今回は「山椒」と「花椒」の違いを見ていきます。山椒は知っているやつも多いでしょう。花椒の方はもしかすると初めて聞く名前かもしれませんね。本格的な麻婆豆腐なんかに入っている、ビリビリとしびれるスパイスのことです。どちらも爽やかな香りと独特のしびれ感があるうえ、名前が似ているから差が分かりにくいが、実は大きく3つの違いがあったんです。この先はグルメ好き主婦ライターのスズキアユミと一緒に詳細を解説していきます。

ライター/スズキアユミ

食べることが大好きな主婦ライター。週に2回は外食を楽しみ、近隣のお店を開拓している。高級料理よりも庶民派の手軽なものが好み。

山椒と花椒の違いは3つ

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山椒と花椒はどちらもよく使われるスパイス。ミカン科サンショウ属に分類される同じグループの植物ですが、「使用される国」「使用する部位」「香り・しびれの強さ」の3つに大きな違いがあります

独特の香り・辛み・しびれがアクセントになるため様々な料理に使用される身近なスパイスであるものの、名前が似ていることから違いや使い分けが分かりにくいという声が多いのも事実。山椒と花椒の3の違いについて確認し、それぞれの魅力を最大限に楽しみましょう。

違い1.使用される国

1つ目の違いは使用される国。山椒は日本、花椒は中国で主に使用されます

山椒は英語でジャパニーズペッパーと言われる日本原産のスパイスで、多くの日本料理で活用されています。一方の花椒は日本語で「かしょう」、中国語の発音で「ホアジャオ」と呼ばれ、中国料理、特に辛さやしびれを特徴とするメニューに使用されるものです。日本の山椒と区別するために「中国山椒」や「四川(しせん)山椒」と表現することもあります。

違い2.使用する部位

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2つ目の違いは使用する部位です。山椒は若葉・花・果実・果皮を使用し、「捨てるところがない」と言われるほど多種多様な用途がある植物。若葉は「木の芽」、花は「花山椒」と呼ばれるハーブになります。一方の花椒は熟した果皮のみを使用するのが一般的です。

違い3.香り・しびれの強さ

3つ目の違いは香り・しびれの強さ。比較しやすいよう、ここでは果皮から作られるスパイスについてお話ししましょう。山椒と花椒はどちらも辛みやしびれやがあり、柑橘系の香りを放ちますが、その程度が大きく異なります。

山椒は鼻に抜ける爽やかな香りで、舌に触れるとピリッとした刺激を感じる程度。脂の多い食材と合わせれば、脂っぽさを軽減して食べやすい味わいに導いてくれます。一方の花椒は、他のスパイスと合わせても負けないくらいの強い香りを持ち、ビリビリと長時間にわたって舌に残る刺激が特徴です。料理の中で抜群の存在感を放ち、このしびれが癖になる人も多いといいます。

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山椒・花椒はどんな状態で使う?

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山椒・花椒は使いやすいように加工された状態で流通しています。特に山椒は若葉から果皮まで多くの部位を使用するため、加工の状態もさまざま。スーパーで手軽に買える加工品も多くありますので、違いを知って活用してみましょう。

山椒の加工品

山椒の若葉(木の芽)は芽の先端を切ったものがパックで売られていることが多く、細い茎に小さな葉が20枚程度ついています。山椒の花(花山椒)も同様に先端のパック詰めが売られますが、流通量は少なく希少なハーブです。

山椒の実(実山椒・青山椒)は実もしくは実がついた細枝がパック詰めにされるほか、あく抜きをした状態や調味した状態でビン詰めにされているもの多数。果皮は乾燥させてパウダー状にするか、ミル付きの瓶に入れて粗挽きを楽しむよう設計された商品もあります。

花椒の加工品

花椒の加工品は果皮を使用したものです。単体で使用する場合は、乾燥させた果皮をそのままパックやビン詰めにしたもの、パウダー状にしたもの、果皮をオイル漬けにして香りを移したものがよく見られます。

塩と混ぜたり、他のスパイスと混合したりして販売されるものもあり、特に有名なのが「五香粉(ごこうふん・ウーシャンフェン)」と呼ばれる混合スパイス。シナモン・クローブ・フェンネル・スターアニス・チンピなどと合わせて作られています。

