ドラッグストアで見かけるキズパワーパッドなどの商品は、従来の絆創膏とどう違うのか疑問に思ったことはないか?そもそも怪我をした時の傷口の手当の仕方も昔とは違うようです。
ハイドロコロイドとキズパワーパッドの違いや使い方等、看護師の近野チカと一緒に解説していきます。

ライター/近野チカ

看護師でWebライター。検索マニアで気になったことは調べないと気が済まない。ハイドロコロイド=デュオアクティブというくらい、褥瘡(床ずれ)処置に使った経験多し。

ハイドロコロイドとキズパワーパッドの違いとは

ドラッグストアなどの店頭には絆創膏と並んでハイドロコロイド、キズパワーパッドという商品がありますが、絆創膏とは素材が異なるのはなぜでしょうか。

傷口は消毒しない、乾かさないのが常識に

image by iStockphoto

ハイドロコロイドとは何かを説明する前に、まず湿潤療法について説明します。昔は「傷口は洗って消毒し、ガーゼを当てて乾燥させる」が常識でした。病院でも毎日ガーゼ交換と傷口の消毒を行っており、家庭でもヨードチンキなどの商品名の消毒薬が常備されていました。

現在は消毒をせず、湿潤状態を保つ湿潤療法が主流です。消毒によって傷を治そうとする細胞を殺してしまうので、傷口の洗浄はしても消毒は行いません。傷口からしみ出す体液をドレッシング剤で閉じ込めて湿潤環境を保った方が、体液に含まれる上皮細胞(表皮になる細胞)が自由に動き回って滑らかな皮膚を早く再生するため、従来より短期間で治り、傷跡が残りにくくなります。

ハイドロコロイドは疎水性ポリマーと親水性ポリマーでできている

近代的な創傷被覆材は、創傷部位を湿潤状態に保ち治癒に適した環境に整える。そのひとつ、ハイドロコロイドの包帯は適宜カットして用いることができる。
タバコはマーダー - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

ハイドロコロイドとは、皮膚にぴったり密着するための粘着剤である疎水性ポリマーと、水分を吸収し保護する親水性ポリマーであるハイドロコロイド粒子でできており、医療現場でも使用される素材です。ハイドロコロイド粒子によって傷口からしみ出てくる体液を吸収し、ゲル状になることで傷口を保護します。

キズパワーパッドとはハイドロコロイド素材を使った家庭向けの商品

JohnsonJohnson HQ building.jpg
user:ekem - English wikipedia, パブリック・ドメイン, リンクによる

キズパワーパッドは、ジョンソン・エンド・ジョンソンがハイドロコロイド素材を使用した絆創膏を製品化し、家庭用に販売している商品です。表面が完全防水になっており、指先やひじ、ひざ用など様々なサイズが販売されています。

\次のページで「ハイドロコロイド製剤の効果や使い方を詳しく解説」を解説!/

ハイドロコロイド製剤の効果や使い方を詳しく解説

ハイドロコロイド素材が使われているキズパワーパッド。どんな効果があるのか、どんな傷でも対応可能なのか詳しくみていきましょう。

キズパワーパッドの効果、使い方

従来の絆創膏だと、傷口に空気が触れて刺激されるために痛みが生じ、かさぶたができて傷跡が残りやすく、治りも遅かったのですが、キズパワーパッドに使用されているハイドロコロイド素材によってそれらが解消されました。

消毒の必要はありませんが、キズパワーパッドを貼る前に傷口をしっかり水道水で洗浄しましょう。洗浄が不十分だと感染を起こして悪化する恐れがあります。水道水だけでなく、石鹸をよく泡立てて、その泡で優しく洗うのもおすすめです。

洗浄後、そっと水気を拭き取り、傷口よりひとまわり大きいサイズのキズパワーパッドを貼ります。公式ホームページによると、交換の目安としては3日に1度です。傷口に発赤などの異常がないか確認して貼り替えましょう。剥がれてしまった場合もその都度貼り替えます。

