この記事では「時間外労働」と「残業」の違いについてみていきます。どちらも定められた時間以上に仕事をすることを意味しているな。残業は時間外労働のなかの1つであるらしいのです。調べてみると所定労働時間や、法定労働時間、36協定など労働法や働き方に関する枠組みがさまざまあることが分かってきたぞ。今回はそんな「働く時間」の定義について政治学科卒ライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

工事会社勤務9年目現役OLライター。法学部政治学科を卒業。大学在学中は近代政治を中心に学んできた。自分の知らないルールのなかで、生きていくということに違和感を持ち、法律や政治制度について学びたいと思ったのが政治学科を選んだ理由。大学4年間での学びを活かしてわかりやすく解説していく。

残業は時間外労働のうちの1つ

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残業は時間外労働のうちの1つ。残業の他にも、早出や休日出勤なども時間外労働にあたりますね。時間外労働について理解するために、まずは「法定労働時間」と「所定労働時間」について整理していきましょう。

法定労働時間とは、労働基準法で定められた労働時間のことで原則として1日8時間,、週40時間所定労働時間は、法定労働時間内で企業が定めた労働時間のことです。ここからくわしくみていきましょう。

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法定外労働:労働基準法で定められた時間を超えての労働

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法定労働時間とは、労働基準法に定められた労働時間の上限のこと。原則として1日8時間、1週間40時間と定められています。また休日についても、労働基準第35条によって労働者へは最低でも1週間に1度、または4週間に4回「休日」を取得させることを求められているんだそう。

所定外労働:企業が定めた労働時間を超えての労働

所定労働時間とは会社が定めた労働時間のこと。始業時間から就業時間までの時間から休憩時間を除いた時間のことです。例えば、始業時間8時、就業時間17時、休憩時間12~13時間の場合は、8時間が企業の定めた所定労働時間になりますね。

所定労働時間は、基本的に法定労働時間を超えて設定することはできませんが、36協定によって法定労働時間と法定休日に関する協定が結ばれることもあります。

労働基準法と36協定

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36協定とは労働基準法第36条に定められている「労使協定」のことをいいます。「サブロク協定」と呼ばれていますね。企業が雇用者に対して、法定時間外を超えての労働をお願いするために結ぶ取り決めのことをいいますね。ここからくわしくみていきましょう。

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36協定とは?

36協定とは労働基準法第36条に定められた労使協定のことで、法定労働時間を超えて雇用者が労働者へ労働を命じる場合に必要になってくる取り決めのことです。労働基準法における時間外労働の上限は、月45時間、年360時間と定められています。

この上限を超える必要が出てきたときは「特別条項付き36協定」を締結することができますが、この場合でも年720時間以内、2~6ヵ月の時間外労働および休日労働が平均80時間以内、単月の時間外労働および休日労働が100時間未満、と定めされているので注意が必要です。

36協定を結ぶ方法と36協定を結べない労働者

「36協定」は、労働者の過半数で組織される労働組合または労働者の過半数の代表者が書面で取り決め、労働基準局監督署長に届出をすることで結ばれます。ちなみに労働基準監督署とは厚生労働省管轄下の組織のこと。

また、36協定を締結することのできない労働者もいるので留意が必要です。具体的には18歳未満の年少者や、育児や介護をしている労働者妊産婦管理監督者などが挙げられますね。

時間外労働と残業を正しく理解して、適切な労働を心がけよう!

日本では「過労」が社会問題になることがありますね。ブラック企業という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。働きすぎで心身が消耗してしまうことを「過労」といい、その過労が原因となり死にいたることを「過労死」といいます。日本政府も「過労」に対する対策として、労働基準法の改正や各種法令の改正、新しい法律の制定などを行ってきました。

それでもまだまだ道半ばで「過労」の問題や「過労死」の問題はいまだに大きな課題です。「時間外労働」や「残業」についてのこれからの政治的な流れや企業の変革にも注目していきたいですね。しっかりと自分ごとに置き換えて、正しく「時間外労働」や「残業」を理解し、適切な労働を心がけていきましょう。

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簡単でわかりやすい!時間外労働と残業の違いとは?所定外労働や法定時間外、36協定も政治学科卒ライターがくわしく解説

この記事では「時間外労働」と「残業」の違いについてみていきます。どちらも定められた時間以上に仕事をすることを意味しているな。残業は時間外労働のなかの1つであるらしいのです。調べてみると所定労働時間や、法定労働時間、36協定など労働法や働き方に関する枠組みがさまざまあることが分かってきたぞ。今回はそんな「働く時間」の定義について政治学科卒ライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

工事会社勤務9年目現役OLライター。法学部政治学科を卒業。大学在学中は近代政治を中心に学んできた。自分の知らないルールのなかで、生きていくということに違和感を持ち、法律や政治制度について学びたいと思ったのが政治学科を選んだ理由。大学4年間での学びを活かしてわかりやすく解説していく。

残業は時間外労働のうちの1つ

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残業は時間外労働のうちの1つ。残業の他にも、早出や休日出勤なども時間外労働にあたりますね。時間外労働について理解するために、まずは「法定労働時間」と「所定労働時間」について整理していきましょう。

法定労働時間とは、労働基準法で定められた労働時間のことで原則として1日8時間,、週40時間所定労働時間は、法定労働時間内で企業が定めた労働時間のことです。ここからくわしくみていきましょう。

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