今回は「柚子茶」と「柚子ジャム」の違いを見ていきます。どちらも柚子の皮が入っているトロっとした食品で、よく似た見た目をしているな。食べたことがあるやつでも、完成品を見ただけでは区別がつかないんじゃないか?ですがこの2つ、明確に異なる点があるんです。この先はグルメ好き主婦ライターのスズキアユミと一緒に詳細を解説していきます。

ライター/スズキアユミ

食べることが大好きな主婦ライター。週に2回は外食を楽しみ、近隣のお店を開拓している。高級料理よりも庶民派の手軽なものが好み。

柚子茶と柚子ジャムの違いは2つ

image by iStockphoto

韓国の伝統的な飲み物として、日本をはじめ海外でも人気を博している柚子茶。甘酸っぱい味わいと柚子のさわやかな香りが特徴で、あたたかい柚子茶を飲めばほっと落ち着いた気持ちになります。柚子の果皮が入った黄色くトロっとした柚子茶は、まるでジャムのような見た目。別に柚子ジャムと表記されている商品もあるため、見分けがつかないことも多いでしょう。

柚子茶と柚子ジャムの違いは大きく分けて2つ。作り方と、ジャムと呼べる規格であるかどうかにありました。

違い1.作り方

1つ目の違いは作り方です。柚子茶は、柚子の果皮と果汁をはちみつや砂糖、氷砂糖で漬けたもの。一方の柚子ジャムは果皮と果汁を砂糖で煮詰めたもので、ポイントは加熱してあるかどうかです。柚子茶は加熱しない、柚子ジャムは加熱する、という整理になります。

\次のページで「違い2.ジャムと呼べる規格かどうか」を解説!/

違い2.ジャムと呼べる規格かどうか

2つ目の違いは、ジャムと呼べる規格かどうかです。日本で「ジャム」と呼ぶ商品を販売する場合、日本農林規格(JAS)が定めた「ジャム」の規格を満たす必要があります。つまり、日本で柚子ジャムとして売られている商品はジャムの規格を満たしているということ。仮に柚子を砂糖で煮詰めた食品であっても、規格外のものは「ジャム」とは表示されません。

ジャム・マーマレードの日本農林規格

image by iStockphoto

「ジャム」と、ジャム似た食品である「マーマレード」の日本農林規格をご紹介しましょう。ジャムとマーマレードは同じ「ジャム類」に属する食品ですが、規格の上では異なる部分も。そのため、柚子マーマレードと柚子ジャムは中身が少しだけ違います。まず「ジャム類」とは以下の定義のもの。これに該当する食品の中に、ジャム・マーマレード・ゼリーなどいくつかの分類があります。

次のいずれかのもの。
a) 果実等(3.1)を砂糖類,糖アルコール又は蜂蜜とともにゼリー化するようになるまで加熱したもの。
b) a)に酒類,かんきつ類の果汁,ゲル化剤,酸味料,香料等を加えたもの。

 

出典:日本農林規格 ジャム類

ジャムの規格

ジャムとは、ジャム類の中でマーマレードとゼリー以外のものを指します。ゼリーは果実などの搾り汁を原料にしたものですから、ジャムとは区別されているのですね。ジャムの果実等含有率は33%以上と定められており、「特選」と呼ばれる高品質商品として販売する場合には45%以上である必要があります。

マーマレードの規格

マーマレードとは、ジャム類の中でかんきつ類の果物を使用していて、果皮が入っていると分かるもののことです。マーマレードの果実等含有率は20%以上と定められており、「特選」の品質では30%以上にする必要があります。また果皮が均一に混ざっていることも必要です。

\次のページで「柚子はどんな果物?」を解説!/

柚子はどんな果物?

image by iStockphoto

柚子茶・柚子ジャムの主要原料となる柚子は、いったいどんな果物なのでしょうか。改めて聞かれると、柚子を明確に説明するのは難しいかもしれませんね。ここで一度、柚子という果物について整理して理解を深めておきましょう

植物としての柚子

柚子は柑橘類の一種で、ミカン科ミカン属の植物からできる果実です。原産地は中国。日本には平安時代の初期にはすでに伝わっていたといわれています。9月~12月に実ができ、でこぼことした表面で直径4~8cmほどの大きさに成長。一般的には黄色く色づいたものが流通しますが、早くに収穫して緑色の状態で活用されることもあります。

食品としての柚子

食品としての柚子は、主に果汁・果皮が使用されます。日本では果汁を飲料やデザート、調味料などに加工したり、そのまま料理にかけたりして使用し、果皮は千切りやすりおろしにして料理の彩りに活用するのが身近な例。柚子にはビタミンCとクエン酸が豊富。果皮にはビタミンEも多く含まれており、抗酸化作用や疲労回復などの効果があるといわれています

