今回は「神社」と「八幡宮」についてです。どちらも神が祀られた場所のようですが、違いは分かるでしょうか?他にも混同しやすい「神宮」「宮」「大社」との違いもみていこう。学芸員ライターkuroakaと一緒に解説していきます。

ライター/kuroaka

物館・美術館好きで学芸員の資格を持つWebライター。実家の近くに「八幡宮」があったにも関わらず、深く考えず育ってきた。今回の執筆で「八幡宮」の正体を知った。

「神社」と「八幡宮」の違いとは?

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旅行した時に訪れる機会の多いお寺や神社。『〇〇八幡宮』と付く所にお参りに行って「神社との違いってなんだっけ?」と首をかしげる人もいるのではないでしょうか?

そこで今回は「神社」と「八幡宮」の違いから、他によく聞く「神宮」「宮」「大社」との違いまで解説していきます。それぞれの特徴を知っていることで、参拝に行った時にどんな神様が祀られているか分かるようになりますよ

神社:神様をお祀りしている施設の総称

「神社」とは神道の神様をお祀りしている施設の総称です。神道とは経典や開祖が存在せず、自然等を神として崇める日本特有の宗教のこと。つまり、日本の神様が祀られている施設のことを指すのです。神社は日本全国に約8万~10万社あると言われています。神社の名称は大きく分けて下記の5つ。

1.〇〇神社
2.◯◯八幡宮
3.〇〇神宮
4.〇〇宮
5.〇〇大社

今回解説する「八幡宮」「神宮」「宮」「大社」はすべて神社のくくりとなります。

八幡宮:全国に2番目に多い神社

では、「八幡宮」とはどのような神社なのでしょうか?答えは『八幡大神』をお祀りする神社です。「〇〇八幡宮」と名前の付く神社は日本で2番目に多く、約2万社あります。1番多いのは「〇〇稲荷神社」と付く稲荷系で、日本全国に約3万2千社。八幡宮に祀られる『八幡大神』は以下の通りです。

\次のページで「「神宮・宮・大社」のそれぞれの違いは?」を解説!/

応神天皇(おうじんてんのう):武運の神と言われ、勝利祈願・出世開運のご利益
神功皇后(じんぐうこうごう):応神天皇の母。子孫繁栄のご利益
比売大神(ひめおおかみ):縁結びのご利益

それぞれご利益が違うので、八幡宮はパワースポットとも言われています。

代表的な八幡宮
・鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)
・石清水八幡宮(京都府八幡市)

「神宮・宮・大社」のそれぞれの違いは?

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他にも混同しやすい「神宮」「宮」「大社」の特徴もみていきましょう。

神宮:皇室ゆかりの格式高い神社

「神宮」は皇族とゆかりの深い、格の高い神社だけに特別に与えられた称号です。皇族の祖先がご祭神として祀られていることが多く、「神宮」と付く神社は日本全国で24社のみ。

代表的な神宮
・伊勢神宮(三重県伊勢市):天照大御神(天皇の祖先とされる)を祀る
・熱田神宮(愛知県名古屋市):三種の神器の1つ『草薙神剣』をご神体としている
・明治神宮(東京都渋谷区):明治天皇と昭憲皇太后(明治天皇の皇后)を祀る

宮:身分の高い人を祀る

「宮」は身分の高い人や、皇族に関わる人をお祀りしている神社です。宮の語源は身分の高い人が住む場所『御屋(みや)』が由来だと言われています。

代表的な宮
・東照宮:徳川家康を祀る神社。総本社は日光東照宮(栃木県日光市)
・天満宮:学問の神様、菅原道真を祀る神社。総本社は太宰府天満宮(福岡県太宰市)・北野天満宮(京都府京都市)

大社:総本山の名称

「大社」には2つの意味があります。1つは全国に分社がある神社の総本山という意味。もう1つは格式高い神社の意味。元々「大社」とつく神社は『出雲大社』のみでしたが、明治時代以降から全国で格式の高いとされる神社に使われる称号となっていきました。「大社」は日本全国に24社あり、「神宮」の数と同じです。総本山として「大社」とつく代表的な神社は以下の通り。

