3分で簡単「密度」と「比重」の違い!単位や換算についても工学系院卒ライターがわかりやすく解説!
ライター/through-time
工学修士で、言葉や文学も大好きな雑食系雑学好きWebライター。理系の知識を生かし、密度と比重の違いを分かりやすく解説していく。
密度とは
科学分野以外にも、日常的に使われることが多い「密度」。似たような言葉に「比重」がありますが、両者には決定的な違いがあります。まずは密度について解説しましょう。
密度の定義
科学用語としての「密度」は、[物質の質量]÷[物質の体積]で求められる値、すなわち単位体積あたりの物質の質量を指す言葉です。体積密度ともいい、面積や長さで割る場合はそれぞれ面密度(面積密度)、線密度となります。英語でdensity。ほかにも、電荷密度や磁束密度、状態密度など、さまざまな量に対応する密度があります。
一般的には密集の度合いを示すのに使われ、例えば人口密度はその地域の単位面積当たりに居住する人の数です。また「密度の濃い時間」など、物事の充実度も表します。
こちらの記事もおすすめ
密度と水の不思議な性質~理系ライターがわかりやすく解説
アルキメデスと金の王冠
image by iStockphoto
密度については、古代ギリシアの数学者アルキメデスの逸話が有名でしょう。
ギリシアの都市シラクサの王ヒエロン2世は、金細工師に純金を渡して王冠を作らせました。しかし金細工師が金の一部を横領し、その分の質量をほかの金属を混ぜることでごまかした疑惑が生じ、ヒエロン2世は親族のアルキメデスに王冠を壊さずに調べるよう命じます。アルキメデスは困り果てますが、ある日風呂に入ったところ浴槽から湯があふれたことから、あふれた湯の体積と自身の体の体積が等しいと気付くのです。
アルキメデスは王冠と同じ質量の金塊を用意すると、金塊と王冠それぞれを、水を張った容器に入れました。結果、金塊を入れたときよりも王冠の方があふれる水の量が多く、質量が同じなのに体積が大きい、すなわち密度が低いことが判明。王冠が純金ではないことを見抜いたのです。
こちらの記事もおすすめ
古代ギリシアの第一級科学者「アルキメデス」功績や生涯を戦国通サラリーマンが徹底わかりやすく解説
密度の単位
密度の単位は、SI単位系(国産単位系)のkg/m3(キログラム毎立方メートル)です。kg/m3 では桁が大き過ぎるという場合は、g/cm3(グラム毎立方センチメートル)が使われます。なお、g/cm3を単位とする値は、水に対する比重とほぼ同じです。
液体の密度には、単位が違うだけでkg/m3と値が同じg/L(グラム毎リットル)も用いられますが、Lが非SI単位系のため、値が同じになるg/dm3(グラム毎立方デシメートル)を代わりにすることがあります。1dmは10cmに相当し、1dm3=1000cm3=1Lです。
換算式を下に示します。
1g/cm3=1000kg/m3
1kg/m3=0.001g/cm3=1g/L=1g/dm3
\次のページで「水と空気の密度」を解説!/