今回は「あさり」と「しじみ」の違いを見ていきます。どちらも提供される機会が多い貝だから、味噌汁や蒸し料理なんかで食べたことがあるかもしれませんね。慣れ親しんだ食べ物とはいえ、2つの違いを明確に答えられるやつは少ないんじゃないか?あさりとしじみには大きく分けて5つの違いがあるんです。この先はグルメ好き主婦ライターのスズキアユミと一緒に詳細を解説していきます。

ライター/スズキアユミ

食べることが大好きな主婦ライター。週に2回は外食を楽しみ、近隣のお店を開拓している。高級料理よりも庶民派の手軽なものが好み。

あさりとしじみの違いは5つ

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あさりとしじみには、大きく分けて5つの違いがあります。どちらも身近な二枚貝ですが、あさりが「マルスダレガイ目マルスダレガイ科アサリ属」であるのに対し、しじみは「マルスダレガイ目シジミ科シジミ属」で分類上では別の生物。あさりとしじみの5つの違いについて詳しく確認していきましょう。

あさりとしじみの5つの違い
・違い1.大きさ
・違い2.色・表面の質感
・違い3.生息環境
・違い4.味
・違い5.成分

違い1.大きさ

1つ目の違いは大きさです。一般的に流通しているあさりは3~4cmで、大きいものでは6cmほど。一方のしじみは2~3cmのものが多く、あさりに比べると小粒の貝です。成長過程や個体にもよりますが、販売店で並ぶときにはあさりの方がしじみよりも大きい印象を受けます。

違い2.色・表面の質感

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2つ目の違いは色・表面の質感です。あさりの貝殻の色は実にさまざま。黒・白・ベージュ・茶・青など多くの色が存在します。柄も多種多様で、単一色の場合もあれは、数色が幾何学模様のように入り混じる場合もあり、同じ柄は存在しないといわれるほどです。表面には何本もスジが入り、触るとざらざらしています。

一方のしじみは種類によって色が決まっており、多少の濃淡はあるものの単一色です。表面にはスジが見えますが、触ると凹凸は感じられずつるつるしています。

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違い3.生息環境

3つ目の違いは生息環境です。あさりとしじみはどちらも海水と淡水が混ざった「汽水域」と呼ばれる水域を好みますが、汽水域の中でも棲む場所が異なります

あさりが棲むのは内湾の中央部。内湾は海につながる出入口(湾口)の幅に対して奥行きが広い湾のことで、湾口付近と湾奥部の中間あたりの水域が中央部です。一方のしじみは河口付近で生息しており、あさりの棲む水域と比較して海水の濃度が低くなっています。

違い4.味

4つ目の違いは味です。あさりは少し苦みがあるものの淡白な味わいで、貝特有の臭みは少なめ。汁物に入れると上品な風味を感じます。一方のしじみはクセが強く濃厚な旨味が特徴。味噌汁などの味が濃い汁物でも、しっかりと存在を主張します。

違い5.成分

5つ目の違いは成分です。具体的には「オルニチン」が含まれているかどうかに違いがあります。オルニチンは肝臓の働きをサポートし、成長ホルモンの分泌促進や疲労回復の効果も期待できる成分。

あさりにはオルニチンがほとんど含まれていませんが、しじみはオルニチンが豊富です。他の食材と比較しても圧倒的な量で、二日酔いにはしじみの味噌汁が効くと語られる理由はオルニチンの多さにありました。

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あさり・しじみの人気レシピ

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あさり・しじみを使った料理をご家庭でも楽しみたい方のために、手軽に作れる人気レシピをご紹介します。生きたあさり・しじみを使用しますので、まずは下準備として砂抜きをしましょう。砂抜きの方法は以下の通りです。

