この記事では所在地と住所の違いについてみていきます。どちらも土地や場所を示した言葉というイメージがあるよな。最大の違いは何を基準にしているかですが、それによって文章の中での使い方も違うぞ。今回はそんな場所を示す言葉の違いを、他の似た意味の言葉とともに社会福祉士ライターれおな=007と一緒に解説していきます。
れおな=007

ライター/れおな=007

会社員として勤務する傍ら執筆活動を続けるWEBライター。大学在学中に社会福祉士の資格を取得しており、周辺の法律用語に関する知識も豊富。独特の切り口、わかりやすい表現を日々研究中。

所在地や住所の意味は?

所在地や住所という言葉の意味をご存知でしょうか。混同されがちな2つの言葉ではありますが、両者には明確な違いが見られます。本項ではそれぞれの言葉の意味について、比較してみて行きましょう。

所在地:不動産がある場所

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所在地という言葉は、土地や建物といった不動産のある場所を示しています。そのため会社の社屋や学校の校舎のように、建物に人が住んでいるわけではなくても成立する概念です。

住所:人や動物が住む場所

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住所という言葉は、人や動物が住んでいる場所を示しています。つまり人や動物が生活の拠点を置き、一定期間滞在している場所が住所といえるのです。もちろん日本の民法上の定義では「生活の本拠」とされています。そのため住所に関しては正しく届ける必要があり、日本ではその届出に基づいて各種住民サービスが受けられるのです。

第22条 各人の生活の本拠をその者の住所とする。

(参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

民法 | e-Gov法令検索)

所在地と住所はどう使い分ける?

前項所在地と住所の意味について確認しましたが、両者はどのように使い分けるのでしょうか。本項ではそれぞれの言葉を使い分ける基準について、詳しく解説していきましょう。

\次のページで「1.土地や建物が基準の場合は所在地を使う」を解説!/

1.土地や建物が基準の場合は所在地を使う

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所在地という言葉を使うのは、話題において土地や建物が基準になっている場合です。具体的には会社や学校、観光地や公園など多岐に及びます。また住んでいるか否かに関わらず話題が人の家に限定される場合も、所在地を使って表現することもあるでしょう。

2.人や動物が基準になっている時は住所を使う

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日常会話において人や動物が話題になっている時は、住所という表現が使えます。そのため家に行ったり手紙や荷物を送りたかったりする場合、会話では住所という言葉を使って尋ねることが可能です。

3.建物や土地に対して「住所」と言っても伝わることが多い

たとえば「小学校の住所」というように建物や土地に対して「住所」と表現しても伝わることが多く、日常会話においては所在地と住所を厳密に使い分けられていません。しかし法律や不動産関連の書類などでは、所在地と住所という言葉はそれぞれの定義に則って使う必要があります。また住所と言うと違和感があるが所在地では固いと感じる場合は、場所と表現するのもおすすめです。

所在地や住所に似た言葉は?

前項までで所在地や住所について比較してきましたが、似たような意味の言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。本項では日常会話でよく使われる所在地や住所に似た意味の言葉について触れておきましょう。

1.居所:本拠ではないが住んでいる場所

居所とはその人の生活の本拠ではないが、住んでいる場所を示した言葉です。具体的には単身赴任をしている会社員や、自宅以外から通学している学生などが住んでいる場所と考えられます。そのため必ずしも住民登録がされているとは限らず複数の場所が居所とされていることもあるでしょう。

\次のページで「2.本籍地:戸籍が置かれている場所」を解説!/

「居所」は、「その人の生活の本拠ではないが、その人が現実に居住している場所」とされています。

(参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2875.htm#:~:text=%E3%80%8C%E5%B1%85%E6%89%80%E3%80%8D%E3%81%AF%E3%80%81%E3%80%8C%E3%81%9D%E3%81%AE,%E5%A0%B4%E6%89%80%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

No.2875 居住者と非居住者の区分|国税庁)

2.本籍地:戸籍が置かれている場所

本籍地とは戸籍が置かれている場所という意味の言葉で、必ずしも住んでいる場所とは限りません。日本の場合は領土とみなされる場所であればどこを示しても問題なく、観光地や国際関係において意味を持つ場所を指定する人もいます。住所のように実際に住んでいる必要がないだけではなく、一度もその場所に訪れたことがなくても構いません。

3.仮住所:法律上の行為に使う住所

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仮住所とは取引などの行為に使う住所のことで、何らかの事情で当人の本来の住所を使わない時に適用されるものです。そのため住民票など根拠とする書類がなくても任意で決められ、仮住所であることを明示する必要もありません。

所在地は土地や建物がある場所、住所は人や動物が住む場所

ここまで比較してきたとおり所在地とは土地や建物がある場所で、住所は人や動物が住む場所を示した言葉です。日常会話においては本来であれば所在地というべきところを住所と表現しても伝わりますが、正式な文書では定義によって使い分ける必要があります。居所や本籍地といった類義語も覚えておくと、公的な手続きの際には便利ですね。

" /> 簡単にわかる所在地と住所の違いとは?使い分けや居所・本籍地との違いも社会福祉士ライターが詳しく解説 – Study-Z
雑学

簡単にわかる所在地と住所の違いとは?使い分けや居所・本籍地との違いも社会福祉士ライターが詳しく解説

この記事では所在地と住所の違いについてみていきます。どちらも土地や場所を示した言葉というイメージがあるよな。最大の違いは何を基準にしているかですが、それによって文章の中での使い方も違うぞ。今回はそんな場所を示す言葉の違いを、他の似た意味の言葉とともに社会福祉士ライターれおな=007と一緒に解説していきます。
れおな=007

ライター/れおな=007

会社員として勤務する傍ら執筆活動を続けるWEBライター。大学在学中に社会福祉士の資格を取得しており、周辺の法律用語に関する知識も豊富。独特の切り口、わかりやすい表現を日々研究中。

所在地や住所の意味は?

所在地や住所という言葉の意味をご存知でしょうか。混同されがちな2つの言葉ではありますが、両者には明確な違いが見られます。本項ではそれぞれの言葉の意味について、比較してみて行きましょう。

所在地:不動産がある場所

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所在地という言葉は、土地や建物といった不動産のある場所を示しています。そのため会社の社屋や学校の校舎のように、建物に人が住んでいるわけではなくても成立する概念です。

住所:人や動物が住む場所

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住所という言葉は、人や動物が住んでいる場所を示しています。つまり人や動物が生活の拠点を置き、一定期間滞在している場所が住所といえるのです。もちろん日本の民法上の定義では「生活の本拠」とされています。そのため住所に関しては正しく届ける必要があり、日本ではその届出に基づいて各種住民サービスが受けられるのです。

第22条 各人の生活の本拠をその者の住所とする。

(参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

民法 | e-Gov法令検索)

所在地と住所はどう使い分ける?

前項所在地と住所の意味について確認しましたが、両者はどのように使い分けるのでしょうか。本項ではそれぞれの言葉を使い分ける基準について、詳しく解説していきましょう。

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