
簡単でわかりやすいユダヤ教とキリスト教の違い!信仰する神は同じ?イスラム教との違いも哲学修士が詳しく解説
ユダヤ教とキリスト教の関係
ユダヤ教とキリスト教の関係には、ユダヤ教のメシア待望論という考えが大きくかかわってきます。そのためメシア待望論を解説したのちに、キリスト教の立場を解説していきましょう。
ユダヤ教のメシア待望論
ユダヤ教のメシア待望論とは、ローマ戦争に敗れ離散してしまったユダヤ民族を導くメシア=救世主を待ち望むという考えです。バラバラになってしまったユダヤ民族を再びまとめ上げイスラエルに戻るためのリーダーを待望しています。しかし、ユダヤ教の立場としてそのメシアはいまだ現れていません。
メシアとしてのイエス・キリスト

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イエス・キリストこそが、ユダヤ教のメシア待望論の救世主であるとして始まったのがキリスト教です。そもそもキリストの意味は救世主という意味をもっています。しかし、ユダヤ教は民族宗教であり、世界宗教のキリスト教とは異なったものです。
そのためユダヤ教ではイエスはメシアとして認められることはありません。このような関係性からユダヤ教とキリスト教は同じ神を信仰していながら違う宗教になっているのです。
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このような関係があったから、キリスト教ではユダヤ教の聖書を「旧約」、キリスト教の聖書を「新約」という呼び方をしているんだな。ちなみにユダヤ教では聖書は「タナハ」というんだ。だからユダヤ教の方々の前で「旧約」というのはやめような。
ユダヤ教とキリスト教は救われる人々が違う
この記事では「ユダヤ教」と「キリスト教」の宗教の種類の違い、神との契約の違いの解説してきました。その違いはそれぞれ、民族宗教か世界宗教か、律法か愛の実践かという違いです。そしてユダヤ教とキリスト教の関係はメシア待望論を通してみることで明らかになりました。
そのなかでも最も大きな違いは、ユダヤ教はユダヤ民族を救う民族宗教であるのに対して、キリスト教は信仰している全世界の人々を救う点にありました。