この記事では糖質と炭水化物の違いについてみていきます。どちらもお米やパン、麺など主食といわれる食材に含まれているイメージが強いよな。炭水化物は糖質と食物繊維をあわせたものをさしているようです。今回は混同しやすい糖類との違いや炭水化物抜きや糖質オフダイエットなどにも触れながら、健康オタクライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

ヨガ歴7年、筋トレにはまりデッドリフトでダンベル100kgを持ち上げた過去をもつ。身体にいい食事、体づくりに最適な食材にアンテナをはって生きている現役OLライター

炭水化物は糖質と食物繊維をあわせた成分

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炭水化物抜きダイエットや、糖質オフダイエットなど、炭水化物と糖質は同等のもののように語られることが多いですが、炭水化物と糖質には明確な違いがあります。簡単に説明すると炭水化物は糖質と食物繊維をあわせたもの、反対に糖質は炭水化物から食物繊維を除いたものをさしているのです。ここでは、糖類との違いとも比較しながらくわしくみていきましょう。

炭水化物:糖質と食物繊維をあわせたもの

炭水化物は糖質と食物繊維をあわせたものをさし、たんぱく質と脂質と並んで三大栄養素の1つでもありますね。三大栄養素のなかではエネルギーを生み出す役割を担っています。その中でも食物繊維に由来するエネルギーはとても少なく、エネルギーの大部分は糖質に由来しているんだそう。

糖質:炭水化物から食物繊維を除いたもの

糖質は炭水化物から食物繊維を除いたもので、身体を動かしたり脳を動かしたりする際に必要になってくるエネルギー源です。糖質を摂取すると血糖値が上昇するのも特徴の1つ。

また、糖質は食物繊維とは異なり消化酵素で消化される成分で、多糖類、糖アルコール、天然甘味料、単糖類、少糖類、などいくつかの種類がありますね。特に単糖類と少糖類にあたる二糖類は糖類と分類されています。

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糖類:単糖類と二糖類のこと

糖類とは、単糖類と二糖類のことをさしています。詳しく説明すると、糖質からでんぷんやオリゴ糖といった多糖類や、キシリトールやエリスリトールといった糖アルコールを除いたもののことです。具体的には、ブドウ糖や果糖が単糖類にあたり、砂糖や乳糖などが二糖類に含まれていますね。

商品のパッケージに「糖類ゼロ」や「糖類ゼロ」の文字を見かけることがあるかもしれません。これら2つの表記には明確な違いがあり、「糖質ゼロ」と謳われるもののなかには「糖類」は含まれている可能性があることを覚えておきましょう。

【糖質】
多糖類:でんぷん、オリゴ糖、デキストリンなど
糖アルコール:キシリトール、エリスリトール、ソルビトールなど
【糖類】(※糖類自体が糖質に含まれる)
単糖類:ブドウ糖(グルコース)、果糖など
二糖類:砂糖(ショ糖)、乳糖、麦芽糖、トレハロースなど

炭水化物と糖質の目標摂取量や豊富に含まれる食材は?

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ここからは、炭水化物や糖質が豊富に含まれる食材についてまとめながら、炭水化物の1日の目標摂取量についてもみていきましょう。

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炭水化物が多く含まれている食材とは?

炭水化物は主食といわれる食品に多く含まれているイメージがありますね。白米、パン、麺類などが想像できるでしょう。具体的にいくつか例をあげてみましょう。糖質オフダイエットで注目を集める鶏むね肉と、食物繊維が豊富なイメージのあるキャベツとも比較してみます。

【炭水化物(100g可食部の比較)】
精白米/うるち米 37.1g
角形食パン/食パン 46.4g
生パスタ/生 46.9g
そば/生 54.5g
鶏むね肉/皮なし/生 0g
キャベツ/結球葉/生 5.2g 

(出典:日本食品標準成分表2020年(八訂))

このようにみていくと、白米やそばなど炭水化物は主食になりうる食材に多く含まれていることがわかりますね。糖質と食物繊維の量について白米とそばをみてみると、白米100gあたり糖質が35.6g、食物繊維は1.5gそばは糖質24.0gは食物繊維2.0gとなっていました。主食となる炭水化物は食物繊維よりも糖質の割合が高いことがうかがえます。

1日の目標摂取量は?