山椒・花椒の使い方

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山椒・花椒にはそれぞれに合った使い方があります。似たような香りだからと、山椒の代わりに花椒、花椒の代わりに山椒を使ってしまうと、料理に合わずに満足度が低い食事にもなりかねません。ここでは、使用機会の多い山椒・花椒のパウダーについて代表的な使い方をご紹介します

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山椒の使い方

山椒の使い方としてもっともメジャーなのが鰻の蒲焼にかける方法です。鰻の脂をあっさりと食べやすくしてくれるほか、消化不良を防ぐ狙いもあります。他にも青魚にかけて臭みを消したり、お味噌汁やお吸い物にかけたりする方法も一般的。山椒は、このようにふんわりとした香りを楽しむ用途が多いのが特徴です。

花椒の使い方

花椒の代表的な使い方で、日本でもなじみ深いのが麻婆豆腐に入れる方法。本格的な麻婆豆腐のビリビリとしたしびれは花椒によるものです。また火鍋という料理の辛いスープに使用されることでも有名。飲むほどに汗が噴き出るような刺激を感じます。花椒は強烈なしびれと爽快感を楽しむ用途が多いのが特徴です。

山椒・花椒を食卓に取り入れてみよう

山椒と花椒には、「使用される国」「使用する部位」「香り・しびれの強さ」の3つの違いがあることが分かりました。料理の味付けやお好みに合わせて使い分ければ、さらに奥深い味わいを引き出すことができます。また、意外なものにかけて試してみると思わぬマリアージュを見つけられるかもしれません。ぜひ食卓に取り入れてみてくださいね。

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簡単でわかりやすい!山椒と花椒の違いは3つ?加工の種類や使い方もグルメ好きライターが詳しく解説

今回は「山椒」と「花椒」の違いを見ていきます。山椒は知っているやつも多いでしょう。花椒の方はもしかすると初めて聞く名前かもしれませんね。本格的な麻婆豆腐なんかに入っている、ビリビリとしびれるスパイスのことです。どちらも爽やかな香りと独特のしびれ感があるうえ、名前が似ているから差が分かりにくいが、実は大きく3つの違いがあったんです。この先はグルメ好き主婦ライターのスズキアユミと一緒に詳細を解説していきます。

ライター/スズキアユミ

食べることが大好きな主婦ライター。週に2回は外食を楽しみ、近隣のお店を開拓している。高級料理よりも庶民派の手軽なものが好み。

山椒と花椒の違いは3つ

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山椒と花椒はどちらもよく使われるスパイス。ミカン科サンショウ属に分類される同じグループの植物ですが、「使用される国」「使用する部位」「香り・しびれの強さ」の3つに大きな違いがあります

独特の香り・辛み・しびれがアクセントになるため様々な料理に使用される身近なスパイスであるものの、名前が似ていることから違いや使い分けが分かりにくいという声が多いのも事実。山椒と花椒の3の違いについて確認し、それぞれの魅力を最大限に楽しみましょう。

違い1.使用される国

1つ目の違いは使用される国。山椒は日本、花椒は中国で主に使用されます

山椒は英語でジャパニーズペッパーと言われる日本原産のスパイスで、多くの日本料理で活用されています。一方の花椒は日本語で「かしょう」、中国語の発音で「ホアジャオ」と呼ばれ、中国料理、特に辛さやしびれを特徴とするメニューに使用されるものです。日本の山椒と区別するために「中国山椒」や「四川(しせん)山椒」と表現することもあります。

違い2.使用する部位

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2つ目の違いは使用する部位です。山椒は若葉・花・果実・果皮を使用し、「捨てるところがない」と言われるほど多種多様な用途がある植物。若葉は「木の芽」、花は「花山椒」と呼ばれるハーブになります。一方の花椒は熟した果皮のみを使用するのが一般的です。

違い3.香り・しびれの強さ

3つ目の違いは香り・しびれの強さ。比較しやすいよう、ここでは果皮から作られるスパイスについてお話ししましょう。山椒と花椒はどちらも辛みやしびれやがあり、柑橘系の香りを放ちますが、その程度が大きく異なります。

山椒は鼻に抜ける爽やかな香りで、舌に触れるとピリッとした刺激を感じる程度。脂の多い食材と合わせれば、脂っぽさを軽減して食べやすい味わいに導いてくれます。一方の花椒は、他のスパイスと合わせても負けないくらいの強い香りを持ち、ビリビリと長時間にわたって舌に残る刺激が特徴です。料理の中で抜群の存在感を放ち、このしびれが癖になる人も多いといいます。

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