この記事ではFBIと警察の違いについてみていきます。どちらも事件、事故を取り締まり、国民の安全を守る正義のヒーローっていうイメージがあるよな。実は、所属する機関やそれぞれが持つ権限に違いがあって、任務の内容もまったく異なるみたいです。
今回はそんなFBIと警察の違いについて、任務、権限、組織を確認しつつ、歴史的背景や関係性、現在の課題や取り組みまでを警察マニアライターであるいずなんと解説していきます。

ライター/いずなん

テレビ番組の「警察密着24時」が大好きで、趣味は白バイ用グローブやベルト、手帳などの警察グッズを集めるというほどの警察マニア。そんなリスペクトして止まない警察について、徹底リサーチして分かりやすく発信する。

FBIと警察の違いを任務、権限、組織について解説

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FBIと警察はそれぞれ異なる任務と権限を持ち、独自の組織体制があります。一つ一つ詳しく見ていきましょう。

FBIは広範囲な権限を持つ

FBIは連邦政府直属の捜査機関であり、国内外のテロ、スパイ、組織犯罪、サイバー犯罪など幅広い犯罪捜査を担当しています。また、司法省に属しているため、裁判官の命令で家宅捜索や逮捕、証拠の押収を行うことが可能です。今まで、911テロ事件、ケネディ大統領暗殺事件、アメリカ大統領選挙に関するロシアの介入疑惑事件などを担当し、多数の重大事件を解決してきました。

警察は限定された権限を持つ

警察は地方自治体に所属する法執行機関であり、主に地域の治安維持や一般犯罪の捜査を担当。FBIと比べると警察は地方自治体によって組織されているため、主に市町村ごとに分かれていて、捜査範囲や権限は限定的。一般的には、警察の主な任務は、道路交通や事件・事故の現場における警備や調査、一般犯罪の捜査などが挙げられます。

また、警察は法執行機関として、逮捕や身柄拘束、罰金の徴収などの権限を持っていますが、FBIほどの幅広い司法権限は持っていません。

FBIと警察の歴史的な背景と関係性

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FBIと警察の歴史について見ていきましょう。それぞれの成り立ちから現在の関係性までを紹介します。

FBIと警察の歴史的な背景

FBIは1935年に連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation)として設立され、初期の任務は犯罪統計の集計や警察への情報提供でした。その後、連邦レベルでの犯罪捜査に特化し、国内外のテロ、スパイ、組織犯罪、サイバー犯罪などを取り締まる捜査機関として発展。

一方、警察は地域や都市ごとに独自の組織体制を持ち、地域の治安を維持することを目的に設立されました。警察は、地域の住民とのコミュニケーションや犯罪の現場での即時対応、交通事故処理、パトロールなどの任務を担っています。

FBIと警察の現在の関係性

近年、FBIと警察の間での情報共有や訓練など、協力関係を強化する動きがあります。FBIは、特に国内外のテロや組織犯罪の捜査において警察と連携して地域に根ざした情報収集や捜査を進めており、数多くの事件を解決。

例えば、2013年のボストンマラソン爆破事件や2002年のワシントンD.C.スナイパー事件では、FBIと地元警察が協力して犯人を特定し、逮捕に成功しています。

\次のページで「FBIと警察の現在の課題と取り組み」を解説!/

FBIと警察の現在の課題と取り組み

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次に、FBIと警察が抱える課題について見ていきましょう。それぞれの持つ課題と、それに対する改善に向けた取り組みを紹介します。

FBIと警察が直面する課題

FBIと警察は、現在多くの課題に直面しており、その中でも、人種・民族、性別、障がい者などの差別や、濫用・過剰使用といった問題が深刻化しています。2020年アメリカでは、ジョージ・フロイド氏の死をきっかけに、各地で警察による過剰な武力行使や差別的な行為があったことが報道。

また、2021年にはFBIの捜査官が、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア氏の家族に対し政治的な監視を行ったと報道されるなど、FBIと警察は多くの問題に直面しています。

