この記事では「食糧」と「食料」の違いを見ていきます。「食料」はよく目にすると思うが「食糧」との違いを意識しながら使ったことはあるか?「食糧危機」なのか「食料危機」なのか、など意味の違いが分かれば使い方も見えてくるはずです。それぞれの意味や使い方を元塾講師のyêuthuquáと一緒に解説していくことにしよう。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「食糧」と「食料」の違い

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まずは「食糧」と「食料」、どちらも「しょくりょう」と読みますが、意味の違いは何でしょうか。何を指しているのかを確認していきます。

「食糧」:主食となるもの

「食糧」とは米や麦など主食となる穀物を指しています。この「糧」という漢字は「蓄える」「携帯する」という意味ですが、昔から米を貯蔵庫に蓄えてたり、おにぎりにして持ち歩いたりしているのは皆さんもご存じですよね。このように「食糧」は穀物のような主食となる食べ物を指しているのです。米や麦以外ではパン・トウモロコシ・イモ類も含まれます。

「食料」:食べ物全般

「食料」は食べ物全般を指す言葉で、主食を含む肉や魚、野菜、果物など私たちが食用として口にする主食以外の食べ物も含んでいます。「料」という漢字には「あることのために使う」という意味があり、「食料」=「食べるために使う」となりますので、食べる物全般を指すのですね。

ちなみに現在ではほぼ使われることはありませんが、「食事の料金」=「食料」の意味で明治時代の小説などでは使われていたようです。

「食糧」と「食料」はどんな時に使われる?

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では「食糧」と「食料」の使い分けはどうなっているのでしょうか。例を挙げながら見ていきます。

\次のページで「「食糧」の使い方」を解説!/

「食糧」の使い方

「食糧」は主食を指していることから、生きていく上で欠かすことができない食べ物であり、嗜好品(しこうひん)を表すものではありません。例文で使い方を確認していきましょう。

1. アフリカの国々に食糧支援を行う。
2. 国連制裁が続いているため、引き続き食糧や燃料を備蓄する必要がある。
3. 人口爆発による食糧不足が心配される。

1は貧困に対して、主食となる米や麦、イモ類などの「食糧」を支援していることを表します。2は国連の制裁で自由に貿易等ができないため、生きていくための資源として主食や燃料を備えるという意味です。3は人口の急激な増加により、主食が足りなくなるだろうということを表します。このように、主食について述べる場合は「食糧」が適切です。

 

「食料」の使い方

「食料」は主食を含む食べ物全般でしたね。例文でその使い方を確認しましょう。

1. 日本は海外から多くの食料を輸入している。
2. 地震に備え食料や燃料を備蓄する必要がある。
3. バーベキューをするので食料の買い出しに行く。

1は主食だけではなく、肉や魚、野菜なども含んだ食べ物を輸入していることを示しています。2は地震に備え、主食はもちろんのこと缶詰食品などを含む食べ物や燃料を準備しておくという意味です。3はバーベキューに必要な食べ物なので、肉や野菜、魚介類など主食以外の食べ物も買いに行くということですね。

このように、主食以外の食べ物も含んでいるため「食料」を使います。

\次のページで「「食糧自給率」と「食料自給率」」を解説!/

「食糧自給率」と「食料自給率」

「食糧自給率」は元々経済用語で、国内で消費される食糧をどれだけ国産でまかなえているのかを示すものでした。しかし最近は主食以外の食べ物全般において、国産でまかなえている割合を示すことが多くなり「食料自給率」が使われています

なお、日本の食料自給率はカロリーベースで38%とかなり低くなっています。例えば米の自給率は98%と高い数字ですが、パンの原料となる小麦の自給率はわずか17%です。肉の自給率は53%ですが、えさを輸入に頼っているため、えさの自給率を考慮するとわずか8%の自給率となってしまいます。

このように、えさも含め輸入に頼っている日本の食料自給率の低さはこれからの大きな課題の一つです。

「食糧」と「食料」の違いは対象となる食べ物

「食糧」は米や麦、トウモロコシ、イモ類などの主食を、「食料」は主食に加えて肉や魚、野菜、フルーツなど食べ物全般を表している言葉です。「主食かどうか」で使い分ければよいのですが、「糧」の意味があらわすように「持ち運べるかどうか」「貯蔵するかどうか」も使い分けのポイントとなります。また、日本の食料率の低さが大きな課題であることも忘れないでください。

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簡単で分かりやすい「食糧」と「食料」の違い!意味や使い方を元塾講師が詳しく解説!

この記事では「食糧」と「食料」の違いを見ていきます。「食料」はよく目にすると思うが「食糧」との違いを意識しながら使ったことはあるか?「食糧危機」なのか「食料危機」なのか、など意味の違いが分かれば使い方も見えてくるはずです。それぞれの意味や使い方を元塾講師のyêuthuquáと一緒に解説していくことにしよう。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「食糧」と「食料」の違い

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まずは「食糧」と「食料」、どちらも「しょくりょう」と読みますが、意味の違いは何でしょうか。何を指しているのかを確認していきます。

「食糧」:主食となるもの

「食糧」とは米や麦など主食となる穀物を指しています。この「糧」という漢字は「蓄える」「携帯する」という意味ですが、昔から米を貯蔵庫に蓄えてたり、おにぎりにして持ち歩いたりしているのは皆さんもご存じですよね。このように「食糧」は穀物のような主食となる食べ物を指しているのです。米や麦以外ではパン・トウモロコシ・イモ類も含まれます。

「食料」:食べ物全般

「食料」は食べ物全般を指す言葉で、主食を含む肉や魚、野菜、果物など私たちが食用として口にする主食以外の食べ物も含んでいます。「料」という漢字には「あることのために使う」という意味があり、「食料」=「食べるために使う」となりますので、食べる物全般を指すのですね。

ちなみに現在ではほぼ使われることはありませんが、「食事の料金」=「食料」の意味で明治時代の小説などでは使われていたようです。

「食糧」と「食料」はどんな時に使われる?

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では「食糧」と「食料」の使い分けはどうなっているのでしょうか。例を挙げながら見ていきます。

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