この記事では箱根神社と九頭竜(くずりゅう)神社の違いについてみていきます。どちらも箱根の芦ノ湖畔にある神社ですね。関係があるのか、ないのか疑問に思っている者も多いんじゃないか。実は、この二つの神社には縁があるし、ご利益には違いがある。箱根に旅行に行くなら、しっかりと関係と違いを知ったうえでお参りしたいものです。
今回はそんなパワースポットとして有名な二つの神社の違いを、歴史から確認しつつ、温泉好きで、神社めぐりが趣味の一つである高校教師ライターの源シタゴウと一緒に解説していきます。

ライター/源シタゴウ

箱根駅伝を沿道で応援するために、毎年お正月は箱根で過ごす。その際、箱根神社から九頭竜神社へ散歩することが楽しみの一つとなっている。

おおまかな箱根神社と九頭竜神社の違い

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箱根神社と九頭竜神社はともに芦ノ湖の湖畔に佇んでいる由緒ある神社です。歴史も古く、興味深い言い伝えも伝わっています。そして何よりも関東近郊の強力なパワースポットとして有名。まずは、二つの神社について、場所・歴史などを大まかに見ていきましょう。

箱根神社の方が格上?

箱根神社と九頭竜神社はどういう関係なの、と疑問に思う方も多いでしょう。ここでは両神社の関係を説明していきます。

箱根神社は、第5代天皇である孝昭天皇の時代に駒ケ岳山頂を神山として祭祀したのが始まり。現在の社殿は、757年に万巻上人(まんがんしょうにん)によって創建されました。

一方の九頭竜神社は、少し箱根神社から離れたところに存在しています。

実は、九頭竜神社のご祭神と箱根神社を創建した万巻が関係してくるのです。万巻は優れた神通力の持ち主であり、芦ノ湖に棲んで人々苦しめていた毒竜を退治した、というエピソードが語り継がれてます。そして、毒竜は改心し、芦ノ湖を守る守護神、九頭竜神となり、人々に祀られることとなりました。九頭竜神社とはその九頭竜神を祀る神社なのです。両神社の関係は九頭竜神社より、箱根神社の方が格上、と言えるでしょう。

一緒に参拝するのがおすすめ

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以上説明してきたように、両神社は密接なつながりがあります。九頭竜神社は芦ノ湖畔の人々を水害から守り、箱根神社は箱根周辺の人々が豊かで安心した暮らしができるように見守っている、と言えるでしょう。場所的には多少距離があるのですが、時間に余裕があるのなら、どちらの神社もあわせて参拝するのがいいとされています。

箱根神社と九頭竜神社の神様は?

続いて、箱根神社と九頭竜神社の神様をくわしく紹介します。すでに説明したので、それぞれの神社の神様が違うことはおわかりですよね。おさらいすると、九頭竜神社の神様は元々毒竜で、万巻上人に退治されて、改心して竜神となったのでした。一方の箱根神社の神様は元からの神様です。

\次のページで「箱根神社は権現様だった」を解説!/

箱根神社は権現様だった

箱根神社の神様はニニギノミコト、コノハナサクヤヒメ、ヒコホホデミノミコトの御三神です。この神様たちは建国神話に出てくるとても重要で有名な神々なのですが、箱根神社が人々の尊崇を集めたのはほかにも理由があります。

それは箱根神社が権現様だったからです。権現とは神様でもあり、仏さまでもある存在を意味します。箱根神社を創建した万巻は本来はお寺にいるべき僧侶。しかし、当時は神仏習合(しんぶつしゅうごう)思想が盛んであったので、万巻が芦ノ湖畔に神社を創建できたのです。

その際、万巻は駒ケ岳山頂で文殊菩薩・弥勒菩薩・観音菩薩の真理を悟ったとされています。そして御三神は各菩薩の化身とされました。神様に対する信仰と仏様への祈りが一度に届く存在、それこそが箱根権現だったのです。

九頭竜神社は芦ノ湖の竜を祀っている

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一方の九頭竜神社のご祭神は芦ノ湖の竜でしたね。元々は人々を水害で苦しめていた毒竜が心を入れ替えて芦ノ湖周辺を守る守護神となったわけです。水は人間の生命に欠かせないものですから、水を司る神様はとても重要な存在として各地で祀られてきました。

水を生み出すのと司ることが一体の場合もあるのですが、箱根の地では、箱根神社の箱根大神(御三神のこと)が生み出す聖なる水を、九頭竜神社の竜神が守護する、そのような関係として考えられています。

箱根神社と九頭竜神社はどう回る?

