冬のスポーツとして人気があるフィギュアスケート。スケート靴で滑りながらこんなことができるのか、とその演技力や高度な技には驚かされるな。男子シングル、女子シングルはわかりやすいが、ペアとアイスダンスの違いを知っているでしょうか。今回はペアとアイスダンスについてプログラムや技、音楽の違い、フィギュアスケートの主要な国際大会についても雑学大好き図書館司書のひろみと一緒に解説していきます。

ライター/ひろみ

図書館司書として勤務18年目の主婦ライター。利用者から寄せられるさまざまな疑問に答えるため、日々尽力している。

ペアとアイスダンスの違い1.プログラム構成

image by iStockphoto

どちらも男女が組になって演技しているため同じように見えますが、実はまったく違う競技です。ペアとアイスダンスはそもそも求められているものが違うため、プログラム構成も異なっています。順にみていきましょう。

ペア:ショートプログラムとフリースケーティング

ペアの正式な種目名はペアスケーティングです。ペアのプログラムは、男女シングルと同様にショートプログラムとフリースケーティングで構成されています。ショートプログラムは2分40秒の演技時間内に、リフト、ジャンプ、スピンなど7つの決められた技を入れて滑るプログラムです。フリースケーティングは最大12個の技を組み込んで、4分間演技します。

アイスダンス:リズムダンスとフリーダンス

「氷上の社交ダンス」と呼ばれ、欧米では人気が高いアイスダンス。派手な難しい技をこなすことより、2人が調和して曲の世界観を表現することが重視される種目です。

シーズンごとに指定されるリズムとテンポに合わせて規定のステップ・パターンで滑り、技を取り入れて2分50秒演技するリズムダンス。自由なリズムにのせて、リフトやスピンなど必要な技をこなしながら4分間滑るフリーダンス。これら2つのプログラムで構成されています。

2009シーズンまでアイスダンスのプログラムは、コンパルソリーダンス・オリジナルダンス・フリーダンスの3つで構成されていました。コンパルソリーダンスは規定演技とも呼ばれ、全組が決められた曲、同じステップ・パターンで滑るプログラム。

2010シーズンにコンパルソリーダンスとオリジナルダンスを合わせたショートダンスというプログラムが作られ、2018シーズンに現在のリズムダンスという名称に変更されました。

\次のページで「ペアとアイスダンスの違い2.ジャンプの有無」を解説!/

ペアとアイスダンスの違い2.ジャンプの有無

image by iStockphoto

フィギュアスケートの醍醐味のひとつがジャンプですね。シングルではその回転数に注目が集まりますが、ペアやアイスダンスにもジャンプはあるのでしょうか。ふたりで一緒に滑るからこそできるリフトについても、あわせてみていきましょう

ペア:ジャンプあり

ペアはフィギュアスケートの中で「最もダイナミックでアクロバティックな種目」と言われています。男性が女性を空中に投げ上げてジャンプさせる「スロージャンプ」は大変迫力のあるペア特有の技です

ペアの「リフト」には大きく2種類あります。ひとつは男性が女性を頭より高く持ち上げる「リフト」。もうひとつは、男性が、踏み切った女性の腰をもって空中に投げて回転させ、そのまま女性を受け止める「ツイストリフト」です。どちらも非常に危険をともなう技ですが、それを感じさせない演者の表情も見どころですね。

アイスダンス:ジャンプなし

アイスダンスには「一定時間以上、男女が距離をとって演技してはいけない」「腕2本分以上離れてはいけない」というきまりがあります。そのため、アイスダンスはジャンプの要素を必要としません。むしろ、1回転半以上のジャンプは禁止されています。

アイスダンスのリフトは、男性の頭より上に女性を持ち上げることは基本的にありません。力をそれほど必要としないので女性が男性を持ちあげることもあるのが、アイスダンスのリフトの特徴です。

ペアとアイスダンスの違い3.演技中の音楽

image by iStockphoto

フィギュアスケートには必要不可欠な音楽。演技の構成に合わせた曲の編集も重要なポイントです。使用する音楽は表現したい世界観に合ったものを選手がこだわって選んでいますが、ペアとアイスダンスでは選択できる曲に違いがあります

ペア:好きなものを選べる

ペアではショートプログラム、フリースケーティングどちらも使用する曲を自由に選択できます。2013年シーズンまでは、男女シングルやペアの種目において歌入りの曲は減点対象でしたが、2014年シーズンより使えるようになりました。クラシックやジャズ、映画音楽などさまざまなジャンルから選ばれています。