使ってはいけない傷とは

キズパワーパッドはどんな傷でも使えるわけではなく、病院受診をした方が良い傷もあるので注意が必要です。

・深い切り傷、すり傷
・広い範囲の傷
・家具などにぶつけてできたギザギザの傷
・ガラスや釘などが刺さった傷
・砂などの異物が入った傷
・動物に噛まれた傷
・重度のやけど
・キズパワーパッドから漏れるほど浸出液が多い傷
・発赤や痛み、膿などの感染兆候がある傷など

ハイドロコロイドは医療現場でも使われる素材で、キズパワーパッドは家庭向けのハイドロコロイド製品

ハイドロコロイドは医療現場でも使われる素材で、皮膚にぴったり密着する疎水性ポリマーと、水分を吸収し保護するハイドロコロイド粒子(親水性ポリマー)とでできています。キズパワーパッドは、ジョンソン・エンド・ジョンソンがハイドロコロイド素材を使用した絆創膏を製品化し、家庭用に販売している商品です。

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雑学

簡単でわかりやすい!ハイドロコロイドとキズパワーパッド の違いとは?効果や使い方を看護師が詳しく解説

ドラッグストアで見かけるキズパワーパッドなどの商品は、従来の絆創膏とどう違うのか疑問に思ったことはないか?そもそも怪我をした時の傷口の手当の仕方も昔とは違うようです。
ハイドロコロイドとキズパワーパッドの違いや使い方等、看護師の近野チカと一緒に解説していきます。

ライター/近野チカ

看護師でWebライター。検索マニアで気になったことは調べないと気が済まない。ハイドロコロイド=デュオアクティブというくらい、褥瘡(床ずれ)処置に使った経験多し。

ハイドロコロイドとキズパワーパッドの違いとは

ドラッグストアなどの店頭には絆創膏と並んでハイドロコロイド、キズパワーパッドという商品がありますが、絆創膏とは素材が異なるのはなぜでしょうか。

傷口は消毒しない、乾かさないのが常識に

image by iStockphoto

ハイドロコロイドとは何かを説明する前に、まず湿潤療法について説明します。昔は「傷口は洗って消毒し、ガーゼを当てて乾燥させる」が常識でした。病院でも毎日ガーゼ交換と傷口の消毒を行っており、家庭でもヨードチンキなどの商品名の消毒薬が常備されていました。

現在は消毒をせず、湿潤状態を保つ湿潤療法が主流です。消毒によって傷を治そうとする細胞を殺してしまうので、傷口の洗浄はしても消毒は行いません。傷口からしみ出す体液をドレッシング剤で閉じ込めて湿潤環境を保った方が、体液に含まれる上皮細胞(表皮になる細胞)が自由に動き回って滑らかな皮膚を早く再生するため、従来より短期間で治り、傷跡が残りにくくなります。

ハイドロコロイドは疎水性ポリマーと親水性ポリマーでできている

近代的な創傷被覆材は、創傷部位を湿潤状態に保ち治癒に適した環境に整える。そのひとつ、ハイドロコロイドの包帯は適宜カットして用いることができる。
タバコはマーダー投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

ハイドロコロイドとは、皮膚にぴったり密着するための粘着剤である疎水性ポリマーと、水分を吸収し保護する親水性ポリマーであるハイドロコロイド粒子でできており、医療現場でも使用される素材です。ハイドロコロイド粒子によって傷口からしみ出てくる体液を吸収し、ゲル状になることで傷口を保護します。

キズパワーパッドとはハイドロコロイド素材を使った家庭向けの商品

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キズパワーパッドは、ジョンソン・エンド・ジョンソンがハイドロコロイド素材を使用した絆創膏を製品化し、家庭用に販売している商品です。表面が完全防水になっており、指先やひじ、ひざ用など様々なサイズが販売されています。

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