炭水化物の1日の目標摂取量は、年齢や性別、身体活動量によって分けて定められているんだそう。また、厚生労働省は「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において1日に摂取する目標カロリーのうち50~65%を炭水化物から摂取するという数値を提示しています。その人の状況によって目標摂取量は異なってきますので、ぜひ参考にできる数値を探してみてくださいね。

【推定エネルギー必要量(kcal/日)】男性

身体活動レベル  1(低い) 2(普通) 3(高い)
18~29歳     2300   2650   3050 
30~49歳      2300   2700   3050
50~64歳                   2200   2600   2950
65~74歳                   2050   2400   2750
75歳~                        1800   2100               -

(出典:厚生労働省「日本新の食事摂取基準(2020年版))

【推定エネルギー必要量(kcal/日)】女性

身体活動レベル  1(低い) 2(普通) 3(高い)
18~29歳     1700   2000   2300 
30~49歳      1750   2050   2350
50~64歳                  1650   1950   2250
65~74歳                  1550   1850   2100
75歳~                       1400   1650               -

(出典:厚生労働省「日本新の食事摂取基準(2020年版))

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以上の表の数値を参考に、例えば身体活動レベルが普通の30~49歳の女性であれば、1日のエネルギー摂取目標は2050kcal。このうちの60%、2050×0.6=1230kcalを炭水化物から摂取する必要があるということです。ちなみに炭水化物1gは4kcalとなるため、1230÷4=307.5gの炭水化物を摂取することが望ましいということになりますね。

糖質と甘味料の違いや特徴は?

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ダイエットを意識している方は、糖質オフという言葉をよく目にするでしょう。人間の身体では糖質を摂取すると血糖値が上がり、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌される仕組みになっているんだそう。インスリンが分泌しすぎると血糖は中性脂肪として筋肉や脂肪に取り込まれるメカニズムになっているのです。

そのため、糖質の摂りすぎには注意が必要となってきます。ここからは、糖質の種類と血糖値の関係、さらには甘味を求める際に砂糖の代替品となる人工甘味料まで比較しながらみていきましょう。

血糖値が上がりやすい甘味料:ブドウ糖や砂糖

血糖値が上がりやすい糖質は「糖類」に分類される単糖類や二糖類です。吸収率が高いため摂取後すぐに血糖値を上げる作用があり、単糖類であれば数分程度、二糖類では10分~1時間程度で体内へ吸収されていくんだそう。具体的な甘味の種類としては、グルコースという単糖類そのものであるブドウ糖や、砂糖の主成分であるショ糖、牛乳などに含まれるらラクロースや、サツマイモなどに含まれるトレハロースなどをさしています。

糖質によりエネルギーを摂取することにより、身体や脳のパフォーマンスを上げてくれるというメリットもありますね。ダイエットが目的なってくると炭水化物や糖質の積極的な摂取を避けるようになりますが、適度に摂取することも心がけていきましょう。

血糖値が上がりにくい甘味料:果糖や人工甘味料

果物に多く含まれる果糖は、血液中のインスリンを上昇させる作用が小さいといわれているため血糖値が上がりにくい糖であるといえるでしょう。また、味噌や醤油といった発酵食品に含まれる糖アルコールも血糖値が上がりにくいといわれており、砂糖の代替品として役立ちますね。具体的にはエリスリトールなどの甘味料などです。

砂糖の代替品として化学的に合成された人工甘味料も甘味を欲した際の選択肢としてよいかもしれません。合成人工甘味料は基本的にカロリーを抑えた甘味料になります。アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロースなどがよく聞くものになりますね。アスパルテームは味の素の「パルスイート」という商品にも使用されているのだそう。

炭水化物と糖質の違いを理解して美味しく食卓に取り入れよう!

