この記事では「Mrs.」「Miss」「Ms.」の違いについてみていきます。どれも女性の名前につけて使うのはみんな知っているでしょう。男性の名前には「Mr.」しかつけないのに、なぜ女性の名前には3つの違う敬称があるのでしょうか。使い分けなどを元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

女性の敬称「Mrs.」「Miss」「Ms.」

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みなさん、敬称は聞いたことがありますよね?日本語では「~さん」「~様」「~先生」のように名前や役職の後につけるのですが、英語では名前や役職の前につけるのが一般的です。男性に対する敬称は「Mr.」の1つですが、女性に対する敬称は「Mrs.」「Miss」「Ms.」の3つがあります。

また、名前ですが、一昔前は名姓(Kenji Sakuragi)の順でしたが、最近では日本人は日本人の名前の順番通り姓名(Sakuragi Kenji)とするのが普通ですね。余談が入りましたが、まずは「Mrs.」「Miss」「Ms.」の基本的な違いを見ていきましょう。

「Mrs.」:既婚の女性

「Mrs.」は既婚女性に対する敬称で読み方は「ミスィーズ」です。日本語では「ミセス」と言っていますね。「Mistress」を省略した単語ですので、最後に省略を示すピリオドをつけなければなりません。また、「~夫妻」と言うときには、この「Mrs.」を使って「Mr. and Mrs. Sakuragi(桜木夫妻)」のように使います

ちなみに、離婚した場合でも「Mrs.」を使うのは意外だと思いますのでぜひ覚えておいてください。「既婚」の経験があることから、離婚後でも「Mrs.」を使うようです。

「Miss」:未婚の女性

「Miss」は未婚の女性に対する敬称で読み方は「ミス」です。「ミス・ユニバース」「ミス・ジャパン」などでも聞いたことがあるでしょう。「Miss」は女の子の敬称としても使われます。結婚していないから当然だろうと考えてしまいますが、「Miss」にはお嬢様という意味もあるので女の子の敬称と言えるのです。

「Ms.」:未婚・既婚を問わない

「Ms.」は未婚・既婚を問わず使える女性への敬称で読み方は「ミズ」です。実を言うとこれは何かを省略した単語ではないのですが、「Mr.」や「Mrs.」にならって慣用的に省略を示すピリオドを使っています。この言葉は比較的新しい単語ですので、一世代以上前の皆さんが学校で習ったのは「Mrs.」と「Miss」だったのではないでしょうか。

未婚・既婚を問わず使える敬称ですので、初対面の女性の婚姻状況が分からなくても使える「Ms.」は万能ですね。最近の教科書では「Mrs.」や「Miss」ではなく「Ms.」がよく使われているので、「Mrs.」「Miss」の使い分けを知らない児童・生徒もいます。

\次のページで「「Mrs.」と「Miss」はもう使わない?」を解説!/

「Mrs.」と「Miss」はもう使わない?

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昨今のジェンダー平等の取り組みもあり「Mrs.」「Miss」のように結婚しているかどうかの使い分けではなく、女性全般に使われる「Ms.」を使うのが一般的となっています。前述した通り、教科書などでは「Ms.」が良く使われるようになりましたが、学校などで先生が自分のことを「Mrs. Smith」「Miss Smith」のように紹介することもありますし、映画などでも「Mrs.」「Miss」をしっかり使い分けている場合も多いです。ジェンダー平等とは言え、英語圏の人たちはうまくこの3つを使い分けています

ちなみに、女性が結婚しているかどうかで使い分ける「Mrs.」「Miss」に代わって「Ms.」を使うのは差別表現を避けるためと考えている方もいらっしゃるかと思いますが、「ミス・ユニバース」のように今でも使われており差別表現とはとらえられていないと考えるべきでしょう

注意すべき敬称

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男性は「Mr.」、女性は「Mrs.」「Miss」「Ms.」と一般的な敬称がありますが、誰にでも使っていいというわけではありません。次のような場合には注意が必要です。

Dr.やProfessor

男性、女性問わず、博士号(Ph. D.やDr.)を有している人や大学の教授にメールなどを送るとき、通常の敬称である「Mr.」「Mrs.」「Miss」「Ms.」を使うのが失礼となる場合があります。博士号は取得するのがとても難しいですし、教授も十分に高い地位です。このような場合は、一般の敬称に代わって「Dr. Sakuragi(桜木博士)」「Professor(Prof.) Sakuragi」のように役職(タイトル)を使うのが無難でしょう。日本同様、肩書は大切なんですね。

