
簡単で分かりやすい剥奪と褫奪の違い!範囲や使い方、類語も文学部卒ライターが詳しく解説!
1.簒奪:権力などを奪い取ること
「簒奪」(さんだつ)とは、奪い取ること。特に、王位や帝位など、相手の地位や政治上の権力や支配力を取り上げる時に使われます。クーデターを起こした者が為政者の力を削いで、自ら権力者になるのをイメージすると分かりやすいかもしれません。「簒」とは無理に取り上げたり、横取りしたりすることを表す漢字です。
「横暴な前王から地位を簒奪して、自ら王になった」「大臣に簒奪されて、王はこの国から追放された」といったように使います。
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2.略取:人を無理に連れ去ることなど
「略取」(りゃくしゅ)とは、無理に奪い取ること。「略」は、うばいとる、かすめとる、「取」はつかみとる、手に入れるといった字義です。「敵の陣地を略取する」という使い方があります。
その他に暴力を振るったり脅したりして人を無理に連れ去る犯罪についていうことも。法律などで「略取誘拐罪」といった使い方がされます。これは、人を不法にそれまでの生活環境から切り離して、自分や第三者の支配下の環境に置く犯罪のことです。「未成年者を宿泊させて、略取誘拐罪に問われた」といった使い方をします。
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3.強奪:相手の所有物を暴力で奪い取る
「強奪」(ごうだつ/きょうだつ)とは、所有物や金品を暴力や脅迫により無理に奪い取ることです。「強」には無理にさせるという字義。「銀行で現金を強奪する事件が起こった」「泥棒にダイヤの指輪を強奪された」という使い方をします。
剥奪は名誉や権利などを強制的に取り上げること・褫奪は勲章の取り上げに限定
剥奪は地位や権利、免許や資格など、主に目に見えない社会的な名誉などについて強制的に取り上げて奪うことをいいます。褫奪は、現代において勲章を取り上げる時に、限定的に使うことがほとんど。「勲章褫奪令」などの法令名にもなっています。