ペールエール・IPAに似ているビール
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ここまで「ペールエール」と「IPA」の特徴や違いについて説明してきました。しかし世界には他にもさまざまな下面発酵のビールは存在するんです。その中でも「ペールエール」と「IPA」に近い種類が「アンバーエール」と「スタウト」というスタイル。ここではこの2種類のビールについて解説していきます。
アンバーエール:琥珀色のエール
「アンバーエール」は「アンバー(琥珀色)」の「エール」という意味です。琥珀色とは赤みがかったブラウンと言える色あい。醸造に利用する大麦を高温でローストして軽く焦げ目をつけています。カラメルを思わせる香ばしさと、大麦由来のほどよい甘味が広がる芳醇なビールです。もちろん「ペールエール」同様、ホップの苦みが味わいを引き締めています。
スタウト:黒色のエール
スタウトは主にアイルランドのパブなどで愛されている黒色の「エール」です。「スタウト(stout)」とは英語で「頑丈」や「強い」を意味する言葉。「アンバーエール」同様に大麦をローストしているのですが、こちらは大麦が黒くなるまでじっくり焦がしています。その結果、大麦からも苦みや甘味、酸味が染み出し濃厚な味わいとなるのです。
「スタウト」は特にホップの量を増やすことはありませんが、乳糖(ラクトース)やオート麦、牡蠣エキス、バニラビーンズなどを加えて味の複雑さを増している種類もあります。
ペールエールとIPAは造り方・香り・味わいに違いがある
ここまで「ペールエール」と「IPA」の特徴、両者の違い、近縁のビールについて解説してきました。徐々に日本でも人気になっている理由が何となくわかったのではないでしょうか。
「ペールエール」と「IPA」は香りや苦みが強く、特に「IPA」にいたっては非常に個性的です。しかし筆者はそんな個性に憑りつかれた「IPA」ファンの一人でもあり、パブなどで見かけたら必ずと言っていいほど注文してしまいます。ぜひ皆さんも街に繰り出して、お気に入りの上面発酵ビールを探してみてはいかがでしょうか。


