この記事ではたぬきときつねの違いについてみていきます。どちらも動物の種類です。日本の神話や言い伝えでは人を化かすといったイメージを持たれる動物でもあるぞ。その他にも蕎麦やうどんのトッピングとしても知られているでしょう。今回はそんなたぬきときつねの違いについて雑学好き文系OLライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

工事会社勤務9年目。心に浮かんだもやもやを言語化することでストレス発散をはかる現役OLライター。読書が趣味で、日々様々な言葉に触れている。最近は、言葉の持つ意味を理解して文章をより豊かに読み進めていく丁寧な読書を心がけている。

「たぬき」と「きつね」動物としての特徴

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たぬきときつねは動物としての種類が違い、簡単に説明するとたぬきは哺乳網(ほにゅうこう)食肉目(しょくにくもく)イヌ科タヌキ属、きつねは哺乳網食肉目イヌ科イヌ亜科キツネ属に分類されています。まずは、生息地や体長、体重などの特徴をまとめていきましょう。

たぬき:哺乳網食肉目イヌ科タヌキ属

たぬきは哺乳網食目属イヌ科タヌキ属に分類されます。脊椎動物で捕食種ということです。日本では馴染の深い動物になりますが、日本の他には中国東部や朝鮮半島、シベリアなどの森林地帯や平地、山地に生息しているといわれていますね。

体長は50~70cm、尻尾の長さは13~25cm、体重は4~6kgがたぬきの平均的なサイズ。イヌ科になりますが、体型は犬よりもずんぐりとした印象。尻尾が太く耳が小さいというのも外見的な特徴。雑食動物で、前足に5本、後ろ足に4本の指があり毛色は褐色で長め。夜行性の種が多くつがいや数頭の家族で行動する習性があるんだそう。

きつね:哺乳網食肉目イヌ科イヌ亜科キツネ属

きつねは哺乳網食肉目イヌ科イヌ亜科キツネ属に分類され、たぬき同様日本では馴染の深い脊椎動物で捕食種になりますね。北半球に幅広く分布し、森林地帯や草原などに生息しているといわれています。

体長は50~90cm、尻尾の長さは35~60cm、体重は5~10kgがきつねの平均的なサイズ。体が長く、三角の耳をもち鼻先が細長く伸びているのが体型的な特徴。きつねも雑食動物。縄張り内で単独で行動し昼夜問わず特に早朝や夕方に活動するんだそう。

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「狸」と「狐」それぞれを使った言葉やことわざ

「狸」や「狐」は日本から古く馴染のある動物であるため、例えやことわざなど古くから伝わる「言葉」にも用いられています。いくつか例をあげて、言葉の意味や由来についてまとめていきましょう。

「狸」を使った言葉やことわざ

童話や昔話に登場する「狸」は、人を化かす存在として描かれることが多々ありますが、一説にはそれは狸の習性に由来するものだと考えられているんだそう。狸は非常に臆病な動物で、猟銃の発砲音に驚いて気絶してしまうほどなんだとか。その気絶する姿がまるで「死んだふり」をしているようで人を騙す動物といったイメージがもたれるようになったんだそう。

また、「狸」を使用した言葉やことわざをみていくと、古くから日本人の生活の一部として存在していたことが分かります。いくつか例をあげてみましょう。

・都合が悪くなると、毎度のように父は狸寝入りをする。
・そんなに根も葉もない空想にふけって、獲らぬ狸の皮算用だ。
・この狸親父め!

「狸寝入り」は眠っているふりをすること。「獲らぬ狸の皮算用」は、手に入っていない利益をあてにして計画を立てることをさしています。また、「狸親父」は狸のようにふくよかで、なおかつ腹黒くずる賢い人を揶揄する表現で、徳川家康のあだ名としても知られていますね。「狸寝入り」や「狸親父」は、狸の臆病な性格が語源となっているのでしょう。

「獲らぬ狸の皮算用」という言葉の由来には、その昔、狸の毛皮が防寒着として売買されていたことが背景にあるんだそう。昔から人間の生活の近くに「狸」の存在があったことが分かりますね。

「狐」を使った言葉やことわざ

童話や昔話に登場する「狐」についても、人を化かす存在として描かれることが多々ありますね。また、お稲荷さんをはじめ神格化されている一面もあります。

狐が神格化された背景には、「稲荷神社」のイメージが強いのではないでしょうか。稲荷神社は穀物の神である「宇迦之御魂神(うかのたまのみ)」を祀つっているんだそう。いくつか説があるのですが、狐は食物を荒らすねずみの天敵であるため「五穀豊穣」の神の使いだと考えられているという説も。ここから「狐」を使った例文を挙げてみましょう。

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・晴れているのに雨が降ってきた!狐の嫁入りだね。
・私の話を聞いて、彼は狐につままれたような顔をしていた。
・彼のあの立ち回りは、虎の威を借る狐だな。

「狐の嫁入り」とは、晴れているにも関わらず雨が降っている様子。「狐につままれる」は意外なことが起こり、訳が分からなくなり呆然とする様子を表しています。「虎の威を借る狐」は権力を持つものの威勢を借りて威張る者をさす言葉。