そのほかにも「Prime Minister(首相)」「President(大統領)」「Senator(議長)」などがあります。ちなみに大統領の場合は「President Joe Biden」と名前(フルネーム又は苗字)につけて使いますが、「Mr. President」ということも多いです。

名前が分からないときの敬称

相手の名前が分かっていれば、男性なら「Mr.」、女性なら「Ms.」を使えばひとまず安心です。しかし、相手の名前が分からない場合は何と呼べばいいのでしょうか。最後に、名前が分からない相手に対する敬称を紹介します。

相手が男性であれば「Sir」、女性であれば「Ma'am」「Madam」を使うとよいでしょう。さらにメールなどで相手が男性か女性かすらわからない場合は「Dear Sir/Madam,」のように併記してもいいですね。

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「Mrs.」「Miss」「Ms.」の違いは女性の婚姻状況

「Mrs.」は既婚女性に対して、「Miss」は未婚女性に、そして「Ms.」は未婚・既婚を問わず女性全般に対して使う敬称です。最近ではジェンダー平等の観点から「Ms.」が多く使われるようになりましたが、それでも「Mrs.」「Miss」は今でもまだ使われていますので、その違いを押さえておく必要があります。それに加え、相手の役職次第では一般的ない敬称ではなく、「Dr.」や「Prof.」など別の敬称を使うこともありますのでぜひ機会があれば使ってください。

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雑学

簡単で分かりやすい「Mrs.」「Miss」「Ms.」の違い!女性の敬称だけなぜ多い?使い分けも元塾講師が詳しく解説!

この記事では「Mrs.」「Miss」「Ms.」の違いについてみていきます。どれも女性の名前につけて使うのはみんな知っているでしょう。男性の名前には「Mr.」しかつけないのに、なぜ女性の名前には3つの違う敬称があるのでしょうか。使い分けなどを元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

女性の敬称「Mrs.」「Miss」「Ms.」

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みなさん、敬称は聞いたことがありますよね?日本語では「~さん」「~様」「~先生」のように名前や役職の後につけるのですが、英語では名前や役職の前につけるのが一般的です。男性に対する敬称は「Mr.」の1つですが、女性に対する敬称は「Mrs.」「Miss」「Ms.」の3つがあります。

また、名前ですが、一昔前は名姓(Kenji Sakuragi)の順でしたが、最近では日本人は日本人の名前の順番通り姓名(Sakuragi Kenji)とするのが普通ですね。余談が入りましたが、まずは「Mrs.」「Miss」「Ms.」の基本的な違いを見ていきましょう。

「Mrs.」:既婚の女性

「Mrs.」は既婚女性に対する敬称で読み方は「ミスィーズ」です。日本語では「ミセス」と言っていますね。「Mistress」を省略した単語ですので、最後に省略を示すピリオドをつけなければなりません。また、「~夫妻」と言うときには、この「Mrs.」を使って「Mr. and Mrs. Sakuragi(桜木夫妻)」のように使います

ちなみに、離婚した場合でも「Mrs.」を使うのは意外だと思いますのでぜひ覚えておいてください。「既婚」の経験があることから、離婚後でも「Mrs.」を使うようです。

「Miss」:未婚の女性

「Miss」は未婚の女性に対する敬称で読み方は「ミス」です。「ミス・ユニバース」「ミス・ジャパン」などでも聞いたことがあるでしょう。「Miss」は女の子の敬称としても使われます。結婚していないから当然だろうと考えてしまいますが、「Miss」にはお嬢様という意味もあるので女の子の敬称と言えるのです。

「Ms.」:未婚・既婚を問わない

「Ms.」は未婚・既婚を問わず使える女性への敬称で読み方は「ミズ」です。実を言うとこれは何かを省略した単語ではないのですが、「Mr.」や「Mrs.」にならって慣用的に省略を示すピリオドを使っています。この言葉は比較的新しい単語ですので、一世代以上前の皆さんが学校で習ったのは「Mrs.」と「Miss」だったのではないでしょうか。

未婚・既婚を問わず使える敬称ですので、初対面の女性の婚姻状況が分からなくても使える「Ms.」は万能ですね。最近の教科書では「Mrs.」や「Miss」ではなく「Ms.」がよく使われているので、「Mrs.」「Miss」の使い分けを知らない児童・生徒もいます。

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