
簡単に分かる「アフガン」と「アフガニスタン」の違い!「アフガン」は略称?院卒日本語教師が分かりやすく解説
そんな「アフガニスタン」の話題の際に、「アフガン」という言葉も良く目にするよな。この2つの違い、分かるかな?
今回はそんな「アフガニスタン」と「アフガン」の違いを、海外在住で国際情勢や言葉に詳しい院卒日本語教師の”むかいひろき”と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき
ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。立場上世界情勢には敏感で常に情報を収集している。今回の記事ではその経験を活かしていく。
まずは「アフガニスタン」と「アフガン」の意味を確認!

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まずは「アフガニスタン」と「アフガン」の本来の意味を確認していきましょう。名前はよく聞くけど、「アフガニスタン」ってどこだっけ?…という人もいるかもしれませんね。まずは基本をしっかり確認しましょう。
「アフガニスタン」:西南アジアの内陸国
「アフガニスタン」は西南アジアに位置する内陸国のことです。正式名称は日本語では「アフガニスタン・イスラム共和国」ですね。パキスタンやイランなどの国々に周りを囲まれています。
1979年に発生したソ連のアフガニスタン侵攻以降は国土が荒廃し、戦争やテロが絶えない国となってしまいました。2023年3月現在、「アフガニスタン」を支配しているのは「タリバン」という武装勢力で、厳しすぎる宗教の解釈を基にした政治や女性に対する抑圧が国際社会から問題視されています。
「アフガン」:アフガニスタンの主要民族・アフガニスタンの~

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「アフガン」の本来の意味の一つは、アフガニスタンの主要民族の名称です。「アフガン人」や「パシュトゥン人」とも呼ばれます。
「アフガン人」はアーリア系の民族であり、元々は遊牧民族でした。そして現在ではイスラム教を信仰する人がほとんどですね。「アフガン人」は18世紀までは他民族の王朝の支配下にありましたが、1747年に現在のアフガニスタンの地に「ドゥラーニー朝」が誕生して以降、一時的に他国に侵されることがありながらも、このアフガニスタンの地を治めてきました。
また本来、「アフガン」は「アフガニスタンの~」という意味で使用されることもあります。たとえば「アフガン・ハウンド」という種類の犬は「アフガニスタンのハウンド」という意味の、アフガニスタン原産の犬です。
略称としての「アフガン」

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ここまで「アフガニスタン」と「アフガン」の本来の意味について確認してきました。ただ、「アフガン」についてはアフガニスタンの略称としても使用されています。特に新聞やテレビなどのメディアでは、7文字の国名であるアフガニスタンは長すぎるため、「アフガン」と四文字で表記されていることも多いですね。
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