ここでは、箱根神社と九頭竜神社の効率的な回り方をお伝えします。まずは箱根神社へ行きましょう。というのは九頭竜神社には通常宮司がいません。まずは宮司が存在する箱根神社でお参りするのがベスト。

徒歩で移動できる?

続いて箱根神社から九頭竜神社へのアクセス手段です。電車の方は、箱根神社へは登山電車とバスを乗り継いでいくルートが賢明でしょう。問題はそこから徒歩で行けるのか、それとも別の手段で行くかということ。徒歩で行けるのかという問題ですが、行けます芦ノ湖畔沿いの遊歩道を歩いて30分ほどで九頭竜神社に着きますよ。

湖畔の道が季節によっては爽やかな風が通り抜けて気持ちいいので、ぜひ歩いてみてはいかがでしょうか。

効率的な回り方は? 

まとめると、まずは箱根神社へ行き、それから九頭竜神社でお参りするのが王道です。時間に余裕があれば、箱根神社近くのロープウェー乗り場でロープウェーに乗って、駒ケ岳山頂にある箱根元宮でお参り、それから九頭竜神社へ徒歩で赴くというのもありですね。

箱根神社と九頭竜神社のご利益は?

次に紹介するのはご利益です。気になる方も多いですよね。神社のご利益なんてどこも同じじゃないの、と思っていませんか。実は結構な違いがあるのです。気になる方はしっかりと、ご利益なんてと思っていた方は心を入れ替えて聞いてください。

\次のページで「箱根神社も九頭竜神社もパワースポット」を解説!/

箱根神社も九頭竜神社もパワースポット

箱根神社も九頭竜神社ともに関東有数のパワースポットで、多くの参拝者が訪れます。箱根神社の年間参拝者はなんと、100万人超え。箱根駅伝が行われる関係からかスポーツ関係者や、別荘地でもあることから政界から財界の大物までがご利益を求めて訪れています。

箱根神社に境内に九頭竜神社新宮がある関係で、時間がなくても一緒にお参りができるメリットもありますしね。

箱根神社は必勝、九頭竜神社は縁結び

肝心のご利益なのですが、箱根神社は必勝、九頭竜神社は縁結び・開運のご利益があるとされています。政財界人が熱心に参拝するのもわかりますよね。選挙が近い時など混雑して大変でしょう。九頭竜神社は縁結び・開運ですから、どのような方でもお参りするのに適しており、出会いを求める若い男女には特に人気です。

箱根神社、九頭竜神社付近のおすすめ温泉はどこ?

やはり箱根に来たからにはお参りだけして帰るわけにはいきません。箱根は関東のみならず日本全国から観光客が来る国内屈指の名湯。最後に、箱根神社、九頭竜神社近辺でおすすめの温泉地を紹介します。

その1.芦ノ湖温泉

まずは、芦ノ湖温泉です。この温泉場は神社から最も近い場所にあります。旅館やホテルのみならず、大規模なスパリゾートもあり、お参りのほかは観光せずにゆっくりしたい、という方も丸一日充実した時間を過ごすことができます

観光したい方は芦ノ湖遊覧船に乗るのもいいですし、箱根園水族館で人気のアザラシを見て癒されるという選択もできます。または歴史に思いをはせながら箱根旧街道をてくてく歩くというのも楽しいですよ。

その2.小涌谷温泉

続いて紹介するのは、小涌谷温泉です。箱根神社から車で15分ほど、徒歩だと1時間ほどの距離にある人気の温泉場。高級温泉宿からリーズナブルなホテルまであり、参拝後の疲れを癒してくれます。

