この記事では油脂の違いについてみていきます。そもそも「油」と「脂」は、両方『あぶら』と言うが、違いがあるのかよく分からないな。実はこの2つ、形状の違いによって使い分けられているらしいぞ。また、油脂と一言にいっても、いろんな種類があるみたいです。油脂の代表的な7種類について詳しく見ていこう。
今回は油脂の違いや種類について、栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。健康や美容のために食事と油脂について考えた生活を送っている。

「油」と「脂」の違いは?

油も脂も読み方は「あぶら」ですが、状態によって使い方が異なります。常温で「油」は液体「脂」は個体です。見た目でわかるので、簡単ですね。ただし”常温”とは明確な温度ではなく、はっきりした基準もありません。季節によっても違い、おおよそ15~25度くらいを指すようです。

「油や脂」をまとめて油脂と呼んでいます。油脂を構成する主な成分は、脂肪酸とグリセリン(アルコールの1種)です。

油脂は私たちが口にする食用油脂と、日常生活で使用する工業用油脂の2種類に分けられます。また、原料の違いによって、植物性油脂・動物性油脂・加工油脂の3種類です。

油脂と似た6種を比較!

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油脂との違いがむずかしい脂質や脂肪は、「くくりや範囲」が違います。また、名前に油や脂と入っていても油脂とは全くの別物もあるようです。詳しくみていきましょう。

その1.脂質

脂質は主に脂肪酸から構成されており、動植物性のものがほとんどです。中性脂肪やコレステロール、リン脂質などを脂質といいます。食事や健康に関わるイメージがありますね。三大栄養素である、たんぱく質・脂質・炭水化物の中で最もカロリーが高く、通常のダイエットや健康管理では脂質を取りすぎないことが成功の秘訣とも言えます。

また、脂肪酸とグリセリンからできている油脂は脂質の1つとも言え、脂質のほうが大きなくくりの名前です。

その2.単純脂質・複合脂質・誘導脂質

脂質は、単純脂質・複合脂質・誘導脂質の3つに分類されます。

単純脂質とは、脂肪酸とアルコールのエステルのことで、具体的には中性脂肪などです。エステルとは、有機酸物とアルコールなどが合成してできる成分の総称となります。複合脂肪は、脂肪酸とアルコール以外にもリンや糖などが結合したもので、リン脂質や糖脂質です。誘導脂質とは、単純脂質や複合脂質が加水分解されてできる脂質のことで、脂肪酸やコレステロールなどがあります。

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その3.脂肪酸

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脂質の構成成分である脂肪酸は、人の健康のためにも欠かせない成分となっています。食品中の脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類です。不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられ、多価不飽和脂肪酸はさらにn-3系とn-6系に分類されます。飽和脂肪酸は肉やバターなどの乳製品、パーム油などに、一価不飽和脂肪酸はオリーブオイルや菜種油、ナッツ類に多いです。

多価不飽和脂肪酸は体で作ることができない栄養で、食品から栄養を取らなければなりません。必須脂肪酸とも言い、n-3系は魚類やあまに油、えごま油などに、n-6系は大豆油やコーン油などに多く含まれています。

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その4.ワックス

ワックスとは脂肪酸と炭素数の多い高級アルコールが結合したエステルのことです。油脂とは結合するアルコールが違います。具体的にはホホバオイルや蜜蝋(ハチの巣)などがワックスの一種です。また、単につやを出させるもののことをワックスということもあります。

その5.精油

精油とはエッセンシャルオイルともいわれるもので、名前に「油」と入っているものの油脂とは全くの別物でベタベタすることもありません。植物のエキスを抽出したもので、100%天然ものです。アルコールやオイルで希釈したものはアロマオイルと呼ばれ、エッセンシャルオイルとは分けて使用されます。

その6.樹脂

樹脂も油脂とは全くの別物です。主成分はカルボン酸とエステルとなっています。カルボン酸は脂肪酸ではないため、脂質とは呼べません。木の傷からとれるエキスともいえることから、精油と近い存在でしょう。

油脂の分類

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油脂は食品で使用されるものと工業用のもので分けられます。

1.食用油脂

言葉の通り、食用にされるあぶらのことを食用油脂といいます。植物性のものから動物性のものまで様々です。石鹸は食用油脂で作られています。

2.工業用油脂

機械などに使用される油を工業用油脂といい、ミシンオイルやエンジンオイルなどの潤滑油があります。一方、石油や灯油などは「油」とついていますが、油脂とは別物です。

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油脂は脂質のひとつ!

油脂とは油や脂の総称で、液体なのか個体なのか状態によって分けられることが分かりました。油脂との違いが難しい脂質や脂肪酸との違いも分かりましたね。また、精油や樹脂は油脂とは別物です。成分の違いで分けられています。迷った時は成分に注目してみましょう。

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雑学

3分でわかる油脂の種類や違い!脂質やエステルって何?雑学好きライターが簡単に分かりやすく解説

その4.ワックス

ワックスとは脂肪酸と炭素数の多い高級アルコールが結合したエステルのことです。油脂とは結合するアルコールが違います。具体的にはホホバオイルや蜜蝋(ハチの巣)などがワックスの一種です。また、単につやを出させるもののことをワックスということもあります。

その5.精油

精油とはエッセンシャルオイルともいわれるもので、名前に「油」と入っているものの油脂とは全くの別物でベタベタすることもありません。植物のエキスを抽出したもので、100%天然ものです。アルコールやオイルで希釈したものはアロマオイルと呼ばれ、エッセンシャルオイルとは分けて使用されます。

その6.樹脂

樹脂も油脂とは全くの別物です。主成分はカルボン酸とエステルとなっています。カルボン酸は脂肪酸ではないため、脂質とは呼べません。木の傷からとれるエキスともいえることから、精油と近い存在でしょう。

油脂の分類

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油脂は食品で使用されるものと工業用のもので分けられます。

1.食用油脂

言葉の通り、食用にされるあぶらのことを食用油脂といいます。植物性のものから動物性のものまで様々です。石鹸は食用油脂で作られています。

2.工業用油脂

機械などに使用される油を工業用油脂といい、ミシンオイルやエンジンオイルなどの潤滑油があります。一方、石油や灯油などは「油」とついていますが、油脂とは別物です。

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