長期輸送の目的から生まれたIPA
「IPA」とは「インディアンペールエール」の略称で、「ペールエール」の親戚にあたるビールです。ではなぜ「インディアン」なのかというと、「IPA」誕生当時のイギリスとインドの関係に由来します。
インドがイギリスの植民地だった時代に、イギリスからインドにビールを運ぼうとすると輸送中に腐敗したり傷んでしまうことが多かったのです。そこで防腐処理のため殺菌作用にすぐれたホップの量を大幅に増やしました。こうして生まれたのが「インドのペールエール」こと「IPA」なのです。
ペールエールとIPAの違い
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「ペールエール」と「IPA」がどんなビールなのかはおわかりいただけだと思います。では本題として、「ペールエール」と「IPA」の違いについても見ていきましょう。きっと飲んでみたくなるはずですよ。
造り方が違う
上面発酵ビールの総称を「エール」と言います。「エール」系のビールに共通して言えるのが、深い味わいと飲みごたえ。
「ペールエール」は「エール」の中でも「ペール(淡い)」なものを指します。色が淡い、つまり薄目なんですね。なぜ色が淡いかと言うと大麦の量を抑え、相対的にホップの量を増やしているから。大麦の色は茶色ですが、ホップの色は薄い黄緑色。この2色が混ざることで淡く美しい色合いを出してます。
「ペールエール」でも十分他の種類のビールに比べればホップの量は多いのですが、さらに大量のホップを加えているのが「IPA」です。
香りや味わいが違う
「ペールエール」はホップの量が多い分、下面発酵のビールに比べて華やかな香りと爽やかな苦みが特徴。「IPA」はさらにホップの量が多いため「ペールエール」よりも香りや苦みが強めです。特に苦みに関しては強烈なため、好きになる人と苦手な人がはっきり分かれるタイプのビールと言えます。
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