今回は「スペアミント」と「ペパーミント」の違いを見ていきます。どちらもよく見るハーブで、ガムや歯みがき粉のフレーバーとしても身近な存在です。日本ではミントを自分で買って使用する機会が少ないから、名前しか知らないやつも多いでしょうな。スペアミントとペパーミントは別の種類のミントで、大きく3つの違いがあるんです。この先はグルメ好き主婦ライターのスズキアユミと一緒に詳細を解説していきます。

ライター/スズキアユミ

食べることが大好きな主婦ライター。週に2回は外食を楽しみ、近隣のお店を開拓している。高級料理よりも庶民派の手軽なものが好み。

スペアミントとペパーミントの違いは3つ!

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スペアミントとペパーミントには大きく3つの違いがあり、好みや用途によって使い分けられています。世界で3,000種類もあるといわれるミントのうち、もっとも多く使用されるのがスペアミントとペパーミント。ミントの歴史は古く、17世紀ごろにはすでに使用されていました。

現在では、葉は料理・デザート・ハーブティ・ポプリなどに、精油はガム・歯みがき粉・化粧品・アロマテラピーなどに幅広く活用されています。身近なハーブであるスペアミントとペパーミントの3つの違いを具体的に確認していきましょう。

違い1.香り

1つ目の違いは香りです。スペアミントは優しい清涼感の中にほのかな甘さがあり、少しだけ植物の青くささを感じる香り。この香りは「l(エル)-カルボン」という成分によるもので、刺激が少なめでハーブらしい香りを生み出します。そのため、料理に加えたりソースを作ったりする場合は、スペアミントを使用することが大半です。

対するペパーミントの香りには、「l(エル)-メントール」という成分に由来するピリッと刺激的な清涼感があります。日本ではこの刺激が好まれ、歯みがき粉に採用されるフレーバーの多くがペパーミントです。

違い2.葉の形と質感

2つ目の違いは葉の形と質感です。スペアミントの葉は先がとがっており、全体的には丸みを帯びた形です。葉の周囲はギザギザとしていますが、1つ1つのギザギザの間隔が広く、鋭さはありません。葉の表面はマットな質感で、葉脈と葉脈の間が盛り上がってボコボコしています。

ペパーミントの葉先もスペアミントと同様にとがっていますが、全体的には丸みが少なく、直線的なイメージです。葉の周囲はギザギザしており、その間隔も狭いため、鋭利な印象を覚えます。葉には光沢があり、凹凸がないフラットな表面です。

違い3.効能

3つ目の違いは効能です。スペアミントは疲労回復・消化促進・消臭に効くといわれます。優しくて爽やかな香りは気分を和らげて疲労を回復させ、消化器の働きも活発にさせます。消臭スプレーとして使用しても効果的です。

ペパーミントはリフレッシュ・冷却・虫よけの効果があるといわれます。強い爽快感が気分をリフレッシュさせ、眠気覚ましとしても利用可能です。また体感温度を4℃も下げるといわれ、熱がこもって気分が悪いときにも活用できます。

ただし、嗅覚の優れたペットのいる家庭では使用時に配慮が必要。また精油が皮膚につくと湿疹・頭痛・不整脈といった副作用が現れる例も報告されています。体調に不安がある場合は、すぐに病院で相談しましょう。

\次のページで「スペアミントとペパーミントの名前の由来」を解説!/

スペアミントとペパーミントの名前の由来

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スペアミントとペパーミントの名前は、それぞれの形や香りから連想されたものです。葉や花の形を別のものに例えたり、香りを別の食品と関連づけたりして、非常に特徴を捉えた名づけになっています。1つずつ確認していきましょう。

スペアミント:槍(やり)のような形に由来

スペアミントの名前は葉や花の形から来ています。スペアミントの「スペア」は英語で「spear」と書き、槍(やり)を意味する言葉です。槍は長い持ち手の先に刀を取り付けた武器のこと。スペアミントの尖った葉先が槍の刃先に見えるのと同時に、花をつけた姿が槍全体の形に似ていることから名付けられました。

ペパーミント:ペッパー(胡椒)のような刺戟に由来

ペパーミントの名前は爽快な香りから来ています。ペパーミントの「ペパー」は英語で「pepper」と書き、スパイスの胡椒を意味する言葉。胡椒はピリッと刺激的で鼻に抜ける香りの持ち主ですから、ペパーミントは胡椒にも似た刺激的な香りを持つミントとして名付けられました。

スペアミントとペパーミントのお手軽レシピ

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スペアミントやペパーミントに興味を持っていただいた方のために、ミントの葉を使用した手軽なレシピを2つご紹介します。材料はスーパーですぐに購入できるものばかり。思い立ったときに気軽な気持ちで試してみてくださいね。

\次のページで「1.スペアミントのモヒート(ノンアルコール)」を解説!/

1.スペアミントのモヒート(ノンアルコール)

1つ目は「スペアミントのモヒート」です。モヒートといえば、ミントの爽やかな香りとライムのフレッシュな味わいが楽しめるカクテル。今回は誰でも飲みやすいノンアルコールタイプのレシピをご紹介します。

【材料】1杯分
・ライム…1個
・炭酸水…150ml
・飾り用のスペアミント…お好みの量
・氷…お好みの量
・★スペアミント…5g
・★砂糖…30g
・★水…100ml
・★レモンの皮…少々

