みんなは身内やお世話になった人の「命日」はちゃんと覚えているかな。家族や近しい親戚が亡くなった後は、その「命日」に合わせて行事があるよな。一周忌や三回忌、七回忌…などです。

ところで、その「命日」に関連して、「祥月命日(しょうつきめいにち)」と「月命日」という言葉がある。この3つの言葉の違い、みんなはちゃんと理解しているかな。

今回はそんな「祥月命日」と「月命日」、そして「命日」の違いを、言葉に詳しい院卒日本語教師の"むかいひろき"と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

まずは「命日」の意味を見ていこう!

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「祥月命日」と「月命日」の違いを考える前に、まずはどちらの言葉にも含まれている「命日」の意味を確認しておきましょう。2つの言葉の意味の違いを考える際に必要な前提となります。結論を先に言うと、「祥月命日」の意味も「月命日」の意味も含んでいるのが、この「命日」なのです

「命日」:故人が死んだ日に当たる、毎月・毎年のその日

では早速、「命日」の意味を辞書で確認していきましょう。国語辞典において「命日」は次のような意味が掲載されています。

故人の死んだ日に当たる、毎月または毎年のその日。忌日(きにち)。
「祥月(しょうつき)ー」

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「めい-にち【命日】」

「命日」は「故人が死んだ日に当たる、毎月・毎年のその日」という意味の言葉です。ここで注目していただきたいのが、「毎月のその日」も「命日」という意味に含まれるという点ですね。たとえば、4月5日に亡くなった人の場合、5月5日や6月5日もその人の「命日」に当たるのです。「命日」は年に1度ではないのですね。

\次のページで「「祥月命日」と「月命日」」を解説!/

「祥月命日」と「月命日」

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それでは前提となる「命日」の確認ができたところで、「祥月命日」と「月命日」の違いを確認していきましょう。「命日」の意味を細分化したものが、この「祥月命日」と「命日」にあたります。

「祥月命日」:故人が死んだ月日と同じ月日

まずは「祥月命日(しょうつきめいにち)」の方を確認していきましょう。「祥月」は「しょうつき」と読みます。「しょうげつ」や「しょうがつ」ではありません。「祥月命日」は国語系の辞典には次のような意味が掲載されています。

一周忌以後、死者が死んだ月日と同じ月日。

出典:大修館 四字熟語辞典(大修館書店)「しょうつき-めいにち【祥月命日】」

「祥月命日」は「故人が死んだ月日と同じ月日」という意味の言葉です。辞書には「一周忌以後」という記載がありますが、これは個人が亡くなってちょうど1年の日のことを指します。この死後ちょうど1年の日を含めて、毎年訪れる故人が亡くなった日と全く同じ月日の日が、「祥月命日」となるのです。

たとえば、2022年2月24日に亡くなった人の祥月命日は、2023年以降の毎年2月24日となります。つまり、年に1回だけ訪れる「命日」が「祥月命日」なのです

「月命日」:故人が死んだ日に当たる毎月のその日

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続いて「月命日」の方を確認していきましょう。勘のいい方はもうすでに気付いているかもしれませんね。「命日」の意味から「祥月命日」の意味を抜いたものが「月命日」の意味ですので…。「月命日」は国語系の辞典には次のような意味が掲載されています。

\次のページで「毎月あるのが「月命日」、年に1回なのが「祥月命日」」を解説!/

故人の死んだ日に当たる毎月のその日。祥月命日を除く。

出典:広辞苑 第七版(岩波書店)「つき-めいにち【月命日】」

「月命日」は「故人が死んだ日に当たる毎月のその日」という意味の言葉です。ポイントは”毎月”ですね。たとえば6月8日に亡くなった人の「月命日」は、毎月8日です。7月8日や11月8日は、その人の「月命日」となるわけですね。

1つ注意が必要なのは、「祥月命日」は「月命日」に含まれない点です。例えば、2022年6月8日に亡くなった人の場合、2023年5月8日は「月命日」ですが、2023年6月8日は「祥月命日」であり、「月命日」ではありません。つまり「祥月命日」を除き年に11回訪れるのが、「月命日」なのです。

毎月あるのが「月命日」、年に1回なのが「祥月命日」

今回は「祥月命日」と「月命日」の違いについて解説しました。「祥月命日」は毎年1回訪れる、故人の死んだ日と同じ月日の日を指します。一方の「月命日」は、「祥月命日」を除いた毎月の故人の死んだ日と同じ日を指すのです。年に1回なのが「祥月命日」、「祥月命日」を除き毎月あるのが「月命日」と覚えておくと良いでしょう。

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雑学

簡単に分かる「祥月命日」と「月命日」の違い!「命日」との違いを含め院卒日本語教師が分かりやすく解説

みんなは身内やお世話になった人の「命日」はちゃんと覚えているかな。家族や近しい親戚が亡くなった後は、その「命日」に合わせて行事があるよな。一周忌や三回忌、七回忌…などです。

ところで、その「命日」に関連して、「祥月命日(しょうつきめいにち)」と「月命日」という言葉がある。この3つの言葉の違い、みんなはちゃんと理解しているかな。

今回はそんな「祥月命日」と「月命日」、そして「命日」の違いを、言葉に詳しい院卒日本語教師の”むかいひろき”と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

まずは「命日」の意味を見ていこう!

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「祥月命日」と「月命日」の違いを考える前に、まずはどちらの言葉にも含まれている「命日」の意味を確認しておきましょう。2つの言葉の意味の違いを考える際に必要な前提となります。結論を先に言うと、「祥月命日」の意味も「月命日」の意味も含んでいるのが、この「命日」なのです

「命日」:故人が死んだ日に当たる、毎月・毎年のその日

では早速、「命日」の意味を辞書で確認していきましょう。国語辞典において「命日」は次のような意味が掲載されています。

故人の死んだ日に当たる、毎月または毎年のその日。忌日(きにち)。
「祥月(しょうつき)ー」

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「めい-にち【命日】」

「命日」は「故人が死んだ日に当たる、毎月・毎年のその日」という意味の言葉です。ここで注目していただきたいのが、「毎月のその日」も「命日」という意味に含まれるという点ですね。たとえば、4月5日に亡くなった人の場合、5月5日や6月5日もその人の「命日」に当たるのです。「命日」は年に1度ではないのですね。

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