アイスダンス:指定されたテーマとリズムに合わせて選ぶ

アイスダンスでは2014年以前から歌入りの曲の使用が認められていますが、プログラムで使う曲には制約があります。リズムダンスで使う曲は、国際スケート連盟がシーズンごとに指定するテーマ、リズム、テンポに合ったものを選ばなければなりません。フリーダンスの曲も、リズムとビートをともなうものと決められており、メロディのみの音楽は使用不可とされています。

\次のページで「フィギュアスケートの主要国際競技会」を解説!/

フィギュアスケートの主要国際競技会

冬のスポーツであるフィギュアスケートのシーズンは毎年9月頃から3月頃。シーズンを通して国内外でさまざまな大会が開催されます。その中でも特に重要な国際大会とされているのが、オリンピック、グランプリファイナル、世界選手権をはじめとするチャンピオンシップ大会です。

オリンピックは4年に1回、チャンピオンシップ大会とグランプリファイナルは毎年1回行われます。グランプリファイナルはシーズン中に世界6カ所で開かれるグランプリシリーズの成績上位者のみが出場できる大会です。これらの大会での順位により世界ランキングが決まります

ペアやアイスダンスにも注目しよう

フィギュアスケートといえば男女シングルが取り上げられることが多いですが、くわしく知るとペアやアイスダンスも非常に見ごたえのある種目だとわかりますね。シーズンが始まればテレビ放送もあるので、ペアやアイスダンスにもぜひ注目してみてください。機会があれば、競技会やアイスショーに足を運んで生観戦するのもいいですね。選手が氷上をなめらかに滑る音やジャンプ着氷時の衝撃音など、現地でしか味わえない迫力を体感できますよ。

" /> 簡単でわかりやすい!ペアとアイスダンスの違いとは?プログラムや技の違い、フィギュアスケートの国際大会も雑学大好き図書館司書が詳しく解説 – Study-Z
雑学

簡単でわかりやすい!ペアとアイスダンスの違いとは?プログラムや技の違い、フィギュアスケートの国際大会も雑学大好き図書館司書が詳しく解説

冬のスポーツとして人気があるフィギュアスケート。スケート靴で滑りながらこんなことができるのか、とその演技力や高度な技には驚かされるな。男子シングル、女子シングルはわかりやすいが、ペアとアイスダンスの違いを知っているでしょうか。今回はペアとアイスダンスについてプログラムや技、音楽の違い、フィギュアスケートの主要な国際大会についても雑学大好き図書館司書のひろみと一緒に解説していきます。

ライター/ひろみ

図書館司書として勤務18年目の主婦ライター。利用者から寄せられるさまざまな疑問に答えるため、日々尽力している。

ペアとアイスダンスの違い1.プログラム構成

image by iStockphoto

どちらも男女が組になって演技しているため同じように見えますが、実はまったく違う競技です。ペアとアイスダンスはそもそも求められているものが違うため、プログラム構成も異なっています。順にみていきましょう。

ペア:ショートプログラムとフリースケーティング

ペアの正式な種目名はペアスケーティングです。ペアのプログラムは、男女シングルと同様にショートプログラムとフリースケーティングで構成されています。ショートプログラムは2分40秒の演技時間内に、リフト、ジャンプ、スピンなど7つの決められた技を入れて滑るプログラムです。フリースケーティングは最大12個の技を組み込んで、4分間演技します。

アイスダンス:リズムダンスとフリーダンス

「氷上の社交ダンス」と呼ばれ、欧米では人気が高いアイスダンス。派手な難しい技をこなすことより、2人が調和して曲の世界観を表現することが重視される種目です。

シーズンごとに指定されるリズムとテンポに合わせて規定のステップ・パターンで滑り、技を取り入れて2分50秒演技するリズムダンス。自由なリズムにのせて、リフトやスピンなど必要な技をこなしながら4分間滑るフリーダンス。これら2つのプログラムで構成されています。

2009シーズンまでアイスダンスのプログラムは、コンパルソリーダンス・オリジナルダンス・フリーダンスの3つで構成されていました。コンパルソリーダンスは規定演技とも呼ばれ、全組が決められた曲、同じステップ・パターンで滑るプログラム。

2010シーズンにコンパルソリーダンスとオリジナルダンスを合わせたショートダンスというプログラムが作られ、2018シーズンに現在のリズムダンスという名称に変更されました。

\次のページで「ペアとアイスダンスの違い2.ジャンプの有無」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: