
3分でわかる一神教と多神教の違い!起源や成り立ちもクリスチャンの高校教師がわかりやすく解説!

ライター/源シタゴウ
大学時代は宗教学を受講するとともに、『ブッダの生涯』や『イエスの生涯』を読んで感銘を受ける。特に長崎県の「遠藤周作記念館」を訪れるほどの遠藤周作ファン。
大まかな一神教と多神教の違いとは?

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一神教と多神教と言われても、神様の数が違う程度しかわからないのではないでしょうか。とはいえ、両者の違いを理解することは、多文化社会が進む世の中で適切なコミュニケーションをとるために、不可欠な知識です。
知らないがために人間関係を壊してしまったり、最悪、危害を加えられたりすることも。まず、辞書でそれぞれの定義を確認しておきましょう。
一神教
・ただ一つの神だけの存在を認め、それを信仰の対象とする宗教。唯一神教。単一(拝一)神教、交替神教などに区別される。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教など。
多神教
・多数の神の存在を認め、これを崇拝する宗教体系。原始宗教や古代宗教の形態は大多数がこれに属する。諸神はそれぞれに個体的性格をもち、文化が進むにつれて職能神として明確に意識され、また神々の関係も整理され、パンテオン(万神廟)を形成することが多い。
出典:精選版 日本国語大辞典
一神教は宇宙を創る神に対する絶対的信仰
一神教とは一人の神を信仰する宗教ですので、その神は唯一無二の存在となります。全てを創造する神に対する絶対的な信仰。それこそが一神教の特徴です。
例えば、旧約聖書『創世記』には、キリスト教の神=ヤハウェは6日間で天地を創造する様子が描かれています。天地を創り、人間を創った存在が唯一神なのです。これは後ほど述べる多神教の神々と性格とはまるで異なっていると言えます。
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多神教は宇宙に創られる神々に対する緩やかな敬愛

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一方の多神教とは、様々な性格を持った神々に対する尊敬もしくは敬愛のような信仰が特徴です。それは多くの神々が太陽や森林、大河など豊かな自然環境を擬人化したものと言えるものだからでしょう。私たちの生活を成り立たせてくれる自然に感謝の念や祈願をささげたいという人間の欲求が生み出した存在。それこそが多神教の神々だったのです。
何日も日照りが続いたり、洪水が何度も発生したりするという自然環境のあり方を反映するかのように、多神教の神々は様々な性格を持っています。陽気な神様、荒々しい神様、気まぐれな神、好色な神。
ギリシャ神話では、主神ゼウスは気が多く好色な神であったり、その妻のヘーラーは嫉妬深い神であったりと、誰一人として完璧な神はおらず、どこかに欠点があるのです。そういった欠点も含めてギリシャの人々は神々を敬っていると言ってよいでしょう。
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