海外でも人気が高まっており、アメリカの人気スーパー「ホールフーズ」が発表した2022年の食のトレンド予測では、柚子が第2位に入ったほどです。

日用品としての柚子

柚子のさわやかで癒される香りはさまざまな日用品にも活用されます。化粧水やハンドクリームといったスキンケア用品、香水、入浴剤まで、活用の幅はさまざまです。日本では生の柚子を使用した柚子湯が冬の風物詩で、冬至に柚子の実を浮かべたお風呂に入りますね。風邪やあかぎれの予防になるといわれ、また湯治(とうじ)と冬至(とうじ)・融通(ゆうずう)が利くと柚子(ゆず)の語呂を合わせてできた習慣という説もあります。

柚子をはじめとした柑橘系の香りには、ストレス軽減やリラックス効果のあるリモネンという成分が含まれているため、お風呂と相性がいいのもうなずけますね。

\次のページで「柚子茶・柚子ジャムの作り方」を解説!/

柚子茶・柚子ジャムの作り方

image by iStockphoto

家庭でも簡単に作れる柚子茶・柚子ジャムのレシピをご紹介します。特に柚子茶は火を使わずにできるので、料理が苦手な方やお子さんでも安心してトライできますよ。

柚子茶の作り方
【材料】
・柚子…500g
・はちみつ(または砂糖)…350g

【手順】
1.柚子をよく洗って乾燥させたら。半分に切って種を取り、果汁を絞る。
2.柚子の皮から薄皮と白いわたを取り除き、長さ2cmほどの薄い千切りにする
3.消毒した瓶に柚子の皮とはちみつ(砂糖)を交互に入れ、最後に絞った果汁を入れる。
4.室温で2週間ほど置いたら完成。

柚子ジャムの作り方
【材料】
・柚子…500g
・砂糖…300g
・水…100ml
・お茶パック…1枚

【手順】
1.柚子をよく洗って半分に切り、果汁を絞る。種もとっておく。
2.柚子の皮から薄皮と白い綿を取り除き、長さ2cmほどの薄い千切りにする。
3.千切りにした皮を多めのお湯(分量外)で3分茹で、新しいお湯に変えて3分茹でることを合計3回繰り返す。
4.鍋に皮・果汁・砂糖・種を入れたお茶パックを入れ、10分ほど煮る。お茶パックを取り出して追加で5分ほど煮る。
5.熱いうちに消毒した瓶の上まで入れて蓋をしたら、瓶を逆さにして冷ます。冷蔵庫で冷やしたら完成。

手軽に柚子茶・柚子ジャムを楽しもう!

柚子茶と柚子ジャムは、加熱してあるかどうか、ジャムと呼べる規格かどうかに違いがあるということが分かりました。どちらも柚子の特徴がしっかりと出ているおいしい食品。お湯やソーダ水で割って飲んだり、ヨーグルトやパンにつけて食べたりすればさわやかな風味が楽しめます。ご紹介したレシピはもちろん、お近くのスーパーでも手軽に購入できるので、一度試してみてくださいね。

" /> 簡単でわかりやすい!柚子茶と柚子ジャムの違いは2つ?柚子マーマレードとの違いやレシピもグルメ好きライターが詳しく解説 – Study-Z
雑学食べ物・飲み物

簡単でわかりやすい!柚子茶と柚子ジャムの違いは2つ?柚子マーマレードとの違いやレシピもグルメ好きライターが詳しく解説

今回は「柚子茶」と「柚子ジャム」の違いを見ていきます。どちらも柚子の皮が入っているトロっとした食品で、よく似た見た目をしているな。食べたことがあるやつでも、完成品を見ただけでは区別がつかないんじゃないか?ですがこの2つ、明確に異なる点があるんです。この先はグルメ好き主婦ライターのスズキアユミと一緒に詳細を解説していきます。

ライター/スズキアユミ

食べることが大好きな主婦ライター。週に2回は外食を楽しみ、近隣のお店を開拓している。高級料理よりも庶民派の手軽なものが好み。

柚子茶と柚子ジャムの違いは2つ

image by iStockphoto

韓国の伝統的な飲み物として、日本をはじめ海外でも人気を博している柚子茶。甘酸っぱい味わいと柚子のさわやかな香りが特徴で、あたたかい柚子茶を飲めばほっと落ち着いた気持ちになります。柚子の果皮が入った黄色くトロっとした柚子茶は、まるでジャムのような見た目。別に柚子ジャムと表記されている商品もあるため、見分けがつかないことも多いでしょう。

柚子茶と柚子ジャムの違いは大きく分けて2つ。作り方と、ジャムと呼べる規格であるかどうかにありました。

違い1.作り方

1つ目の違いは作り方です。柚子茶は、柚子の果皮と果汁をはちみつや砂糖、氷砂糖で漬けたもの。一方の柚子ジャムは果皮と果汁を砂糖で煮詰めたもので、ポイントは加熱してあるかどうかです。柚子茶は加熱しない、柚子ジャムは加熱する、という整理になります。

\次のページで「違い2.ジャムと呼べる規格かどうか」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: