
簡単で分かりやすい剥奪と褫奪の違い!範囲や使い方、類語も文学部卒ライターが詳しく解説!
2.剥奪の使い方
剥奪の使い方は以下の通りです。
・度重なる違反で、運転免許が剥奪された。
・独裁国家では一定の自由が剥奪される。
・犯罪を犯し、公民権剥奪となった。
・配下の者が不祥事を起こして、地位を剥奪される。
褫奪:勲章の取り上げに限定して使われる

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「褫奪」(ちだつ)については、現代では勲章や官位などを強制的に取り上げられるという意味合いで使われることがほとんど。剥奪は全般的に使えますが、褫奪の使われる範囲は限定的です。もし、「剥奪」と「褫奪」のうち、どちらを使って良いか迷うのであれば「剥奪」を選べば間違いはありません。
1.「褫」の字義とは?
「褫」の字義はうばう、衣服をはぎ取るということです。ただ、現代では、実際に服を身ぐるみはがすということはほぼありません。「褫奪」でうばうという意味の漢字を2つ重ねることで意味を強めていると考えられるのではないでしょうか。
2.褫奪の使い方
褫奪という熟語はあまり見かけませんが、政令の名前に使われています。これは「勲章褫奪令」(くんしょうちだつれい)で、明治41年に施行された政令です。勲章を受けた人が栄誉を取り上げられ、着用を禁止する事例の詳細が明記されています。具体的には、死刑や執行猶予がされない3年以上の禁錮刑などの刑罰に処された人などが対象になるということです。
例文としては、「受勲した人が懲役刑となり、勲章を褫奪されたらしい」「勲章褫奪令は明治時代からある法令だ」といったような使い方をします。しかし、現代ではあまり使われません。
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