この記事では刑事と警察官の違いについてみていきます。どちらも犯罪に対して取り締まりを行う警察職員ですが、具体的にどう違うのか知っている人はどれくらいいるんでしょうな。この2つはそれぞれの職務内容をはじめ、資格や訓練さらに、給与や待遇にも違いがあるようです。
今回はそんな我々の治安を守ってくれている刑事と警察官の違いについて、職務の違いから確認しつつ、警察マニアライターいずなんと一緒に解説していきます。

ライター/いずなん

テレビドラマ「相棒シリーズ」が大好きで、警察の組織構造や任務内容についてリサーチするのが好き。そんな警察マニアが分かりやすく徹底解説する。

刑事と警察官の違いとは?

image by iStockphoto

刑事と警察官では、担当する職務・必要な資格・訓練する内容・給与の水準に違いがあります。具体的に一つ一つ詳しく見ていきましょう。

違いその1.職務

まずは刑事と警察官の職務の違いです。

\次のページで「刑事:犯罪捜査」を解説!/

刑事:犯罪捜査

刑事とは、警察官のうち捜査に特化した職務を担当する者を指します。主な職務は、事件現場で証拠の収集や容疑者の取り調べ、逮捕状の請求や起訴状の作成です。

刑事が担当する事件には窃盗や詐欺、殺人などがあり、例えば詐欺事件では、被害者からの情報を元に詐欺師の行動パターンを分析したり、銀行口座の取引履歴を調査。殺人事件では、現場でのDNA鑑定や痕跡検査、法医学的な解剖や死体検案など、高度な専門技術を駆使して、犯罪捜査を行います。

警察官:犯人逮捕

警察官とは、犯罪の予防、治安の維持、交通事故の処理、災害・事故の救助・警備など幅広い職務を担当する者を指します。

主な職務には犯罪の取り締まりと犯人逮捕があり、交通違反や酒気帯び運転などの軽微な犯罪から、窃盗、暴力団関係、麻薬取引などの重大犯罪まで多種多様。これらを取り締まるために、目撃情報の収集、監視カメラ映像の解析、SNS上の情報収集などを駆使して犯人逮捕に当たっています。

違いその2.資格と訓練内容

image by iStockphoto

刑事と警察官では、職位につくための資格が異なります。また、それぞれ必要な訓練にも違いがあるので、一つ一つ見ていきましょう。

刑事:大卒以上

刑事になるためには、学部・学科を問わず、大卒以上の学歴が必要です。大学で学んだ知識やスキルを活かし、警察官としての経験を積んだ後、専門的な犯罪捜査の訓練を受けます。

刑事は犯罪捜査に特化した警察官で、事件現場で証拠の収集や容疑者の取り調べ、逮捕状の請求や起訴状などを作成。このような高度な業務を遂行するためには、法律や社会学などの知識を大学で学ぶことが必要です。また、犯罪捜査に必要な技術や技能を習得するため、警察庁や県警での専門的な訓練を受けます。

警察官:高卒以上

警察官になるためには、高校卒業以上の学歴が必要です。警察官は、広範囲にわたる警察業務を担当するため、社会科や体育系など、様々な学科の学びを経験している人材が必要とされています。試験には、国語、数学、英語、地理歴史、理科、保健体育の6科目が含まれており、多岐にわたる知識が必要。

さらに、面接や適性検査も実施され、社会人としての基本的な素養や警察官として必要な資質・能力が評価されます。警察官には社会に対して責任のある職業であるため、高いモラルや倫理観、正確さや冷静さ、そしてコミュニケーション能力が必須です。

刑事と警察官の訓練内容の違い

刑事と警察官の訓練内容には大きな違いがあります。刑事は、専門的な犯罪捜査に必要な技術や知識を身につけるために、科学捜査技術や法医学、心理学などを学習。これらは、犯罪捜査において証拠を収集し、犯罪者を追跡・逮捕するために必要な訓練です。

一方、警察官は、広範囲にわたる警察業務に必要な技術や知識を身につけるための訓練を受けます。具体的には、交通誘導やパトロール、事故処理などの実技訓練です。

1.刑事の訓練内容
・犯罪学、法学、心理学などの講義
・現場捜査や聞き取り調査の実技訓練
・刑事手続きや証拠の取り扱いに関する実技訓練

2.警察官の訓練内容
・交通規制、パトロール、事故処理などの実技訓練
・犯罪の予防活動や防犯啓発に関する講義
・銃器や道具の取り扱いに関する訓練

\次のページで「違いその3.給与と待遇」を解説!/

違いその3.給与と待遇

image by iStockphoto

ここからは、刑事と警察官の給与と待遇についてです。初任給や特別な手当の有無などに違いがありますので、一つ一つ見ていきましょう。

刑事の給与と待遇

刑事の給与や待遇は、一般的な公務員よりも高い水準です。2022年4月時点での初任給は約22万円~27万円程度とされています。刑事の待遇については、例えば刑事手当として捜査課長補佐以上の役職にある刑事には、月額で最大6万円が支給。また、交通手当や現場手当など、捜査に関わるさまざまな手当が支払われることもあります。

警察官の給与と待遇

警察官の給与や待遇は、公務員として一般的な水準です。2022年4月時点での初任給は約19万円程度とされています。警察官の待遇については、退職金や厚生年金、医療保険などの福利厚生が含まれており、総合的に高い待遇です。

刑事と警察官は安全な社会をつくっている

刑事と警察官は、どちらも治安維持を守るために日々活躍している尊い職業で、それぞれに違いがあることが分かりました。資格や訓練の違いから、刑事はより専門的な捜査能力が求められ、警察官は広い範囲の業務をこなします。今後も刑事と警察官が、安全な社会をつくるために力を合わせて活躍してくれることでしょう。

" /> 簡単で分かりやすい!刑事と警察官の違いとは?職務や資格・訓練も警察マニアライターが詳しく解説 – Study-Z
雑学

簡単で分かりやすい!刑事と警察官の違いとは?職務や資格・訓練も警察マニアライターが詳しく解説

この記事では刑事と警察官の違いについてみていきます。どちらも犯罪に対して取り締まりを行う警察職員ですが、具体的にどう違うのか知っている人はどれくらいいるんでしょうな。この2つはそれぞれの職務内容をはじめ、資格や訓練さらに、給与や待遇にも違いがあるようです。
今回はそんな我々の治安を守ってくれている刑事と警察官の違いについて、職務の違いから確認しつつ、警察マニアライターいずなんと一緒に解説していきます。

ライター/いずなん

テレビドラマ「相棒シリーズ」が大好きで、警察の組織構造や任務内容についてリサーチするのが好き。そんな警察マニアが分かりやすく徹底解説する。

刑事と警察官の違いとは?

image by iStockphoto

刑事と警察官では、担当する職務・必要な資格・訓練する内容・給与の水準に違いがあります。具体的に一つ一つ詳しく見ていきましょう。

違いその1.職務

まずは刑事と警察官の職務の違いです。

\次のページで「刑事:犯罪捜査」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: