
2.黒ぶどう
皮が黒紫色のぶどうは「黒ぶどう」に分類されます。代表的な品種は「巨峰」、「ピオーネ」、「ナガノパープル」、「カベルネ・ソーヴィニヨン」。また、マスカットの一種である「ヒロ・ハンブルク」も黒ぶどうです。これらの紫色はポリフェノールの一種であるアントシアニンによるもので、アントシアニンの量が多ければ多いほど黒く深い色に。黒ぶどうはタンニンも豊富で、食べると独特の渋みを感じます。
3.赤ぶどう
皮が赤紫色のぶどうは「赤ぶどう」に分類されます。代表品種は「デラウェア」、「レッドグローブ」、「サニールージュ」、「甲州」です。赤ぶどうの紫色もアントシアニンによって色づいていますが、黒ぶどうに比べるとアントシアニンの量が少なく、赤く透明感のある紫色に見えます。
ぶどうの分類方法3:香り

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3つ目の分類方法は香りです。よく熟したぶどうの甘く芳醇な香り「マスク」と「フォクシー・フレーバー」という2系統に分類され、用途との相性によって使い分けられています。一般的にワインの原料として好まれる香りがマスク、ジュースに利用されるのがフォクシー・フレーバーです。
1.マスク:甘い花の香り
マスクは深く甘い花の香りで、「温かい」、「官能的」とも表現されます。ヨーロッパブドウ、特にマスカット系品種から漂う香りがマスクと評され、ワインの原料として相性がいいといわれる香りです。そもそも「マスカット」は「マスクのような香りがするもの」という意味から名付けられており、同じ語源のフルーツとして「マスクメロン」も挙げられます。
2.フォクシー・フレーバー:ぶどうジュースの香り
フォクシー・フレーバーは直訳すれば「キツネのにおい」ですが、実際に動物のキツネからするにおいではありません。
少しクセのある甘い香りで、アメリカブドウ(ラブルスカ種)から漂う香りを指します。アメリカブドウは生食用やジュースの原料として多く利用され、ぶどうジュースの香りがまさにフォクシー・フレーバーといわれる香りです。
フォクシー・フレーバーはどちらかといえばネガティブな意味合いで使用されることが多く、「ワインに適さない格下のもの」というようなイメージとして語られます。語源は定かではありませんが、キツネが好んで食べたぶどうだから、フォックスいう人物がアメリカブドウの香りを解説したから、などの通説が有力です。
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