この記事では「it」と「one」の違いをみていきます。「it」も「one」も代名詞ですが、どっちを使えばいいのか悩んだことがあるでしょう。それぞれの代名詞が何を指しているのかが明確になれば、その違いも見えてくるのではないか。いろんな例文で「it」と「one」の使い分けを元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「it」と「one」の違い

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皆さんご存じの通り、英語は繰り返しを嫌う言語ですので、一度出てきた名詞を「it」「he」「they」「one」などさまざまな代名詞を使って表すことが多い言語です。

ここでは「それ」と訳すことができる「it」と「one」についてみていきますが、代名詞として使われる「it」」と「one」を正確に使い分けできていますか。まずは、「それ」が指しているものが何なのか、基本的な違いをみていきましょう。

「it」:同一のものを指す

「it」は「指示代名詞」と言い、前の文で出てきた名詞と同一のもの(全く同じもの)を指すときに使う代名詞です。「特定のもの」を指すと解説している文法書も多くあります。

I lost my pen, but I found it.
「私はペンを失くしたが、それを見つけた。」

この例文では「it」は直前の文にある「my pen」を指して「それ」と言っています。あえて「it」を使わずに表現すれば、「I lost my pen, but I found the pen.」となり、「it」は「the pen」を表しますので「私のペン=そのペン」、つまり「失くしたペン=見つけたペン」となり同一のもの(全く同じもの)を指しているというわけです。

「one」:同じ種類のものを指す

一方「one」は「不定代名詞」と言い、前に出てきたものを同じ種類のものを指すときに使う代名詞です。「不特定のもの」を指すと解説している文法書も多くあります。

\次のページで「「it」と「one」の使い分けを例文でもっと詳しく」を解説!/

I lost my pen, and I need to buy one.
「私はペンを失くしたので、それを買う必要がある。」

この例文では「one」は直前の文にある「my pen」ではなく「pen」を指して「それ」と言っています。あえて「one」を使わずに表現すれば、「I lost my pen, but I need to buy a pen.」となり、「one」は「a pen」を指し、「ペン」という同じ種類のものを買う必要があるということです。

つまり、失くしたペンそのものを指しているのではありませんので「one」を使います。

「it」と「one」の使い分けを例文でもっと詳しく

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では、色々な例文をみながら、「it」と「one」の使い分けについて理解を深めていきましょう。

1. He bought a new car and he likes to drive it. I want one.
「彼は新しい車を買い、それを運転するのが好きだって。私もそれが欲しい。」
2. A: I forgot my pens. Will you lend me one?
「ペンを忘れた。ペンを貸してくれない?」
    B: Of course. You can use it.
「もちろん。(近くにあるペンを指して)それを使って。」
3. Your shirt is really cool. I want one just like it.
「あなたのシャツ、カッコイイね。私もそんなシャツが欲しい。」

1の「likes to drive it」の「it」は彼が買った「a new car」を指し、自分で買った車を運転するのが好きということです。一方「I want one」の「one」は彼が買った車ではなく、単に「car」が欲しいということで「車」という同じ種類のものを指しています。

2の「Will you lend me one?」の「one」はペンを忘れたので貸して欲しいということで、前の文の私が忘れたペンではありません。一方「You can use it.」の「it」は近くにあるペンを指して、そのペンそのものを使ってもいいという意味となり「it」となるのです。

3の「just like it」の「it」はあなたが今着ているシャツを指し「そのシャツのような」となります。「I want one」の「one」はあなたが着ているようなシャツと同じようなシャツのことです。

\次のページで「「it」と「one」のもう一つの違い」を解説!/

「it」と「one」のもう一つの違い

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「it」と「one」の基本的な違いは同一のものかどうかという点ですが、もう一つの違いも押さえておきましょう。

「it」:可算名詞の単数/不可算名詞を指す

「it」が指すものが何なのか、というヒントとなるものです。「it」は可算名詞の単数または不可算名詞を受けます。つまり、前の文で出てきた単語の中で、可算名詞の単数か不可算名詞を指しているということです。

1. I lost my pen, but I found it.
「it=my pen(可算名詞penの単数)」

2. I bought some cheese. It was very delicious.
「It=cheese(不可算名詞)」

「one」:可算名詞の単数と複数を指す

「one」は可算名詞の単数と複数を指すことができる代名詞で、可算名詞の複数を指すときは「ones」となります。つまり、前の文で出てきた同じ種類の名詞を受けて「one(またはones)」となるのです。不可算名詞の代名詞としては使えないので注意しましょう。また、可算名詞の複数を指して「ones」を使う場合は「形容詞+ones」としなければならない点も重要です。

1. I lost my pen, and I need to buy one.
「one=a pen(可算名詞の単数)」

2. I lost my pens, and I need to buy new ones.
「ones=pens(可算名詞の複数)」

\次のページで「「it」と「one」の違いは同一のものかどうか」を解説!/

「it」と「one」の違いは同一のものかどうか

「it」と「one」の違いは指しているものが同一かどうかです。前に出てきた名詞と同一のものを指していれば「it」、同じ種類であれば「one」を使います。また、どの名詞を受けているのかは、その名詞が可算名詞の単数または不可算名詞であれば「it」、可算名詞の単数と複数であれば「oneまたはones」となりますので、見分けるときのヒントとなるでしょう。

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雑学

簡単で分かりやすい「it」と「one」の違い!使い分けや例文も元塾講師が詳しく解説!

この記事では「it」と「one」の違いをみていきます。「it」も「one」も代名詞ですが、どっちを使えばいいのか悩んだことがあるでしょう。それぞれの代名詞が何を指しているのかが明確になれば、その違いも見えてくるのではないか。いろんな例文で「it」と「one」の使い分けを元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「it」と「one」の違い

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皆さんご存じの通り、英語は繰り返しを嫌う言語ですので、一度出てきた名詞を「it」「he」「they」「one」などさまざまな代名詞を使って表すことが多い言語です。

ここでは「それ」と訳すことができる「it」と「one」についてみていきますが、代名詞として使われる「it」」と「one」を正確に使い分けできていますか。まずは、「それ」が指しているものが何なのか、基本的な違いをみていきましょう。

「it」:同一のものを指す

「it」は「指示代名詞」と言い、前の文で出てきた名詞と同一のもの(全く同じもの)を指すときに使う代名詞です。「特定のもの」を指すと解説している文法書も多くあります。

I lost my pen, but I found it.
「私はペンを失くしたが、それを見つけた。」

この例文では「it」は直前の文にある「my pen」を指して「それ」と言っています。あえて「it」を使わずに表現すれば、「I lost my pen, but I found the pen.」となり、「it」は「the pen」を表しますので「私のペン=そのペン」、つまり「失くしたペン=見つけたペン」となり同一のもの(全く同じもの)を指しているというわけです。

「one」:同じ種類のものを指す

一方「one」は「不定代名詞」と言い、前に出てきたものを同じ種類のものを指すときに使う代名詞です。「不特定のもの」を指すと解説している文法書も多くあります。

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