こちらも「箱根小涌園ユネッサン」という有名な日帰りスパがありますし、外せないのが箱根彫刻の森美術館。広大な敷地に多くの彫刻が展示されています。

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パワースポットの箱根神社と九頭竜神社は一緒に参拝し、必勝祈願と縁結びを祈ろう

本記事では箱根神社と九頭竜神社の違いを歴史を振り返りつつ、くわしく説明してきました。箱根神社の歴史は古く駒ケ岳山頂の元宮から数えると2000年以上の長きにわたり人々を見守ってきました。その過程で芦ノ湖のあばれ竜を鎮め、その上芦ノ湖の守り神としたのでしたね。お参りする際はぜひ二つの神社を参拝し、時間に余裕がある方は温泉に浸かって体を労わりましょう。

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3分でわかる箱根神社と九頭竜神社の違い!ご利益や効率的な回り方・おすすめの温泉も旅行好き高校教師ライターがくわしく解説!

この記事では箱根神社と九頭竜(くずりゅう)神社の違いについてみていきます。どちらも箱根の芦ノ湖畔にある神社ですね。関係があるのか、ないのか疑問に思っている者も多いんじゃないか。実は、この二つの神社には縁があるし、ご利益には違いがある。箱根に旅行に行くなら、しっかりと関係と違いを知ったうえでお参りしたいものです。
今回はそんなパワースポットとして有名な二つの神社の違いを、歴史から確認しつつ、温泉好きで、神社めぐりが趣味の一つである高校教師ライターの源シタゴウと一緒に解説していきます。

ライター/源シタゴウ

箱根駅伝を沿道で応援するために、毎年お正月は箱根で過ごす。その際、箱根神社から九頭竜神社へ散歩することが楽しみの一つとなっている。

おおまかな箱根神社と九頭竜神社の違い

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箱根神社と九頭竜神社はともに芦ノ湖の湖畔に佇んでいる由緒ある神社です。歴史も古く、興味深い言い伝えも伝わっています。そして何よりも関東近郊の強力なパワースポットとして有名。まずは、二つの神社について、場所・歴史などを大まかに見ていきましょう。

箱根神社の方が格上?

箱根神社と九頭竜神社はどういう関係なの、と疑問に思う方も多いでしょう。ここでは両神社の関係を説明していきます。

箱根神社は、第5代天皇である孝昭天皇の時代に駒ケ岳山頂を神山として祭祀したのが始まり。現在の社殿は、757年に万巻上人(まんがんしょうにん)によって創建されました。

一方の九頭竜神社は、少し箱根神社から離れたところに存在しています。

実は、九頭竜神社のご祭神と箱根神社を創建した万巻が関係してくるのです。万巻は優れた神通力の持ち主であり、芦ノ湖に棲んで人々苦しめていた毒竜を退治した、というエピソードが語り継がれてます。そして、毒竜は改心し、芦ノ湖を守る守護神、九頭竜神となり、人々に祀られることとなりました。九頭竜神社とはその九頭竜神を祀る神社なのです。両神社の関係は九頭竜神社より、箱根神社の方が格上、と言えるでしょう。

一緒に参拝するのがおすすめ

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以上説明してきたように、両神社は密接なつながりがあります。九頭竜神社は芦ノ湖畔の人々を水害から守り、箱根神社は箱根周辺の人々が豊かで安心した暮らしができるように見守っている、と言えるでしょう。場所的には多少距離があるのですが、時間に余裕があるのなら、どちらの神社もあわせて参拝するのがいいとされています。

箱根神社と九頭竜神社の神様は?

続いて、箱根神社と九頭竜神社の神様をくわしく紹介します。すでに説明したので、それぞれの神社の神様が違うことはおわかりですよね。おさらいすると、九頭竜神社の神様は元々毒竜で、万巻上人に退治されて、改心して竜神となったのでした。一方の箱根神社の神様は元からの神様です。

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