雑学

3分で簡単にわかる肥料と堆肥の違い!役割と種類も農家ライターが詳しく解説

よぉ、桜木建二だ。この記事では肥料と堆肥の違いについてみていくぞ。どちらも家庭菜園や農業で野菜や花を育てるために必要なイメージがあるよな。違いはずばり栄養を補給するのか土壌を改良するのかという違いがあるみたいだが、調べてみるといくつか種類があるみたいだぞ。
今回はそんな植物を育てるために欠かせないアイテムの違いを、役割と種類について確認しながら農家ライター斉藤佳人と一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/斉藤佳人

お米農家、メカエンジニア、ロボット教室講師、スポーツトレーナーと複数の仕事をこなすマルチワーカー。豊富な知識と経験をもとにライター業にも取り組んでいる。

肥料と堆肥の違いとは?

image by iStockphoto

肥料と堆肥は家庭菜園や農業において重要な役割を果たしていて、同じような目的で使用されていると思われがち。肥料は植物に栄養を補給し、堆肥は土壌を改良するという異なる目的で使用されているのです。

肥料の役割と種類について

植物が成長し花を咲かせたり実をつけるためには栄養が必要です。動物は口から食べ物を食べることで栄養を摂取していますね。植物は光合成によって水と二酸化炭素から炭水化物を生成しているのですが、炭水化物以外の栄養も必要で、水分と一緒に根から吸い上げています。

山などの自然豊かなところでは肥料を人工的にまかなくても植物は元気に育っていますね。これは木の落ち葉やかれた植物、動物や昆虫の排泄物や死がいが微生物などによって分解され、栄養のサイクルが成り立っているからです。

しかし、限られた土地で植物を栽培する農業ではこのサイクルが成り立ちません。野菜や花の生育に必要な栄養を補うために肥料が必要です。

肥料の三大要素は窒素・リン酸・カリウム

肥料の三大要素は窒素・リン酸・カリウムです。それぞれの役割を確認しましょう。

窒素(N):植物のタンパク質を生成するのに使われ、葉や茎の成長に必要
リン酸(P):花や果実の形成と大きくするために必要
カリウム(K):根がしっかり張るために必要で水分と栄養吸収を促進

肥料は適量が与えられると植物の成長に役立ちますが、過剰に与えられると葉が大きくなりすぎて根が成長しない、肥料の成分が濃すぎて根が変性してしまうなどの悪影響も。収穫量をあげるためには適切な肥料設計が必要であり、農家の腕の見せ所となっているのです。

no-img2″>
 <figcaption class=桜木建二

肥料はあらかじめ土に混ぜ込んだり、土の表面に散布したりして使うぞ。肥料には化学肥料と有機肥料があるんだ。次からはこの2種類の肥料についてそれぞれ見ていくぞ。

化学肥料について確認しよう!

image by iStockphoto

化学肥料は自然に存在している無機物から人工的なプロセスを経て合成された肥料。肥料としての窒素はアンモニア(NH3)などの化合物の形をとり、空気中の窒素N2と水素H2を反応させて生成する。リン酸、カリウムは天然の鉱石を砕いて化学的に精製されて作られています。

化学肥料は作物に合わせて肥料分の割合を調整しやすく、植物にあった肥料と量を選びやすい。即効性があり、成長に合わせて補給することができるのもメリット。ただし化学肥料にだけ頼っていると土の中の有機物が減ってしまい土の保水力低下というデメリットがあります。

有機肥料についても知ろう!

有機肥料は魚の骨やカキなどの貝殻を粉砕したものなどの動物性有機物、米ぬかや種子から油を搾った後の粕などの植物性有機物から作られる肥料です。

土の中の微生物が有機肥料を分解することで植物が吸収できるようになるため肥料の効きがゆるやかで、長く効くということがメリット。含まれる肥料分も化学肥料と比べて少ないためまきすぎても障害を起こしにくいのです。土壌の微生物が増え、生物の多様性が保たれ土が豊かになるのですね。

肥料が効き始めるまでに時間がかかることと、微生物による分解中にガスと熱が生じるため、有機肥料をまいたあとは一定期間あけてから種をまいたり苗を植え付けたりする必要が生じます。

堆肥の役割と種類について

image by iStockphoto

堆肥は動物の排せつ物や、稲わら、もみ殻、米ぬか、刈り取った草、食べ残した食品などに由来するものです。先ほど確認した有機肥料と似ていますが、堆肥と有機肥料の違いは発酵。有機物を微生物の力によって発酵させて腐熟、分解したものが堆肥です。

\次のページで「堆肥の役割」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: