この記事では日商簿記と全商簿記の違いについてみていきます。同じ簿記の資格なのにどちらを目指して勉強をしたらいいのか分からなくなるよな。他にも全経簿記という別の資格もあるみたいです。今回はそんなちょっとややこしい簿記資格の種類とそれぞれの違いについて、FPでWebライターのちょびと一緒に解説していきます。

ライター/ちょび

ビジネス書が大好きな読書家Webライター。FPの資格やAWSの資格を取得し、金融知識やITについての情報を発信している。

日商簿記と全商簿記の違いとは?

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日商簿記と全商簿記は、両方とも簿記に関する資格ですが、その内容や学習する範囲が異なります。では、日商簿記と全商簿記がどのように違うのか見ていきましょう。

日商簿記:実務向けの資格

日商簿記は、日本商工会議所が主催する資格試験です。ビジネスにおける簿記実務能力を認定することを目的としており、企業において簿記を扱う仕事をする人にとっては非常に重要な資格となっています。

日商簿記の知識には税務申告や決算書作成などの実務的な内容が多いので、日商簿記を学習すると現場ですぐに活用できるスキルが身につくというのが特徴です。

全商簿記:学校教育の一環

全商簿記は、商業高校などでの簿記教育において卒業・修了の資格として認められる資格です。日商簿記と比べると基礎的な内容を中心に、学校教育の一環として取得することがあります。

全商簿記の分野には実務的な内容も含まれてくるので、簿記について幅広く学びたいという方にもおすすめです。また、実務的な内容を含むので就職後に経理の即戦力になり得ます。

全経簿記との違いは?

日商簿記と全商簿記に似た名前で、全経簿記というものがあります。全経簿記は、全国経理教育振興協会が主催する資格試験です。日商簿記や全商簿記と比較すると、試験内容がより高度な内容が中心であり、企業の財務諸表や税務申告に関する知識が求められる問題が多くあります。

しかし全商簿記の試験では、実務的な問題が少なく、理論的な内容が多いというのが特徴です。全経簿記は、日商簿記や全商簿記を経験して、さらに簿記に関する高度な知識を身につけたいという方におすすめの資格になります。

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日商簿記と全商簿記の取得方法は?

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日商簿記と全商簿記は、簿記に関する資格であり、それぞれの取得方法についても異なります。ここではそれぞれの簿記資格の取得方法を見ていきましょう。

日商簿記の取得方法

日商簿記を取得するために、まずは試験に申し込む必要があります。日商簿記資格は日本商工会議所が主催する試験であるため、受験の申し込みは日本商工会議所のWebサイトから行いましょう。

日商簿記の試験には会場開催ネット開催があり、会場開催は年に数回開催され、ネット試験は商工会議所が指定する試験休止日以外はいつでも試験を受けることができます。

全商簿記の取得方法

全商簿記は、公益財団法人全国商業高等学校協会が実施している簿記検定です。受験資格に制限はありませんが、主に商業高校などでの簿記教育を受けた後、卒業資格として取得することが一般的とされています。

全商簿記は学生だけではなく社会人も受験が可能なため、転職やキャリアアップのために受験する人もいますが、日商簿記ほど評価されるような資格ではないようです。

日商簿記と全商簿記の試験内容は?

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日商簿記と全商簿記は、それぞれ独自の試験内容があります。受験する前に試験内容を把握して、受験に向けてしっかり準備しましょう。

日商簿記の試験内容は学科が多い

日商簿記の試験内容は、学科試験問題が多い傾向にあります。簿記の基礎知識や帳簿の作成方法、財務諸表の作成などについての問題が出題され、会計学や法律、税務などに関する知識も必要です。

もし、初めて日商簿記の試験に挑戦する場合は、独学で勉強するよりもスクールなどに通って基礎から学ぶことをおすすめします。そうすることでこれから2級・1級へとステップアップしていく時に、確実に知識を身につけられるでしょう。

全商簿記の試験内容は実務系が多い

全商簿記の試験内容は、日商簿記とは対照的で実務に即した内容が多いです。帳簿の作成や仕訳の処理、決算処理、税務や会計に関する法律など、具体的な業務に関する問題が多く出題されます。

全商簿記は商業高校生などが就職して、実務に携わることを目的とした資格であるため、試験内容も実務に即した出題が多いです。そのため全商簿記の試験は、実際に業務に関わっている人が受験すると比較的合格できる可能性も高くなります。

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日商簿記と全商簿記の役割は?