砂抜きの方法
【用意するもの】
・ボウル
・ザル
・水(あさり・しじみがひたひたに浸かる量)
・塩
・アルミホイル

【手順】
1.あさり・しじみをこすり合わせるようにしっかり洗う。
2.ボウルに水を入れ、以下の塩分濃度になるよう塩を加える。
 ・あさり:3%(例:500mlの水に対して塩15g)
 ・しじみ:0.3%(例:500mlの水に対して塩1.5g)
3.ザルにあさり・しじみを入れ、ザルごとボウルに浸ける。貝同士がなるべく重ならないようにし、貝の端が少し水面に出る程度の水量に調整する。
4.あさりは1時間、しじみは3時間程度、常温で放置する。気温が高いときは一時的に冷蔵庫に入れて、温度が上がりすぎないようにする。
5.時間が経ったら水を捨て、再度ボウルとザルを重ねて水に浸けない状態であさり・しじみを入れ、アルミホイルを被せる。涼しい場所で1時間ほど放置する。
6.貝をこすり合わせるようにしっかり洗い、完了。すぐに使用する。

レシピ1.あさりの酒蒸し

あさりの旨味がダイレクトに感じられるメニューです。

【材料】2人分
・あさり…400g
・酒…大さじ3
・万能ねぎ…お好みの量

【作り方】
1.フライパンにあさりと酒を入れる。
2.中火にし、酒が沸騰したら蓋をする。
3.2分ほどしてあさりの口が開いたら火を止め、皿に盛って万能ねぎを散らしたら完成。

レシピ2.しじみの味噌汁

しじみの濃厚な味わいを感じるメニューです。しじみから十分に旨味が出るので、だしは使用しません。

【材料】2人分
・しじみ…200g
・水…300ml
・酒…大さじ3
・味噌…大さじ1と1/3

【作り方】
1.しじみ・水・酒を鍋に入れて中火で熱する。しばらくするとしじみから旨味(白い濁り)が出る。
2.沸騰したら弱火にし、浮いたアクを取る。
3.味噌を溶き入れて火を止め、完成。

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あさり・しじみを味わおう!

あさり・しじみには5つの違いがあることが分かりました。特に味の違いは、食べ物としての好みに直結する部分。お好きな方を食卓に取り入れれば食生活が豊かになります。あさり・しじみは生きたものも購入できますが、中身だけを取り出して加熱した状態でも売られていますので、使い勝手がいいものを選んで調理に活用してみてくださいね

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簡単でわかりやすい!「あさり」と「しじみ」の違いは5つ!砂抜きの方法や人気レシピもグルメ好きライターが詳しく解説

今回は「あさり」と「しじみ」の違いを見ていきます。どちらも提供される機会が多い貝だから、味噌汁や蒸し料理なんかで食べたことがあるかもしれませんね。慣れ親しんだ食べ物とはいえ、2つの違いを明確に答えられるやつは少ないんじゃないか?あさりとしじみには大きく分けて5つの違いがあるんです。この先はグルメ好き主婦ライターのスズキアユミと一緒に詳細を解説していきます。

ライター/スズキアユミ

食べることが大好きな主婦ライター。週に2回は外食を楽しみ、近隣のお店を開拓している。高級料理よりも庶民派の手軽なものが好み。

あさりとしじみの違いは5つ

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あさりとしじみには、大きく分けて5つの違いがあります。どちらも身近な二枚貝ですが、あさりが「マルスダレガイ目マルスダレガイ科アサリ属」であるのに対し、しじみは「マルスダレガイ目シジミ科シジミ属」で分類上では別の生物。あさりとしじみの5つの違いについて詳しく確認していきましょう。

あさりとしじみの5つの違い
・違い1.大きさ
・違い2.色・表面の質感
・違い3.生息環境
・違い4.味
・違い5.成分

違い1.大きさ

1つ目の違いは大きさです。一般的に流通しているあさりは3~4cmで、大きいものでは6cmほど。一方のしじみは2~3cmのものが多く、あさりに比べると小粒の貝です。成長過程や個体にもよりますが、販売店で並ぶときにはあさりの方がしじみよりも大きい印象を受けます。

違い2.色・表面の質感

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2つ目の違いは色・表面の質感です。あさりの貝殻の色は実にさまざま。黒・白・ベージュ・茶・青など多くの色が存在します。柄も多種多様で、単一色の場合もあれは、数色が幾何学模様のように入り混じる場合もあり、同じ柄は存在しないといわれるほどです。表面には何本もスジが入り、触るとざらざらしています。

一方のしじみは種類によって色が決まっており、多少の濃淡はあるものの単一色です。表面にはスジが見えますが、触ると凹凸は感じられずつるつるしています。

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