
元々は日本列島が割れたときにできた溝
実はかつての日本列島は海に沈んでおり、かつ今よりもまっすぐな形をしていました。今でこそひらがなの「く」を反対にしたような形ですが、これは「フォッサマグナ」の位置で地層が割れてしまったことに由来しているんです。
地層が割れるとその部分に溝ができます。海底にできた溝に新しい地層が形成されていき、それが現在の「フォッサマグナ」の地層となりました。つまり「フォッサマグナ」とその周辺地域の地層は異なっているのです。
富士山などの山々は海底からの隆起時にできた
ではなぜ「フォッサマグナ」には山々が点在しているのでしょうか。それは海底が隆起したため、フォッサマグナが突き上げられたからです。富士山や八ヶ岳、新潟焼山などはこの時期に形成されました。
西南日本と東北日本の地質

image by iStockphoto
「糸静線」と「フォッサマグナ」が地質学的に「西南日本」と「東北日本」を分断する境界であることはおわかりいただけと思います。では両者にはどのような地質の違いがあるのでしょうか。ここでは「西南日本」と「東北日本」の地質の特徴を解説していきます。
西南日本:内帯と外帯で地質が異なる
日本列島を地質学的に横に分断した線を「中央構造線(中央構造線)」と言い、「中央構造線」の北側を「内帯(ないたい)」、南側を「外帯(がいたい)」と呼びます。「西南日本」において「内帯」と「外帯」の地質は非常に対照的です。
「内帯」はなだらかな地形をしており瀬戸内海や琵琶湖に代表されるような大きなくぼみも見られます。これに対して「外帯」は紀伊半島や阿蘇山に代表されるような険しい山々が連なり平地が少ない地形です。
東北日本:棚倉構造線から地質が変わる
「東北日本」は「棚倉構造線(たなくらこうぞうせん)」と呼ばれる線を境に地質が分断しています。「棚倉構造線」は福島県棚倉町から茨城県常陸太田市にかけて広がる断層で、ここを境に山々の険しい東北地方と関東平野の広がる関東地方が広がっているのです。
\次のページで「糸静線は「線」、フォッサマグナは「面」」を解説!/