炭水化物は糖質と食物繊維を合せたもの糖質は炭水化物から食物繊維を除いたもので、人間が生きるために必要な三大栄養素のうちエネルギーを作り出す大切な役割を担う成分であることがわかりました。健康志向の高まりもあり、炭水化物抜きや糖質制限という言葉をよく目にするようになりましたが、健康な毎日を過ごすためには、適切な量を上手に選択していくことが必要となってきますね。

また、糖類ゼロと糖質ゼロの違いについてもみてきました。同じような表記であっても、糖類ゼロのものの中には糖質が含まれていることもあるということが理解できたでしょう。これを機に商品の表記を確認してみるのも楽しいかもしれません。

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雑学食べ物・飲み物

簡単でわかりやすい!炭水化物と糖質の違いとは?甘みや成分、糖類との違いも健康オタクライターがくわしく解説

以上の表の数値を参考に、例えば身体活動レベルが普通の30~49歳の女性であれば、1日のエネルギー摂取目標は2050kcal。このうちの60%、2050×0.6=1230kcalを炭水化物から摂取する必要があるということです。ちなみに炭水化物1gは4kcalとなるため、1230÷4=307.5gの炭水化物を摂取することが望ましいということになりますね。

糖質と甘味料の違いや特徴は?

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ダイエットを意識している方は、糖質オフという言葉をよく目にするでしょう。人間の身体では糖質を摂取すると血糖値が上がり、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌される仕組みになっているんだそう。インスリンが分泌しすぎると血糖は中性脂肪として筋肉や脂肪に取り込まれるメカニズムになっているのです。

そのため、糖質の摂りすぎには注意が必要となってきます。ここからは、糖質の種類と血糖値の関係、さらには甘味を求める際に砂糖の代替品となる人工甘味料まで比較しながらみていきましょう。

血糖値が上がりやすい甘味料:ブドウ糖や砂糖

血糖値が上がりやすい糖質は「糖類」に分類される単糖類や二糖類です。吸収率が高いため摂取後すぐに血糖値を上げる作用があり、単糖類であれば数分程度、二糖類では10分~1時間程度で体内へ吸収されていくんだそう。具体的な甘味の種類としては、グルコースという単糖類そのものであるブドウ糖や、砂糖の主成分であるショ糖、牛乳などに含まれるらラクロースや、サツマイモなどに含まれるトレハロースなどをさしています。

糖質によりエネルギーを摂取することにより、身体や脳のパフォーマンスを上げてくれるというメリットもありますね。ダイエットが目的なってくると炭水化物や糖質の積極的な摂取を避けるようになりますが、適度に摂取することも心がけていきましょう。

血糖値が上がりにくい甘味料:果糖や人工甘味料

果物に多く含まれる果糖は、血液中のインスリンを上昇させる作用が小さいといわれているため血糖値が上がりにくい糖であるといえるでしょう。また、味噌や醤油といった発酵食品に含まれる糖アルコールも血糖値が上がりにくいといわれており、砂糖の代替品として役立ちますね。具体的にはエリスリトールなどの甘味料などです。

砂糖の代替品として化学的に合成された人工甘味料も甘味を欲した際の選択肢としてよいかもしれません。合成人工甘味料は基本的にカロリーを抑えた甘味料になります。アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロースなどがよく聞くものになりますね。アスパルテームは味の素の「パルスイート」という商品にも使用されているのだそう。

炭水化物と糖質の違いを理解して美味しく食卓に取り入れよう!

炭水化物は糖質と食物繊維を合せたもの糖質は炭水化物から食物繊維を除いたもので、人間が生きるために必要な三大栄養素のうちエネルギーを作り出す大切な役割を担う成分であることがわかりました。健康志向の高まりもあり、炭水化物抜きや糖質制限という言葉をよく目にするようになりましたが、健康な毎日を過ごすためには、適切な量を上手に選択していくことが必要となってきますね。

また、糖類ゼロと糖質ゼロの違いについてもみてきました。同じような表記であっても、糖類ゼロのものの中には糖質が含まれていることもあるということが理解できたでしょう。これを機に商品の表記を確認してみるのも楽しいかもしれません。

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