイルスなど200種類以上あり、原因を突き止めるのが難しいからです。
発熱に対しては熱を下げる解熱鎮痛薬、鼻水が出る場合や鼻づまりに対しては抗ヒスタミン薬、咳に対しては鎮咳薬などを処方し、これらの薬で症状を抑えながら自然に治るのを待ちます。
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対処療法は対症療法の間違い

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耳で聞いただけだと「たいしょりょうほう」とも聞こえるため、「対処療法」と間違って認識されていることがあります。漢字で表記するとわかりやすいのですが、対症療法は「症状に対して」行う治療のことで、対処療法は存在しません。
根本的な治療は根治療法

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病気を完全に治すことを目的として、原因そのものを取り除く治療法を根治(こんち)療法といいます。
例えば、花粉症そのものを治す免疫療法もそのひとつです。スギ花粉症の患者さんに原因となる物質(アレルゲン)を少しずつ体の中に取り入れ、徐々に体を慣らして症状を出ないようにする治療法で、舌の下に薬(液体、または錠剤)を入れて飲み込む「舌下免疫療法」と注射で行う「皮下免疫療法」があります。
対症療法はその場しのぎ?
対症療法を「その場しのぎ」だと誤解している人は多いようです。しかし、強い痛みがあるときは痛み止めで痛みを抑え、吐き気があれば吐き気止めを使うといった対症療法は、辛い症状を取り除き、心身を楽にすることで患者さんの生活の質(QOL)をあげることができます。
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