【作り方】
1.ライムは1枚だけスライスし、残りは果汁を絞る。レモンの皮は千切りにする。
2.★の材料を鍋に入れて中火にかける。シロップ状にとろみがついてきたら火からおろしてザルでこす。
3.2の液のみ再度鍋に入れて中火で熱し、さらにとろみがついたら火からおろして冷ましておく。シロップの完成。
4,グラスに氷・ライム果汁・シロップ・炭酸水をお好みの割合で加え、飾り用のスペアミントを入れる。飾り用のライムを乗せて完成。

2.ペパーミントのシャーベット

2つ目は「スペアミントのシャーベット」。スペアミントの爽快な香りが冷たいシャーベットで際立つ一品です。

【材料】10人分
・水…500ml
・白ワイン…100ml
・砂糖…100g
・ペパーミント…1つかみ分

【作り方】
1.ペパーミント以外の材料を鍋に入れて火にかけ、沸騰したら火からおろしてよく冷やす。
2.ペパーミントの葉を細かいみじん切りにする。
3.1と2を混ぜて冷凍庫に入れ、8割程度まで凍ったらフォークでよく混ぜる。
4.再び冷凍庫で凍らせ、完全に凍ったらフォークで崩しながら混ぜる。
5.器に盛って完成。

スペアミントとペパーミントを使い分けてみよう

スペアミントとペパーミントには、「香り」・「葉の形と質感」・「効能」の3つに違いがありました。特に香りの違いが顕著なため、優しい爽快感を求める方はスペアミント、強い刺激を求める方はペパーミントをチョイスするといいですね。ミントの葉を使ったレシピもぜひトライしてみてください。生のミントを自分で買う機会は少ないかもしれませんが、一度手に取ってみれば、新たな楽しみが見つかることでしょう。

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「スペアミント」と「ペパーミント」の違いは3つ!名前の由来やお手軽レシピもグルメ好きライターが簡単にわかりやすく解説

今回は「スペアミント」と「ペパーミント」の違いを見ていきます。どちらもよく見るハーブで、ガムや歯みがき粉のフレーバーとしても身近な存在です。日本ではミントを自分で買って使用する機会が少ないから、名前しか知らないやつも多いでしょうな。スペアミントとペパーミントは別の種類のミントで、大きく3つの違いがあるんです。この先はグルメ好き主婦ライターのスズキアユミと一緒に詳細を解説していきます。

ライター/スズキアユミ

食べることが大好きな主婦ライター。週に2回は外食を楽しみ、近隣のお店を開拓している。高級料理よりも庶民派の手軽なものが好み。

スペアミントとペパーミントの違いは3つ!

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スペアミントとペパーミントには大きく3つの違いがあり、好みや用途によって使い分けられています。世界で3,000種類もあるといわれるミントのうち、もっとも多く使用されるのがスペアミントとペパーミント。ミントの歴史は古く、17世紀ごろにはすでに使用されていました。

現在では、葉は料理・デザート・ハーブティ・ポプリなどに、精油はガム・歯みがき粉・化粧品・アロマテラピーなどに幅広く活用されています。身近なハーブであるスペアミントとペパーミントの3つの違いを具体的に確認していきましょう。

違い1.香り

1つ目の違いは香りです。スペアミントは優しい清涼感の中にほのかな甘さがあり、少しだけ植物の青くささを感じる香り。この香りは「l(エル)-カルボン」という成分によるもので、刺激が少なめでハーブらしい香りを生み出します。そのため、料理に加えたりソースを作ったりする場合は、スペアミントを使用することが大半です。

対するペパーミントの香りには、「l(エル)-メントール」という成分に由来するピリッと刺激的な清涼感があります。日本ではこの刺激が好まれ、歯みがき粉に採用されるフレーバーの多くがペパーミントです。

違い2.葉の形と質感

2つ目の違いは葉の形と質感です。スペアミントの葉は先がとがっており、全体的には丸みを帯びた形です。葉の周囲はギザギザとしていますが、1つ1つのギザギザの間隔が広く、鋭さはありません。葉の表面はマットな質感で、葉脈と葉脈の間が盛り上がってボコボコしています。

ペパーミントの葉先もスペアミントと同様にとがっていますが、全体的には丸みが少なく、直線的なイメージです。葉の周囲はギザギザしており、その間隔も狭いため、鋭利な印象を覚えます。葉には光沢があり、凹凸がないフラットな表面です。

違い3.効能

3つ目の違いは効能です。スペアミントは疲労回復・消化促進・消臭に効くといわれます。優しくて爽やかな香りは気分を和らげて疲労を回復させ、消化器の働きも活発にさせます。消臭スプレーとして使用しても効果的です。

ペパーミントはリフレッシュ・冷却・虫よけの効果があるといわれます。強い爽快感が気分をリフレッシュさせ、眠気覚ましとしても利用可能です。また体感温度を4℃も下げるといわれ、熱がこもって気分が悪いときにも活用できます。

ただし、嗅覚の優れたペットのいる家庭では使用時に配慮が必要。また精油が皮膚につくと湿疹・頭痛・不整脈といった副作用が現れる例も報告されています。体調に不安がある場合は、すぐに病院で相談しましょう。

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