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日商簿記と全商簿記は、それぞれ異なる役割があります。両者とも会計に関する知識を身につけることができるという点では共通していますが、自分がどのような目的で簿記を学びたいのか、またどのようなキャリアアップを目指したいのかを考え、資格取得を検討すると良いでしょう。

日商簿記は会計知識の証明になる

日商簿記は企業や法人、個人の会計処理に必要な基礎的な知識や技能を身につけることができる資格です。具体的には、仕訳帳や財務諸表の作成、税務申告の手続き、経理ソフトの操作などが含まれます。日商簿記は、会計知識の証明になるだけでなく、経理職に就くための資格としても高い評価を得られるでしょう。

全商簿記は就職時に即戦力になる

全商簿記は企業や事務所で即戦力として活躍するための、基礎的な知識や技能を身につけることができる資格です。主に商業高校や専門学校などで学ばれています。全商簿記の分野には、帳票の作成や仕訳処理、決算業務の支援などが含まれ、実務経験が浅い新卒者や転職を考える中途採用者にとって、就職時にアピールするための重要な資格として学生に人気です。

日商は一般向けで全商は学生向け

日商簿記は実務向けの資格であり、全商簿記は学校教育の一環として就職力を高めるための資格という違いがあります。

日商簿記は実務経験を持つ人々によく知られた資格で、簿記の知識や技能を証明することが目的とされた資格です。この簿記資格を取得することで今後、公認会計士や税理士といった高度な会計職に進むための基礎的な知識を身につけることができます。

全商簿記は学校教育の一環として、一般的には商業高校などの学生が対象の資格です。この資格は就職活動時に履歴書や面接でアピールするためのものですが、全商簿記にも実務に即した内容を学ぶ科目があり、例えば会計ソフトを使用して帳簿を作成する方法や税金の計算方法などが学べます。

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3分で簡単にわかる!日商簿記と全商簿記の違いとは?全経簿記との違いもFPが詳しく解説!

この記事では日商簿記と全商簿記の違いについてみていきます。同じ簿記の資格なのにどちらを目指して勉強をしたらいいのか分からなくなるよな。他にも全経簿記という別の資格もあるみたいです。今回はそんなちょっとややこしい簿記資格の種類とそれぞれの違いについて、FPでWebライターのちょびと一緒に解説していきます。

ライター/ちょび

ビジネス書が大好きな読書家Webライター。FPの資格やAWSの資格を取得し、金融知識やITについての情報を発信している。

日商簿記と全商簿記の違いとは?

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日商簿記と全商簿記は、両方とも簿記に関する資格ですが、その内容や学習する範囲が異なります。では、日商簿記と全商簿記がどのように違うのか見ていきましょう。

日商簿記:実務向けの資格

日商簿記は、日本商工会議所が主催する資格試験です。ビジネスにおける簿記実務能力を認定することを目的としており、企業において簿記を扱う仕事をする人にとっては非常に重要な資格となっています。

日商簿記の知識には税務申告や決算書作成などの実務的な内容が多いので、日商簿記を学習すると現場ですぐに活用できるスキルが身につくというのが特徴です。

全商簿記:学校教育の一環

全商簿記は、商業高校などでの簿記教育において卒業・修了の資格として認められる資格です。日商簿記と比べると基礎的な内容を中心に、学校教育の一環として取得することがあります。

全商簿記の分野には実務的な内容も含まれてくるので、簿記について幅広く学びたいという方にもおすすめです。また、実務的な内容を含むので就職後に経理の即戦力になり得ます。

全経簿記との違いは?

日商簿記と全商簿記に似た名前で、全経簿記というものがあります。全経簿記は、全国経理教育振興協会が主催する資格試験です。日商簿記や全商簿記と比較すると、試験内容がより高度な内容が中心であり、企業の財務諸表や税務申告に関する知識が求められる問題が多くあります。

しかし全商簿記の試験では、実務的な問題が少なく、理論的な内容が多いというのが特徴です。全経簿記は、日商簿記や全商簿記を経験して、さらに簿記に関する高度な知識を身につけたいという方におすすめの資格になります。

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