FBIと警察の取り組み

FBIは2019年に、人種や民族、宗教、性的指向、障害などに基づくヘイトクライムに対する報告の改善に取り組むと発表しました。

警察は2020年に、パートナーシップの強化や警察におけるバイアスや差別の防止に向けた計画を発表し、改善に向けて取り組んでいます。例えば人種差別や過剰な力の使用については、警察官のトレーニングの強化や、ボディカメラの装備などを実行。また、一部の地域では、警察とコミュニティとの対話を重視する「コミュニティ・ポリシング」と呼ばれる取り組みも行われています。

FBIと警察の違いを知って安全について考えよう

FBIは国内外の重大犯罪やテロ事件を担当する組織で、警察は地域の治安維持と犯罪捜査を担当する組織であるということを紹介してきました。自分や家族が安全でいるためには、地域の犯罪には警察に通報。もしも、テロ事件などの国家レベルの事件に巻き込まれてしまった場合には、FBIに通報、相談が必要になります。このように両者の役割や特徴を理解し、適切な対策を取ることが重要です。

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雑学

簡単で分かりやすい!FBIと警察の違いとは?組織の特徴や関係性・課題も警察マニアライターが詳しく解説

この記事ではFBIと警察の違いについてみていきます。どちらも事件、事故を取り締まり、国民の安全を守る正義のヒーローっていうイメージがあるよな。実は、所属する機関やそれぞれが持つ権限に違いがあって、任務の内容もまったく異なるみたいです。
今回はそんなFBIと警察の違いについて、任務、権限、組織を確認しつつ、歴史的背景や関係性、現在の課題や取り組みまでを警察マニアライターであるいずなんと解説していきます。

ライター/いずなん

テレビ番組の「警察密着24時」が大好きで、趣味は白バイ用グローブやベルト、手帳などの警察グッズを集めるというほどの警察マニア。そんなリスペクトして止まない警察について、徹底リサーチして分かりやすく発信する。

FBIと警察の違いを任務、権限、組織について解説

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FBIと警察はそれぞれ異なる任務と権限を持ち、独自の組織体制があります。一つ一つ詳しく見ていきましょう。

FBIは広範囲な権限を持つ

FBIは連邦政府直属の捜査機関であり、国内外のテロ、スパイ、組織犯罪、サイバー犯罪など幅広い犯罪捜査を担当しています。また、司法省に属しているため、裁判官の命令で家宅捜索や逮捕、証拠の押収を行うことが可能です。今まで、911テロ事件、ケネディ大統領暗殺事件、アメリカ大統領選挙に関するロシアの介入疑惑事件などを担当し、多数の重大事件を解決してきました。

警察は限定された権限を持つ

警察は地方自治体に所属する法執行機関であり、主に地域の治安維持や一般犯罪の捜査を担当。FBIと比べると警察は地方自治体によって組織されているため、主に市町村ごとに分かれていて、捜査範囲や権限は限定的。一般的には、警察の主な任務は、道路交通や事件・事故の現場における警備や調査、一般犯罪の捜査などが挙げられます。

また、警察は法執行機関として、逮捕や身柄拘束、罰金の徴収などの権限を持っていますが、FBIほどの幅広い司法権限は持っていません。

FBIと警察の歴史的な背景と関係性

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FBIと警察の歴史について見ていきましょう。それぞれの成り立ちから現在の関係性までを紹介します。

FBIと警察の歴史的な背景

FBIは1935年に連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation)として設立され、初期の任務は犯罪統計の集計や警察への情報提供でした。その後、連邦レベルでの犯罪捜査に特化し、国内外のテロ、スパイ、組織犯罪、サイバー犯罪などを取り締まる捜査機関として発展。

一方、警察は地域や都市ごとに独自の組織体制を持ち、地域の治安を維持することを目的に設立されました。警察は、地域の住民とのコミュニケーションや犯罪の現場での即時対応、交通事故処理、パトロールなどの任務を担っています。

FBIと警察の現在の関係性

近年、FBIと警察の間での情報共有や訓練など、協力関係を強化する動きがあります。FBIは、特に国内外のテロや組織犯罪の捜査において警察と連携して地域に根ざした情報収集や捜査を進めており、数多くの事件を解決。

例えば、2013年のボストンマラソン爆破事件や2002年のワシントンD.C.スナイパー事件では、FBIと地元警察が協力して犯人を特定し、逮捕に成功しています。

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