雑学

3分で簡単にわかるアルミとアルマイトの違い!アルミの特性と表面処理も詳しく解説!

よぉ、桜木建二だ。この記事ではアルミとアルマイトの違いについてみていくぞ。どちらも金属に関係する用語のイメージがあるよな。違いはずばりアルミはアルミニウムという金属で、アルマイトは表面処理のことだ。アルミニウムは日常で使われている金属だが調べてみるといろいろな特徴があり、用途に応じた表面処理が施されているみたいだ。今回はそんな日常生活に欠かせないアルミの特徴を確認しつつ、表面処理についても雑学好きな理系ライター斉藤佳人と一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/斉藤佳人

お米農家、メカエンジニア、ロボット教室講師、スポーツトレーナーと複数の仕事をこなすマルチワーカー。豊富な知識と経験をもとにライター業にも取り組んでいる。

アルミとアルマイトの違いとは?

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一見すると同じような名前のアルミとアルマイト。実は全く異なるものなのです。アルミはアルミニウムの略称であり、アルマイトはアルミニウムの表面処理の1つ。アルミニウムの特徴を確認して、なぜ表面処理をするのかについても確認していきましょう。

アルミはアルミニウムという金属!

アルミはアルミニウムの略称で、Alと表記される原子番号が13の化学元素です。自動車のフレーム、タイヤのホイール、航空機、建築、スポーツ用品にも幅広い分野で使用されています。それではアルミニウムの特徴を確認してみましょう。

アルミニウムの特徴

アルミニウムには次のような特徴があります。

色:光を反射する性質があり、銀色
軽量:密度が2.7と低く、鉄の約1/3と非常に軽い
加工:加工が容易でプレス成形や曲げ加工、切削加工などに向いている
熱伝導性:鉄の3倍という高い熱伝導性
電気伝導性:銅に次ぐ電気伝導性がある
非磁性:磁石とくっつかず、磁場の影響を受けない
耐食性:自然状態で表面に酸化被膜が形成され、ある程度の耐食性を有する
リサイクル性:リサイクルが容易
毒性がない:無害で無臭

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軽量で加工性がよいという特徴を生かして、アルミニウムは自動車や航空機の材料として使われているのです。電気をよく通し軽量というメリットから高電圧の送電線としての用途も。磁気を帯びないことから磁気コンパスや医療機器にも用いられているのです。無害で無臭、衛生的という観点から食品の包装材、飲料缶、食器などにも広く利用されていますね。

アルマイトは表面処理の一種!

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アルマイトは日本の理化学研究所によって開発されたアルミニウムの表面処理の一種です。アルマイト処理の特徴と処理のやり方を見ていきましょう。

アルマイト処理のメリット

純粋な金属としてのアルミニウムは表面に酸化被膜を構成してある程度の耐食性を示すことを確認しましたね。しかし、醤油や梅干しなど食品程度の酸でも傷んでしまうという欠点があるのです。この欠点を補うために施すのがアルマイト加工。強度が増し腐食しにくくなることからアルミニウム製の弁当箱、鍋などの日用品に使用されるようになりまた。

アルマイト処理をすることで耐食性と耐摩耗性を向上させることができます。表面が美しく保たれるというメリットも。アルミニウムは導電性材料ですが、アルマイト処理をすると表面は電気を通さなくなります。

アルマイト処理のデメリット

アルマイト皮膜には柔軟性がなく、処理後のアルミニウム製品を曲げると皮膜がはがれてしまいます。耐熱性が100℃程度までとなっていて、100℃を超える厳しい環境下ではアルミニウムの熱膨張により皮膜がはがれたり割れたりしてしまうのです。

アルマイト処理の仕方

アルマイト処理は電解液の中で電気を通すことで、表面に強い酸化膜を形成します。

工程
1:アルマイト処理をする製品をシュウ酸などの電解液につける
2:製品をプラス極に固定し、通電する
3:プラス極とマイナス極の間で電気が流れると電気分解が進む
4:アルミニウムの表面に酸化膜が形成される

\次のページで「その他のアルミの表面処理についても確認しよう!」を解説!/

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