「狐の嫁入り」は不可思議な天気の様子から、人を化かす狐が由来となっている言葉。また、「狐につままれる」も化かす狐が語源になっていそうですね。「虎の威を借る狐」の語源は賢い狐のさまを表している言葉だといえそうです。

たぬきときつね:蕎麦やうどんのトッピング

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たぬきときつねといえば、蕎麦やうどんのトッピングをイメージされる方も多いのでしょうか?また、実は関東と関西で違いがあることをご存じでしたか?ここからは「たぬき蕎麦・たぬきうどん」や「きつね蕎麦・きつねうどん」と呼ばれる由来や地域性についてみていきましょう。

\次のページで「たぬき:天かすをのせた蕎麦やうどん」を解説!/

たぬき:天かすをのせた蕎麦やうどん

たぬき蕎麦やたぬきうどんは天かすトッピングの蕎麦やうどんのこと。このように表現されるようになった背景は諸説ありますが、いくつか紹介すると、まず、天かすは天ぷらの「種抜き」→「たねぬき」→「たぬき」となった説。

ほかにも油揚げをのせた蕎麦やうどんを「きつね蕎麦・うどん」と表現することに対する類義語あるいは対義語として使用されるようになった説などがありました。

きつね:油揚げをのせた蕎麦やうどん

きつね蕎麦やきつねうどんは油揚げトッピングの蕎麦やうどんのこと。油揚げはきつねの好物だといわれていますね。しかし実際にきつねが好んで油揚げを食べていたとうことではないのだそう。きつねといえば油揚げというイメージが生まれた背景には「きつねが農作物を荒らすねずみの天敵であった」という稲荷信仰にみたきつねの性質がありました。

一説によると、ねずみを追い払ってくれる狐に感謝を示すように、人々はきつねの巣穴の前に揚げたねずみをお供えしていたんだとか。時が流れるにつれ、ねずみであっても殺生をすることを悪だという風習がひろがり、代替品として油揚げを供えるようになったといわれています。

日本でも馴染み深い「たぬき」と「きつね」の違いを理解しよう!

「たぬき」と「きつね」は日本でも馴染みの深い動物たちです。実際に、狸の皮を売買していたり、狐を「五穀豊穣」の神の使いとして崇めたり、人間の生活に溶け込んだ存在だったのでしょう。そして、このような歴史的に人間生活と密接にかかわってきた「たぬき」と「きつね」は、ときに人間を騙す存在だとも考えられるようになりました。

今でも、人間に化けて人間と密接に生きていると考えられることも。ジブリ映画「平成狸合戦ぽんぽこ」など、この慣習をテーマに映画を作成されるほどには浸透している説になりますね。「もしかしたら、あなたの周りにいる誰かは……」なんて、思いを膨らませてみるのも楽しいかもしれません。

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生き物・植物言葉雑学

簡単でわかりやすい!たぬきときつねの違いとは?「狸」や「狐」を使ったことわざや例文も雑学好き文系OLライターがくわしく解説

この記事ではたぬきときつねの違いについてみていきます。どちらも動物の種類です。日本の神話や言い伝えでは人を化かすといったイメージを持たれる動物でもあるぞ。その他にも蕎麦やうどんのトッピングとしても知られているでしょう。今回はそんなたぬきときつねの違いについて雑学好き文系OLライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

工事会社勤務9年目。心に浮かんだもやもやを言語化することでストレス発散をはかる現役OLライター。読書が趣味で、日々様々な言葉に触れている。最近は、言葉の持つ意味を理解して文章をより豊かに読み進めていく丁寧な読書を心がけている。

「たぬき」と「きつね」動物としての特徴

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たぬきときつねは動物としての種類が違い、簡単に説明するとたぬきは哺乳網(ほにゅうこう)食肉目(しょくにくもく)イヌ科タヌキ属、きつねは哺乳網食肉目イヌ科イヌ亜科キツネ属に分類されています。まずは、生息地や体長、体重などの特徴をまとめていきましょう。

たぬき:哺乳網食肉目イヌ科タヌキ属

たぬきは哺乳網食目属イヌ科タヌキ属に分類されます。脊椎動物で捕食種ということです。日本では馴染の深い動物になりますが、日本の他には中国東部や朝鮮半島、シベリアなどの森林地帯や平地、山地に生息しているといわれていますね。

体長は50~70cm、尻尾の長さは13~25cm、体重は4~6kgがたぬきの平均的なサイズ。イヌ科になりますが、体型は犬よりもずんぐりとした印象。尻尾が太く耳が小さいというのも外見的な特徴。雑食動物で、前足に5本、後ろ足に4本の指があり毛色は褐色で長め。夜行性の種が多くつがいや数頭の家族で行動する習性があるんだそう。

きつね:哺乳網食肉目イヌ科イヌ亜科キツネ属

きつねは哺乳網食肉目イヌ科イヌ亜科キツネ属に分類され、たぬき同様日本では馴染の深い脊椎動物で捕食種になりますね。北半球に幅広く分布し、森林地帯や草原などに生息しているといわれています。

体長は50~90cm、尻尾の長さは35~60cm、体重は5~10kgがきつねの平均的なサイズ。体が長く、三角の耳をもち鼻先が細長く伸びているのが体型的な特徴。きつねも雑食動物。縄張り内で単独で行動し昼夜問わず特に早朝や夕方に活動するんだそう。

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