代表的な大社
・伏見稲荷大社(京都府京都市):全国にある◯◯稲荷神社の総本社
・諏訪大社(長野県):全国にある◯◯諏訪神社の総本社
・春日大社(奈良県奈良市):全国にある◯◯春日神社の総本社

今更聞けない神社の参拝方法をおさらい

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神社に足を運んだ時に頭を悩ませるのが参拝方法。「お礼は何回するんだっけ?」と考えてしまいますよね。実は、お参りする時の作法に決まりはありません。神社や地域によって作法は違い、大事なことはしっかりと神様に敬意を払うことです。とはいえ、いざ参拝するときにどうすればいいか知っておきたいもの。ここでは一般的なマナーと作法をおさらいします。

\次のページで「基本は「二礼二拍手一礼」」を解説!/

基本は「二礼二拍手一礼」

基本的な作法は大きく分けて4つです。神社の敷地に入った時から抑えておきたいポイントがあります。

1.鳥居をくぐる前に一礼
2.参道の真ん中を歩くのは避ける
3.手水舎で手、口を清める
4.お参りは「二礼二拍手一礼」

1.鳥居をくぐった先は神様の領域です。なので鳥居の前で訪問の一礼をします。参拝を終えて帰る時も、鳥居に向き直って一礼するのがいいでしょう。2.参道の真ん中は神様の通る道『正中(せいちゅう)』のため、避けて歩きます。3.参拝前に心身を清める場なので、ひしゃくを使って両手と口、最後にひしゃくの柄を洗いましょう。4.お賽銭を入れ、二礼二拍の後に祈り、最後に一礼します。

神社は「八幡宮・神宮・宮・大社」の総称

「神社」は神様をお祀りしている施設の総称です。その数は日本全国で8万~10万社と言われています。「八幡宮」は八幡大神をお祀りする神社。稲荷神社に続いて2番目に多い神社です。その他にも皇族を祀った「神宮」、身分の高い人を祀った「宮」、全国にある神社の総本山を意味する「大社」。八幡宮・神宮・宮・大社はすべて神社に含まれます。基本的な神社の参拝方法は「二礼二拍手一礼」ですが、神社によっては作法が異なるので、看板がある場合はそれにならいましょう。

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3分で簡単にわかる!「神社」と「八幡宮」の違いとは?神宮・宮・大社との違いも学芸員ライターがわかりやすく解説

今回は「神社」と「八幡宮」についてです。どちらも神が祀られた場所のようですが、違いは分かるでしょうか?他にも混同しやすい「神宮」「宮」「大社」との違いもみていこう。学芸員ライターkuroakaと一緒に解説していきます。

ライター/kuroaka

物館・美術館好きで学芸員の資格を持つWebライター。実家の近くに「八幡宮」があったにも関わらず、深く考えず育ってきた。今回の執筆で「八幡宮」の正体を知った。

「神社」と「八幡宮」の違いとは?

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旅行した時に訪れる機会の多いお寺や神社。『〇〇八幡宮』と付く所にお参りに行って「神社との違いってなんだっけ?」と首をかしげる人もいるのではないでしょうか?

そこで今回は「神社」と「八幡宮」の違いから、他によく聞く「神宮」「宮」「大社」との違いまで解説していきます。それぞれの特徴を知っていることで、参拝に行った時にどんな神様が祀られているか分かるようになりますよ

神社:神様をお祀りしている施設の総称

「神社」とは神道の神様をお祀りしている施設の総称です。神道とは経典や開祖が存在せず、自然等を神として崇める日本特有の宗教のこと。つまり、日本の神様が祀られている施設のことを指すのです。神社は日本全国に約8万~10万社あると言われています。神社の名称は大きく分けて下記の5つ。

1.〇〇神社
2.◯◯八幡宮
3.〇〇神宮
4.〇〇宮
5.〇〇大社

八幡宮:全国に2番目に多い神社

では、「八幡宮」とはどのような神社なのでしょうか?答えは『八幡大神』をお祀りする神社です。「〇〇八幡宮」と名前の付く神社は日本で2番目に多く、約2万社あります。1番多いのは「〇〇稲荷神社」と付く稲荷系で、日本全国に約3万2千社。八幡宮に祀られる『八幡大神』は以下の通りです。

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