
たぬき:天かすをのせた蕎麦やうどん
たぬき蕎麦やたぬきうどんは天かすトッピングの蕎麦やうどんのこと。このように表現されるようになった背景は諸説ありますが、いくつか紹介すると、まず、天かすは天ぷらの「種抜き」→「たねぬき」→「たぬき」となった説。
ほかにも油揚げをのせた蕎麦やうどんを「きつね蕎麦・うどん」と表現することに対する類義語あるいは対義語として使用されるようになった説などがありました。
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きつね:油揚げをのせた蕎麦やうどん
きつね蕎麦やきつねうどんは油揚げトッピングの蕎麦やうどんのこと。油揚げはきつねの好物だといわれていますね。しかし実際にきつねが好んで油揚げを食べていたとうことではないのだそう。きつねといえば油揚げというイメージが生まれた背景には「きつねが農作物を荒らすねずみの天敵であった」という稲荷信仰にみたきつねの性質がありました。
一説によると、ねずみを追い払ってくれる狐に感謝を示すように、人々はきつねの巣穴の前に揚げたねずみをお供えしていたんだとか。時が流れるにつれ、ねずみであっても殺生をすることを悪だという風習がひろがり、代替品として油揚げを供えるようになったといわれています。
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日本でも馴染み深い「たぬき」と「きつね」の違いを理解しよう!
「たぬき」と「きつね」は日本でも馴染みの深い動物たちです。実際に、狸の皮を売買していたり、狐を「五穀豊穣」の神の使いとして崇めたり、人間の生活に溶け込んだ存在だったのでしょう。そして、このような歴史的に人間生活と密接にかかわってきた「たぬき」と「きつね」は、ときに人間を騙す存在だとも考えられるようになりました。
今でも、人間に化けて人間と密接に生きていると考えられることも。ジブリ映画「平成狸合戦ぽんぽこ」など、この慣習をテーマに映画を作成されるほどには浸透している説になりますね。「もしかしたら、あなたの周りにいる誰かは……」なんて、思いを膨らませてみるのも楽しいかもしれません。